急遽テレワーク導入!の顛末記

「1万3000円でリビングTVがWindows環境に! マウスの激安Winタブを試してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(116)

省スペースかつさまざまな外部デバイスと接続可能

HDMIケーブルでテレビと接続。仕事のメール確認などに利用できる

 マウスコンピューターのWindowsタブレット「mouse E10-VL」が、“激安で購入できる!”と話題になっている。10月上旬の時点における公式サイトでの販売価格は1万3000円。Celeron CPUを採用しているとはいえ、かなりコスパの良いアイテムと言えるだろう。

 ……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから 207日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は編集部から同タブレットをお借りすることができたので、テレワークでの使い方を考えてみた。

(11/2 更新)記事初出時、機種名に誤りがありました。
お詫びして訂正させていただきます。

【今回のハイライト】
iPadや泥タブより端子が充実
ディスプレイカバーを閉じての運用も
リビングからビデオ会議に参加できる

10月11日(火):「mouse E10」が我が家にやってきた!

 先日とある案件でINTERNET Watchの編集者さんと打合せをすることに。そのまま雑談をしていると、以前に記事で見かけた「mouse E10」のことで話が盛り上がった。「mouse E10」は、現在販売されている「mouse E10-VL」にスタイラスペンを同梱した製品だ。

 「テレワークでも何かと役に立ちそう」だと話していたら、端末を1週間借りられることになったので、さっそくレポートしてみたいと思う。

「mouse E10」。キーボードカバーが標準で付属している。ペンが付属するのは「mouse E10」のみで、「mouse E10-VL」には付属しない

 「mouse E10」はGIGAスクール構想向けに作られたモデルということで、スペックが必要最小限な一方で、耐衝撃性を強化するなど“子供が持ち歩く”ことを想定しているのが特徴。付属のキーボードカバーを装着すると、金属やガラスがむき出しの部分がなくなるので、家の中で持ち歩くときにも気を遣わなくて済みそうだ。

 側面のカバーを外すと電源端子などが並んでいるのだが、「mouse E10」はUSBなどのポートが充実している。……いや、Windowsタブレットとしては通常レベルなのだが、この価格帯のアイテムではiPadやAndroidタブレットばかりを使ってきた筆者にとっては、USB端子が2つ(micro-B/Type-C)に加え、micro HDMI端子までついているのは新鮮だった。もしかすると、この辺りが手持ちのタブレットの使い分けポイントになるかもしれない。

左から電源端子、ヘッドホン出力/ヘッドセット端子、USB 3.0(Type-C)、microSD、microHDMI、USB 2.0(micro-B)

10月12日(水):リビングのテレビとHDMI接続、省スペースでいい感じ

 「mouse E10」の充電場所を探して家中をうろうろしていると、リビングのテレビ脇にちょうど良いスペースを見つけた。ここを定位置にすれば仕事のメールも部屋に戻らず確認できるし、出かけるときにも玄関に行く途中でカバンにしまうことができるだろう。

スタンドを立てれば、テレビ脇の狭いスペースにも置くことができる

 で、テレビの横に置いて思ったのが、「これって、Fire TV Stickの代わりに使えるのでは?」ということ。以前からMini-ITXのPCをリビングのテレビに繋ぐことを考えていたのだが、Fire TV Stickを使っているうちに、「ひとまずこれでいいか」と思うようになっていた。

 しかし、「mouse E10」なら、Mini-ITXのPCに負けないぐらいにコンパクト。何かの弾みで倒れても衝撃に耐えてくれるし、家具を傷つけないで済みそうだ。

 「mouse E10」をテレビで利用するために、まず必要となるのがmicro HDMIケーブル。さらに、タブレットから離れて作業することになるので、マウスとキーボードも近くに置いておきたい。できればBluetooth対応のものがよいが……、リビングに置きっぱなしにできそうなものが無かったので、ひとまずUSB Type-Cの変換アダプターを「mouse E10」に装着。そこにワイヤレスマウス&キーボードのレシーバーを接続することにした。

micro HDMI 端子と通常のHDMI端子を接続するためのmicro HDMIケーブル
USB Type-Cやmicro-Bの変換アダプターがあれば、USBマウスやキーボードが使えるようになる

