急遽テレワーク導入!の顛末記
「Web会議用の機材で、iPhoneの電話を録音してみたい【完結編】」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(103)
USBマイクやWebカメラの内蔵マイクを使ってみた
2022年6月20日 07:35
先日はiPhone用に変換コネクタを購入。ピンマイクを使って電話できるようにしたのだが、会話の様子をPCで録音しようとすると、相手の声は保存できても、こちらの声は記録されなかった。
……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから88日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はWeb会議用の機材を使って、先ほどの問題を解決してみた。
6月13日(月):“相手が相づちを打っていると、何を話しているか分からない”問題が発生
今日は朝から電話取材があったので、以前に用意した機材を使って、その様子をPCで録音することに。取材後に保存されたファイルを再生してみたところ、相手がいろいろと話してくれている時は良いのだが、こちらが話している状況が続くと、相手の相づちが聞こえるばかりで何の話をしているのか分からなくなった。
……やはり、自分の声も録音できなければ、電話取材用の機材としては不十分だ。仕事に利用する以上、この問題はなるべく早めに解決しておきたい。
6月14日(火):マイクをもう1台増やすと、ハウリングが発生!
自分の声も録音する方法について、いろいろと考えていたが、単純にマイクを2つに増やすことに思い至った。iPhoneのライン出力に、Web会議で使っているコンデンサーマイク「Moman EM1 USB Microphone」や、Webカメラに内蔵されたマイクで拾った自分の声をミックスすれば、自分と相手の声を同時に録音できるようになる……と思う。
ミックスについては、以前に音声の文字起こしのときに使った、仮想ミキサー「VoicemeeterBanana」が利用できる。さっそく起動して、「HARDWARE INPUT 1」にライン入力(Realtek Audio)を指定。さらに、「HARDWARE INPUT 2」としてマイク(Moman EM1 Microphone)を追加した。
あとは、両INPUTの出力先にA1(スピーカー)とB1(VoiceMeeter Output)を指定すれば、スピーカーで相手の声を聞きつつも、ミックスされた音声を録音できるようになるはずだ。さっそく、録音用のフリーソフト「超録」を起動して、「VoiceMeeter Output」に出力された音声を録音しようとしたのだが……マイクとスピーカーが思いっきりハウリングしてしまった。これでは、とても使い物にならない。
6月15日(水):音声出力先にイヤフォンを指定するも、さらなるトラブルが…
あれから、マイクのゲインを調整したり、スピーカーの配置を変えてはみたが、どうにもハウリングを防ぐことができなかった。こうなると、電話相手の声はスピーカーではなく、イヤフォンなどを使って聞く必要があるだろう。
そこで、「AirPods」をPCにBluetooth接続した上で、「HARDWARE OUT」のA1に指定してみたところ、エラーメッセージが表示されてしまった。どうやら、「VoicemeeterBanana」のHARDWARE OUTには、AirPodsが使えないらしい。
PCのライン出力(Realtek Audio)にイヤフォンを繋いでも良かったのだが、ちょうど「Moman EM1 USB Microphone」にモニタリング用のイヤフォンジャックがあったので、ここにイヤフォンを装着。A1に指定したところ、イヤフォンで相手の声が聞けるようになった。
ただ、スピーカーからも、相変わらず相手の声が流れているのだが……。あれっ、なんでだ?
6月16日(木):「サウンド」の設定変更で、ついに録音が可能に!
あれから、いろいろと設定を調べていたところ、ようやく昨日のトラブルの原因が分かった。以前にiPhoneの電話をPCで録音する際に、Windowsの「サウンド」設定で、ライン入力の「このデバイスを聴く」オプションをオンにしていたのだが、どうやらこれが悪さをしていたようだ。
さらに、マイクで拾った自分の声を、ヘッドフォンに流す必要もないので、「HARDWARE INPUT 2」(マイク)のA1をオフにする。この状態でiPhoneを使って電話をしつつ、「超録」の録音ボタンを押したところ、ようやく自分と相手の声を同時に録音することができた。これで次の電話取材の時などには、万全の状態で通話の様子を録音できるだろう。
なお、この状態で「VoicemeeterBanana」の「HARDWARE INPUT」からライン入力を削除。「HARDWARE INPUT」のマイクと「VIRTUAL INPUTS」(PCで再生されている音)をB1に接続したところ、TeamsやZoomなどのWeb会議で、自分と参加者の声をキレイに録音することができた。映像記録が必要ない会議なら、こちらの方が保存ファイルの容量をコンパクトにできるだろう。
ちなみに、自分の声を録音するために使ったマイクについては、Webカメラに内蔵されているマイクも利用することができる。ただ、PCのファン音などのノイズを結構拾ってしまったので、ある程度の指向性があるマイクを用意した方がよさそうだ。