急遽テレワーク導入!の顛末記

「ごろ寝でズボラにテレワークしたい!! 古いタブレットを再活用してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(87)

いろいろ試してみたら、仰向けで仕事ができるようになった!

タブレットをスタンドでベッド上に固定。ごろ寝で仕事ができるように

 先週は自宅とオフィスを行き来しながら、マウスやキーボード、NAS、プリンターといった周辺機器を利用できるように、タブレットの環境を整えた。ここまで来れば、後は仕事用のアプリをインストールすることで、いろいろな業務をタブレットだけでこなせるようになるだろう。

 ……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が適用されてから22日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はアプリのインストールも行って、タブレットでのテレワーク環境を完成させてみた。

【今回のハイライト】
仕事用のアプリをインストール
Bitwardenの導入ではトラブルも
タブレットをスタンドで固定

2月7日(月):アプリの使い勝手は変わらない、と思ったのだが

 周辺機器の準備が整ったので、引き続きiPhoneの時と同じように仕事用のアプリをインストールしてみた

 その結果は以下の通り。

  • OneDrive……iPhoneとほぼ同様
  • Snapseed……iPhoneとほぼ同様
  • Adobe Acrobat Reader……iPhoneとほぼ同様
  • Google Chrome……iPhoneとほぼ同様
  • Word……インターフェイスがiPhoneよりPC版に近くて使いやすい
  • 圧縮……標準のファイルマネージャーが利用可能
  • Bitwarden……利用できない
リボンスタイルを継承するOfficeアプリは、iPhone版よりもPCに近い

 「OneDrive」や「Snapseed」、「Adobe Acrobat Reader」、「Google Chrome」は基本設計がiPhone版と同じのようで、ボタンの配置などの細かい違いはあったが、ほとんど同じ感覚で利用できた。「Word」についてはPC版のリボンインターフェイスを踏襲しており、画面の大きなタブレットではあれば、使い勝手はこちらが上といえる。

「ファイル」アプリでファイルを圧縮

 なお、Androidタブレットでは多くの場合、標準でファイルマネージャーがプレインストールされており、このタブレットにも「ファイル」アプリが用意されていた。このアプリにはファイルの圧縮機能も用意されていたので、これで編集部に納品する素材を圧縮してみようと思う。

 ただ、このアプリではiPhoneの「ファイル」アプリのように、オンラインストレージに保存されたファイルを開くことはできない。そこで、今回はOneDriveに保存しておいた原稿を、一度タブレットにダウンロード。キャプチャ画像と合わせて選択したうえで、アプリの機能で圧縮することにした。

圧縮したファイルをメールに添付するには、保存場所を指定する必要がある

 その後、圧縮ファイルをメールに添付して納品しようと思ったのだが……。ファイルの保存場所が見当たらない。というのも、このタブレットでは圧縮したファイルが別のディレクトに保存される仕組みになっているようで、その場所を探すのに一苦労した。結局、「ファイル」アプリ上でファイルの詳細情報を表示。保存場所を確認したが、使っているタブレットのメーカーやAndroidのバージョンによっては、また別の操作が必要になるかもしれない。

 そして、この日、一番手間取ったのが「Bitwarden」だ。なにせ入力ボックスをタップしても、パスワードなどの自動入力機能が反応する気配がない。アプリの設定で自動入力を有効にする、Androidのユーザー補助に関する設定でBitwardenを有効にするなど、いろいろと各種設定をイジってみてもダメ。さて、どうしたものか……。

ユーザー補助でBitwardenを有効にしたが、Google Chromeで利用できない……

2月8日(火):ようやくBitwardenが使えるようになった!

 昨日はさっぱり動かなかった「Bitwarden」だが、ようやくその原因が分かった。というのも、今日はタブレットで仕事をしていたのだが、ログイン画面の入力ボックスをタップしたときに、こんなメッセージが表示されたのだ。

――Bitwardenのドロップゾーンの表示がブロックされました

何度か入力ボックスをタップすると、ほんの数秒だけメッセージが表示された

 タブレットの電源を入れた後に一度だけ、それも決まったタイミングがなく、わずか数秒で消えるため、恐らく昨日は見過ごしてしまったのだろう。で、「ドロップゾーンとは?」と調べてみると、どうやらファーウェイの端末では、別のアプリの上に情報を表示する(=ドロップゾーン)ために権限が必要になるらしい。今回でいうとBitwardenには、“Google Chromeの画面上にインターフェイスを表示する権限”がなかったようだ。

 そこで、タブレットのそれらしいメニューを探してみると、「端末管理」というアプリに「ドロップゾーン管理」という設定があったので、ここでBitwardenを有効に。その後、Google Chromeで入力ボックスをフォーカスすると、「Bitwardenで自動入力」というポップアップが表示されて、ここからパスワードなどを自動入力できるようになった。

「端末管理」アプリでドロップゾーン管理の権限を変更

 これで、ようやくiPhoneにインストールした仕事用のアプリが、Androidタブレットでも一通り使いこなせるようになった。タブレットサイズの画面があれば、iPhoneとは違ってモニターがない場所でも仕事ができそうなので、状況に応じて使い分けていきたい。

2月9日(水):そして、今回一番やってみたかったことに挑戦

 タブレットを仕事で使う環境が整ったので、いよいよ今回一番やってみたかったことに挑戦してみたい。用意するのはタブレットを固定できるアームスタンド。これにタブレットを下向きに固定して、ベッドの上に配置すると……。

ベッドの上にタブレットを下向きに固定
ベッドに寝ころんで上を見ると、タブレットが目の前に

 いわゆる“ごろ寝スタンド”を使った時のように、タブレットを顔の前に固定できた。これでベッドに寝ころびながらでも、タブレットで仕事ができる。iPhoneは外出先での仕事用にカスタムしたが、タブレットはごろ寝仕事専用マシンとして、ベッドわきに置いておいてもいいかもしれない。

2月10日(木):PC仕事もごろ寝でできるようになりました

 昨日はごろ寝で仕事をしてみたが、今朝になってあることを思いついてPCを起動。タブレットで「spacedesk」を起動してみた

 spacedeskはタブレットをサブディスプレイとして利用するためのアプリ。同じネットワーク内にあるPCのモニターを拡張する形で、PCのデスクトップ画面をタブレットに表示できる。

spacedeskを起動すると、クライアントアプリをインストールしたPCが表示され、タップするとデスクトップが表示される

 あとは、PCで利用している無線マウスとキーボードを、ベッドまで持ってくれば準備は完了。これで仕事中に疲れたら、その続きをベッドに寝ころびながら作業できるようになった。以前にこのアプリを使ったときはポインターの動作などの遅延が気になったが、ルーターを交換してネットワーク環境が改善したのか、今日はストレスなくマウスを操作できる。これなら持ち運びできるサブディスプレイとして、仕事に利用できそうだ。

 いろいろ環境を整えたことで、iPhoneとAndroidタブレットでもある程度の仕事をこなせるようになった。テレワークではデスクに縛られることなく作業ができるので、これからもより快適に仕事ができる環境を検討していきたい。

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※編集部より
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飛田九十九