 この状態で「mouse E10」の電源を入れたところ、テレビにデスクトップが表示された。AndroidタブレットなどもMiracastを使って画面のミラーリングができるが、この構成なら有線接続なので遅延は一切発生しない。何よりWindowsマシンならFire TV Stickよりもできることが一気に広がるので、いろいろな使い方が考えられそうだ。

「mouse E10」の画面をテレビにミラーリング。もちろん拡張デスクトップとしても利用できる

10月13日(木):電源オンでWindowsのログイン画面が表示…されない!?

 テレビでWindowsマシンが操作できるようになったので、今日はリビングで仕事をすることに。さっそく「mouse E10」の電源を入れてみたのだが……、いつになってもテレビにログイン画面が表示されない。それで色々調べたところ、どうやら電源を入れた時に一度キーボードカバーを外して画面を確認したので、その後でカバーを戻したことを反映してスリープモードに入ってしまったようだ。

一度もキーボードカバーを開かなければ、テレビ側にログイン画面が表示される

 電源を入れてから一度もカバーを開かなければ、このようなトラブルは起きないのだが、面倒なので設定を変更しておくことにした。カバーを閉じた時の動作は、「電源オプション」の設定から変更できるので、「電源に接続」している時の動作を「何もしない」に変更。これで、作業中にキーボードカバーを開け閉めしても、問題なく作業が続けられそうだ。

 なお、この状態でカバーを閉じると、「Win」+「P」キーから起動する画面の表示設定が自動で「PC画面のみ」に変更される。タブレットとテレビ、2つの画面を同時に表示しているとテレビの解像度は最大1280×800までしか設定できないのだが、「PC画面のみ」の状態では解像度をさらに上げることができるので、外付けディスプレイを接続するときはカバーを閉じた方が良いかもしれない。

「設定」→「システム」→「電源とスリープ」→「電源の追加設定」と操作。表示されたウィンドウの左のメニューで「カバーを閉じた時の動作を選択」を選び、「何もしない」に変更する
「設定」→「ディスプレイ」と操作して「拡大縮小とレイアウト」を100%に変更。カバーを閉じ、「PC画面のみ」に設定すればディスプレイの解像度を1920×1080にできる

10月14日(金):リビングからオンライン会議に参加できるように

 今日はオンラインでの部内会議があるので、これに「mouse E10」から参加してみようと思う。

 「mouse E10」はWebカメラもマイクも内蔵しているので、これ1台でオンライン会議に参加することが可能。今回はテレビに映像を出力するため、少し離れた場所から操作していたが、マイクが問題なくこちらの声を拾ってくれた。

 なお、テレビとはHDMI接続しているので、相手の声をテレビのスピーカーから流すこともできる。高出力なテレビのスピーカーを使った方が相手の声が聞きとりやすくなるので、会議をスムーズに進めることができそうだ。

設定画面でスピーカーにHDMI接続したテレビを選択すると、相手の声がテレビのスピーカーから聞こえるようになる

 一方、Webカメラについてはスタンドの角度調整の問題から、フロントカメラを使うことになる。画素数はフロント/リアとも200万画素で変わらないのだが……、おかげでキーボードカバーを閉じることができなくなった。画面の解像度を上げる場合には、「Win」+「P」キーから起動する設定を「セカンドスクリーンのみ」に変更する必要がありそうだ。

 「mouse E10」があればリビングでもWindows環境で作業ができ、オンライン会議にも参加できるようになる。1万3000円という衝撃価格なだけに、1台持っておいても良いかもしれない。

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※編集部より
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飛田九十九