急遽テレワーク導入!の顛末記

「祝! 連載100回記念!! 筆者が選ぶ、今からでも読んでほしいお役立ち記事10本」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(101)

テレワークに便利な「ビデオ会議」や「PCの遠隔操作」など、お役立ち記事を厳選紹介

全100回の記事のうち、最もアクセスが多かったのは……

 2020年4月7日、緊急事態宣言が発出。新宿のとある中小企業では、急遽決まった在宅勤務に向けて、その前日から準備に追われていた……。

 そんなドタバタの中から始まった本連載も、あれから2年以上が経って、ついに掲載回数が100回を超えた。「まさか、テレワークが日常化するなんて、あの頃は思っていませんでしたよ」なんて編集者と話していると、電話中に編集部から一本のメールが送られてくる。タイトルは「連載記事100本のアクセスランキング」。どうやら、次の記事のネタが決まったようだ。

 ということで、今回は過去に掲載してきた記事のアクセスランキングとともに、そこで紹介してきたテクニックを振り返ってみた。「今からでも読んでほしいお役立ち記事 10本」もセレクトしてみたので、ぜひテレワークに役立たせてもらいたい。

【今回のハイライト】
会議の様子を自動で文字起こし
ビデオ会議ではiPhoneのカメラが最強!
タブレット経由などで会社PCを遠隔起動

ランキング ベスト10!! 中でも注目ワードは「自動文字起こし」

 というわけで、さっそくアクセス数が多かった記事を、第1位から第10位まで紹介してみよう。

アクセスランキング ベスト10

 このうち、・1位3位4位7位の記事は、連載初期の頃に「テレワーク導入のノウハウ(?)」というか、まずはツールやガジェットをいろいろ導入していた頃の顛末記である。いろいろと失敗もしていて、今から読むとなかなか恥ずかしい。

 ただ、その中でも注目したいのが、「自動文字起こし」をテーマにした記事が、6位9位にランクインしていることだ。テレワークが始まってからは、情報共有の場として社内ミーティングの重要性が増したが、その議事録を残すことが結構な負担になっている。また、会社の固定電話ならアダプタ経由で会話をボイスレコーダーで録音できるが、手持ちのiPhoneで録音アプリを使おうとすると、月額料金がかかるものしか見当たらなかった。

 そこでオススメしたいのが、この2本の記事というわけだ。ここで紹介している方法なら、会議中の発言だろうと、iPhoneでの通話だろうと、なんでも録音したうえで文字起こしまでしてくれる。音声認識の精度も数年前と比べればかなり向上しており、ちょっと手直ししてやれば、一からタイピングするよりも楽に議事録などを作ることができた。

 しかし、こうしてランキングを見てみると、「自動文字起こし」以外にもテレワークをかなり快適にしてくれたテクニックが、上位10位以外にちらほら出てくる。筆者としては「埋もらせてしまうのはもったいない!」という気持ちで一杯なので、アクセス数が少なめだった記事からも“今からでも読んでほしいお役立ち記事”をいくつか紹介してみたい。

ビデオ会議の品質を向上するなら、この3本

 これまで書いてきた連載記事を振り返る中で、筆者が「今からでも読んでほしい」と思ったのがこの10本だ。

筆者セレクト「今からでも読んでほしい10本」

 これら10本の記事を通して、筆者は「ビデオ会議の品質向上」、「会社PCの遠隔操作」「予定管理の省力化」を実現することができた。

 まずは、ビデオ会議についてだが、これはiPhoneをWebカメラ代わりに利用できるアプリ「NDI HX Camera」を導入したことが大きい。うちの会社では東京都のテレワーク助成金を使ってWebカメラを購入したのだが、それよりもiPhoneのカメラの方が明らかに画質がよかった。ちなみに、「NDI HX Camera」は有料だが、ほかにも「EpocCam」など同じようなことが無料でできるアプリもあるので、ぜひ一度試してみてもらいたい。

 なお、iPhoneをWebカメラ代わりに利用するには、スタンドなどで固定する必要があるが、これについては「モニターアームが使えない!? ディスプレイの置き方を検証してみた」の回で紹介しているので、参考になれば幸いだ。

 さらに、USBマイクの購入で音質も向上させたわけだが、個人的には“会議中にヘッドセットを被らなくてよくなった”ことが大きかった。おかげで、頭や耳が痛くなったり、汗で蒸れることがなくなったし、ケーブルが机の上で邪魔なることもない。

 そして、Windows に標準で用意されている「ゲームバー」アプリ。これを利用することで、主催者じゃなくても、会議の様子を自分のメモ用として録画できるようになった。ただ、Microsoft Teamsの会議を録画するときは、ときどき音が小さくなることがあるので困っている。

予定の管理でラクをしたいなら、この3本

 続いて、会社にあるPCの遠隔操作についてだが、これについては色々な方法を試してみた総集編として「リモートで会社のPCを操作したい!! 最強のリモートデスクトップ環境への道」という記事を掲載しているので、こちらを参考にしてもらいたい。

 ただ、現状では遠隔操作で電源を入れるには、「インテル vPro プラットフォーム」搭載のPCか、電源が入りっぱなしのスマホ・タブレット・PCを、会社に1台置いておく必要がある。最近では通常出勤しているスタッフもいるので、電話で「ごめん、PCの電源を入れておいて」とアナログな手法も使っているが、会社に誰もいない緊急事態宣言下ではかなり役に立った。

 そして、利便性という点では、個人的に一番メリットを感じているのが、予定・タスクの管理テクニックだ。具体的には会社で使っているグループウェアに登録している予定を、Googleカレンダーと同期。さらに、ToDo管理アプリの「Todoist」も同期させることで、あらゆる予定とタスクがGoogleカレンダーで一括チェックできるようになり、さらにPCやスマホでリマインドまでしてくれるようになった。

 このGoogleカレンダーは部屋に置いてあるスマートスピーカー「Amazon Echo」とも同期しているので、予定の30分前になるとアレクサが「カレンダーによると、今から30分後に●●●が予定されています」などと教えてくれる。会社ではなかなか音による通知が使いにくいので、テレワークならではのテクニックといえるだろう。

ほかにも、自宅ならではのテクニックが……

 自宅では自由に“音を鳴らす”ことができるので、先ほども紹介したように「Amazon Echo」が、通知や音楽再生などに活躍している。

 そんな音関係で便利になったのが、メールの受信に利用しているThunderbirdだ。“メールを振り分けたフォルダによって、着信音を変える/消す”ためのアドオンをインストールしたので、メルマガなどの不要なメールが届いた時に着信音が鳴らなくなった。おかげで仕事に集中しながらも、重要なメールは見逃さずに済むので助かっている。

 ただ、テレワークでは自室にこもりっぱなしの生活が嫌になってくるので、筆者はその日の気分で、リビングやほかの部屋でも仕事をしている。そんな時に便利なのがPCの画面をミラーリングするガジェットだ。

 最初はプロジェクターの「popIn Aladdin」を使っていたが、いろいろと試行錯誤を繰り返し、今は「Fire TV Stick」をリビングのテレビにつないで仕事をしていることが多い。

 ということで、連載記事を振り返るとともに、「今からでも読んでほしい記事」をいくつかピックアップしてみた。古くは2年前から使っているテクニックだが、今でも思いっきり現役で大活躍してくれているので、ぜひ一度お試しあれ。

「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」記事一覧

※編集部より
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飛田九十九