急遽テレワーク導入!の顛末記

「クラウドに散ったタスクを一つのカレンダーで管理したい!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(46)

Trello・Googleカレンダー・slackの予定を一元管理してみた

各クラウドサービスからToDoをインポートして、一つのカレンダー上で管理する

 日々の予定を「Googleカレンダー」に登録して、プロジェクトの進行は「Trello」で管理。さらに、細かいタスクの進捗を「slack」で確認して……。テレワークに伴ってさまざまなクラウドサービスを利用するうちに、関わっている案件のタスク情報が分散することになった。これをいちいちチェックするのは手間だし、もし見過ごしてしまうと大きなトラブルになりかねない。

 ……この記事を書いている時点で、一都三県で緊急事態宣言が解除されてから12日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は手持ちのタスクを一元管理するために、コラボレーションサービス「muuv」(ムーブ)を利用してみた。

【今回のハイライト】
slackやTrelloをサービスと連携させる
Googleカレンダーの予定は自動で同期された
クラウドサービスの情報を元にタスクを登録
【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された2020年4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【2020年4~8月末までの顛末はこちら】

3月26日(金):タスクの確認と整理で無駄に時間がかかる……

 先日、とある目的でサイボウズOfficeとGoogleカレンダーを同期させた。その後、プライベートな予定をGoogleカレンダーで管理しようとしたのだが……。同僚の予定を確認するには、結局サイボウズOfficeを使う必要がある。結果としてタスクを確認するサービスが一つ増えることになった。

 ほかにも、プロジェクト管理には「Trello」を、社内の連絡には「LINE」や「Slack」などを使っているため、仕事中は複数のサービスをチェックしながら、横断的にタスクを管理している。それでもオフィスにいる時は声掛けで解決できることも多かったが、テレワーク中は情報がサービス越しにしか伝わってこないので、管理するのが結構しんどい。

3月24日にリリースされたばかりのコラボレーションクラウド「muuv」

 何か解決する方法はないかと考えていたところ、コラボレーションサービスの「muuv」がβ版をリリースしたとのニュースが目に入った。どうやらこのサービスではslackやTrello、Googleカレンダーなどと連携し、タスク情報を一元管理できるらしい。

 今なら無料で利用できるとのことなので、さっそくユーザー登録を申し込んでみる。後日、ログイン用のドメインが発行されるとのことなので、登録されたらさっそく利用してみたい。

3月29日(月):muuvを各クラウドサービスと連携させてみた

 今日は会社に出社する日。午前中の仕事を片付けていると、muuvからユーザー登録完了のメールが届いた。ログイン用のURLが発行されていたので、さっそくアクセス。ユーザー名とパスワードを指定すると、初期設定画面が表示された。どうやら、ここからSlackなどの各サービスと連携できるらしい。

 現在、muuvと連携できるサービスは以下の通り。

  • slack
  • asana
  • trello
  • Googleカレンダー
  • Googleドライブ
  • github
各サービスと連携することで、タスクを引用したり、登録情報を元にタスクを作成できる

 このうち、仕事で使いそうな「slack」「trello」「Googleカレンダー」と、システム連携の操作を行った。ヘルプを確認すると、slackは自分にメンションがあったメッセージを、Trelloは自分が担当に設定されたタスクを、Googleカレンダーは3週間先までの予定を取り込むことができるらしい。

 さらに、メンバーを「チーム」に招待すれば、タスクをシェアできるようだが……。今やりたいのは「各サービスからタスク情報を集めること」なので、ひとまずは個人で運用していくことにしよう。

3月30日(火):各クラウド上のタスクをmuuvでまとめて管理する

 仕事がひと段落したので、いよいよmuuvを本格的に使っていこうと思う。

画面左の「デイリープランナー」には初期状態で、「カレンダー」と「タスクリスト」が同時に表示されている

 muuvのホーム画面は左が「デイリープランナー」、右が「タスクボード」というように大きく2つに分かれている。このうち「デイリープランナー」には、タスクをカレンダーかリスト形式、あるいはその両方で表示することが可能。この日は11時から進捗報告会議があったが、Googleカレンダーに登録されていた予定がすでに自動で表示されていた。

 ただ、Trelloのタスクは「期限」を認識こそしていても、自動ではカレンダーに登録されない。そこで、「タスクボード」からTrelloのアイコンをクリックし、今日のタスクを「タスクリスト」にドラッグ。さらに、Slackでも今日の打合せに関するメッセージがあったので、同じように「タスクリスト」に移動させた。

 このように、各サービスからタスクを集めたら、カレンダーでの表示名を入力。再びドラッグすることで、カレンダーに予定を登録できる。この作業を朝に行えば、1日のタスクを確認するとともに、それを無理のない配分でカレンダーに落とし込むことができそうだ。

「タスクボード」に登録されたタスクを、「タスクリスト」にドラッグ操作で移動
「タスクリスト」にタスクを集めたら、今度はドラッグ操作でカレンダーに移動させる

 予定の登録が終わったら、画面の表示をカレンダー表示に。この画面はスマホのブラウザーでも確認できるので、普段はここで登録された予定をチェックしていきたい。終了した予定はラジオボタンをクリックすることで、ステータスを「完了済」に変更可能。現在登録されている全タスクをリストで表示することもできるので、今使っているToDoアプリから乗り換えるのもアリだろう。

カレンダー表示にすると、「タスクリスト」が非表示になり、タスクが見やすくなる
登録したタスクはスマホでも確認可能

 そのまま一週間ほど使ってみたところ、細かいところでの操作性などで気になる箇所はあったが、大きなトラブルなく利用することができた。これまで予定を確認するときは、サイボウズOfficeとTrelloをダブルチェックしていたが、そのチェック先が一カ所で済むのは便利。

 各サービスからタスクを取り込む手間があるが、以前から毎朝ToDoリストを整理していたので、タスクの見直しがてらに操作をすれば、さほど手間は感じなかった。ただ、残念なこともあって、現状ではリマインダーの仕様が、「チーム」のメンバーから指定されたタスクにしか機能しないようになっている。このため、自分で登録したタスクについてはリマインダーが働かない。

 これについてはサービス元に確認したところ、「リリース前は対応していたが、通知がうるさく感じたのでオミットした」という。個人的にはぜひ欲しい機能なので、今後のバージョンアップでの実装を期待したい。

リマインダーの設定はあるが、自分で登録したタスクには通知が来ない……

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※編集部より
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飛田九十九