急遽テレワーク導入!の顛末記

「Bluetoothより優秀! Spotifyで音楽を止めずに仕事してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(59)

自宅内ノマドのお供として、Spotifyを家中で再生してみた

月額無料から利用できる音楽ストリーミングサービス「Spotify」

 テレワークを始めてから、単純作業の時などにBGMを流すようになった。住宅街に住んでいるとはいえ、時には騒音が気になることもあるので、それに邪魔されずに仕事をできるのはありがたい。

 ……この記事を書いている時点で、東京都などで緊急事態宣言が解除されてから12日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は音楽ストリーミングサービスの「Spotify」をテレワークのBGMにすべく、いろいろと機能を試してみた。

【今回のハイライト】
Amazon EchoでSpotifyを聴いてみた
Spotifyを再生できるデバイスを家中から捜索
Shazamと連携して新たなお気に入りを発掘!
【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された2020年4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【2020年4~8月末までの顛末はこちら】

6月28日(月):Amazon EchoとSpotifyをリンクさせてみた

 最近は自宅の部屋を移動しながらテレワークしているが、これが良い気分転換になっている。朝から夜まで自室にこもっていると、どうしても気持ちがふさいでしまうが、そんな閉塞感も部屋を変えるだけで結構変わるものだ。

 ただ、自室ではパソコンの音楽をBGM代わりに再生していたが、リビングなどに移動すると、それもできなくなる。スマホのスピーカーでは音質がいまいちだし、いざという時にバッテリーが無くなるのも困りものだ。

 そこで、ふと“Spotifyが今年から無料プランでも時間制限なしで音楽を聴けるようになった”ことを思い出した。ちょうど今仕事をしている部屋には、スマートスピーカー「Amazon Echo」がある。これで、Spotifyのスキルを有効にすると、「Spotify でjust hitsを再生」などと声で音楽を再生できるようになった。

スマートスピーカー「Amazon Echo」
スマホでアプリ「Amazon Alexa」を起動し、「その他」→「スキル・ゲーム」と操作。「Spotify」のスキルを有効にしたら、設定画面で自分のアカウントとリンクさせる

 ちなみに、スキルを有効にした時点で、パソコンやスマホの公式アプリ、さらにはブラウザーのプレイ画面などが、各部屋にあるAmazon Echoを認識。「デバイスに接続」から“今聴いている曲”を再生するデバイスを切り替えられるようになった。

 この機能が自宅内ノマドをする上では、かなり重宝する。自室で作業をした後、コーヒーブレイクのために移動する時には、再生するデバイスをリビングのAmazon Echoに切り替え。こうすることで、リビングでBGMの続きを聴きながら、仕事を再開することができるのだ。

「デバイスに接続」ボタンをクリックすると、再生するデバイスを指定できる

 Amazon Echoの音声認識では、どうしても思うような操作ができないこともある。しかし、パソコンやスマホで曲を探して、再生はAmazon Echoで行えば、そんなストレスからも解放されそうだ。

6月29日(火):Spotifyのデバイス連携はBluetoothより優秀!

 Spotifyの「デバイスに接続」機能が便利すぎたので、Amazon Echo以外にも再生に使えるデバイスがないか、家中を探してみた。その結果として見つかったのが以下のデバイス。

  • Fire TV Stick(ストリーミングメディアプレーヤー)
  • popIn Aladdin(プロジェクター)
  • PlayStation 4

 モバイルプロジェクターなど、探せばもっと対応デバイスがあるかもしれないが、常時稼働しているのはこのぐらいだろう。というか、これだけあれば、家中ほとんどすべての部屋を網羅できる。

「デバイスに接続」から、あらゆる部屋で音楽を再生できるようになった

 このうち、PlayStation 4については設定を変更することで、パソコンやスマホから遠隔で電源をONにした上で、HDMI接続されたテレビの電源も自動で入れて、音楽を再生させることが可能になった。コントローラーに一切手を触れずに音楽が再生できるというのは、なかなか手間いらずで素晴らしい。

 ただ、一つ残念だったのは、これらのデバイスでは歌詞の表示ができないこと。popIn Aladdinで歌詞を表示させれば、カラオケのように使えると思ったのだが……。少々手間がかかるが、モバイルプロジェクターにノートPCを接続し、画面を複製する必要がありそうだ。

マイク型の「歌詞」アイコンをクリックすることで、歌詞を表示させることができる

 ちなみに、Amazon Echo やpopIn Aladdin は、Bluetooth接続してモバイルスピーカーのようにも使えるが、いちいち接続の設定を行うのが正直面倒くさい。一方、Spotifyならパソコンやスマホで「デバイスに接続」操作を行うだけで済むので、この利便性はちょっと手放せなくなりそうだ。

7月1日(木):Shazamと連携して、新たな“お気に入り”を発掘

 毎日のようにSpotifyを酷使していると、さすがに同じような曲が再生されはじめたので、今日はAmazon Echoでラジオを聴くことに。放送中に気に入った曲があったので、音楽認識アプリの「Shazam」で曲名を調べてみた。

 この時、ShazamとSpotifyのアカウントを連携させておくと、認識された曲をSpotifyで検索できる。それと同時に、Spotifyに「マイShazamトラック」というプレイリストが作成されて、認識された曲が登録された。フルで聴いてもなかなか良い曲だったので、今日はこのアーティストの曲を通しで聴くことに。こうして、新たな曲を発掘できるのもSpotifyならではの楽しみだ。

設定画面からSpotifyとのリンクを行い、「Shazamした曲をSpotifyに同期」をオンに
Shazamで認識された曲が、「マイShazamトラック」に自動で追加された

 ちなみに、アプリ版のSpotifyでは、パソコンやスマホに保存されたmp3ファイルなども再生できる。ただ、その曲を別のデバイスで再生することは不可能。いや、正確には有料アカウントに登録すればやり様があるのだが、とりあえずは今の環境でも十分に満足している。このまましばらくはSpotifyを無料アカウントで利用していく予定だ。

ローカルファイルの再生中は「デバイスに接続」が利用できない

 テレワークに移行したことで、同僚の目を気にせずに、仕事中に好きなBGMが楽しめるようになった。そのお供として、Spotifyはかなり便利に使えるツールと言えるだろう。

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※編集部より
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飛田九十九