急遽テレワーク導入!の顛末記

「プリンターがないと書類の署名が大変! フリーの画像ソフトで解決してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(74)

プリンターで印刷しないで名前を手書きっぽく入力する方法

書類に画像化した署名を貼り付けるには、ちょっとした準備が必要

 テレワークがはじまってから、会社の複合機が使えないので困っている。申請用の書類にサインするときなどは、特に面倒くさい。外出の予定がない日でも、これだけのために着替えてマスクを着けて、コンビニまで走っている状況だ。

 ……この記事を書いている時点で、東京都で4回目の緊急事態宣言が解除されてから29日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はオンラインでの書類のやり取りを、もっと手軽にできないか考えてみた。

【今回のハイライト】
写真から文字部分だけ抽出
Wordでは文字の回り込みに注意
PDFにも署名ができた

10月25日(月):書類に署名……のためにコンビニと自宅を3往復

 今日も自宅でテレワーク。朝のメールをチェックしていると、取引先から申請用の書類が届いていた。これは、内容を確認したうえで、名前や社名、住所などを記載したものをFAXやメールで返信するタイプのもの。以前だったら会社の複合機で書類を印刷。それに署名などを行ったうえで、書類をファックスで送り返していたのだが……。テレワークをしている自宅には、プリンターもファックスもない。

 結局、いつものようにコンビニの複合機を利用することになったのだが、

・書類をUSBメモリーに保存

・コンビニに着いたところで、PDFの書類しか印刷できないことに気が付いて帰宅

・PDFに変換した書類をUSBメモリーに保存し、コンビニに行って印刷

・帰宅して書類に署名などを行い、それをカバンに入れてコンビニへ

・署名した書類をスキャンして、データをUSBメモリーに保存

・帰宅してスキャンした書類を取引先にメールで送信

 という具合に、自宅とコンビニの間を3往復することになった。これでは、急ぎの案件が詰まっているときなどは、書類の対応が難しくなる。何か良い解決策は無いだろうか。

コンビニではWordファイルを印刷できず、PDFにエクスポートすることに

10月26日(火):署名を画像データとして保存する

 テレワークで書類をやり取りしていると、昨日のようなケースで手間取ることになる。となれば、署名をデジタルデータ化しておいて、書類を印刷しなくても、PC上で貼り付けられる状態にしておくのがベストだろう。

 筆者の関わっている案件だと、電子署名まで大げさな仕組みは必要ないので、シンプルに署名をスマホで撮影。それを画像データとして、書類に貼り付けることにした。ただ、スマホで撮影した写真では、白紙に名前を書いても文字以外の部分がグレー掛かってしまうので、貼り付けた時に不自然になってしまう。

 そこで、署名の部分だけを切り抜いて、紙の部分は透明化した画像データを作成することに。フリーの画像編集ソフト「GIMP」で写真を取り込み、ファジー選択機能で名前以外の部分(紙が写った部分)を選択。Deleteキーで削除していく。

まずは「切り抜き」機能で署名以外の部分を大まかにトリミングしたら、「レイヤー」→「透明部分」→「アルファチャンネルの追加」と操作
「ファジー選択」機能を有効にして、白紙の部分をクリックして選択。「Delete」キーで削除する
「田」の字の中などが選択しきれていなかったので、これも「ファジー選択」機能を使って選択、削除する
作業が終わったら、「ファイル」→「名前を付けてエクスポート」と操作して、画像を保存する

 あとは、これを書類に貼り付ければOK。どうせ必要になるので、手書きの社名や住所、電話番号などを画像化したデータも用意しておこう。

10月27日(水):Wordの署名欄に画像を貼り付けてみる

 いざという時に慌てなくて済むように、昨日用意した画像データが、きちんと書類に貼り付けられるか試してみることにする。さっそく、Wordを起動して、下線を引いた署名欄を作成。そこにドラッグ&ドロップで貼り付けてみたところ、署名が下線の間に割って入るように表示されてしまった。どうやら、「文字列の折り返し」機能が悪さをしているらしい。

ドラッグ&ドロップで挿入しただけでは、画像が書類上の文字を弾くように配置されてしまう

 そこで、署名の画像を選択して、折り返し方法を「背面」または「前面」にしたところ、下線の上に画像を配置できるようになった。後は、画像の四隅に表示されるポイントをドラッグ&ドロップして、画像のサイズを適度に調整。ドラッグ&ドロップで丁度いい位置に移動させればいい。

 これで、何かの申請書がワードで届いても、署名などのためにコンビニまで行く必要がなくなった。署名に法的な効力が求められるシーンでは利用できないだろうが、手書きで情報を記入するような申請書、それもFAXやメールで送り返すものであれば十分に使えるだろう。

画像を選択したうえで、「図の形式」→「配置」→「文字列の折り返し」→「背面/前面」と操作
書類上の文字に干渉せずに、画像を配置できるようになった

10月28日(木):PDFへの署名ではまた別のフリーソフトを利用

 昨日はWordで作成された申請書に署名を貼り付けてみたが、書類の中にはPDFで送られてくるものもある。このようなPDFファイルに画像を貼り付けるには、フリーのPDFリーダー「Foxit PDF Reader」が便利だ。

 「Foxit PDF Reader」に画像を挿入する際は、書類を開いたうえで「画像注釈」機能を使用。画像を貼り付ける場所をドラッグ&ドロップで選択すると、それに合わせたサイズで画像が配置される。あとは四隅のポイントを操作して、画像のサイズを微調整すればOKだ。

公式サイトから「Foxit PDF Reader」を入手。名前やメールアドレスを登録し、届いたメールからダウンロードできる
「画像注釈」機能で配置する場所を指定し、ファイルを選択。なにやら、プレビューがホラー調になっているが、これで問題ない
指定した位置に画像が配置された。ドラッグ操作で位置を動かし、四隅のポイントでサイズが変えられる

 これで、WordとPDFのどちらで届いた書類にも、名前や会社名などを手書きっぽく記入できるようになった。コンビニで印刷する代金も節約できるので、今後も書類のやり取りでは積極的に使っていきたい。

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※編集部より
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飛田九十九