自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第60回

Fire TV Stickの音をテレビとEchoデバイスから同時に出力

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回はEchoデバイスからテレビの音を出してみよう。Echo Dotがしゃべると、興味津々で近づいてくる

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テレビの音をEchoからも同時出力して手元スピーカーに、PC用ディスプレイでも便利

 前回までに、ウェイクワードを投げ掛ければ、Amazon Echoデバイスと連携したFire TV Stickをコントロールができるようにセッティングした。音声だけで、リモコンを使わずに手放しで好きなタイトルを再生できるので、けっこう便利になったと感じるはずだ。

 今回は、テレビから流れるFire TV Stickの音声を、Echoデバイスからも出力されるように設定してみよう。Amazonプライム・ビデオだけでなく、ABEMAやHulu、Netflixといった動画配信アプリの音声も同じように出力できる。

 これは、テレビから少し離れて見ている人の手元へEchoデバイスを持ってきたり、音声出力のないPC用ディスプレイなどのデバイスで役に立つ。Echoデバイスは音質がいいモノが多いので、下手をするとテレビの音声より臨場感が増すかもしれない。音が聞き取りにくい場合や、深夜に小音量で楽しみたい[*1]ときにも活用できる。

[*1]……ちなみに、Alexaには「ウィスパーモード」という機能があり、ささやき声で話し掛けるとモードを設定してくれ、静かなヒソヒソ声で反応してくれる。ただし、小さくなるのはAlexaの声のみで、テレビの音声は当然だがささやき声にはならない

 設定後は、テレビとEchoデバイスの両方から音声が出力されるようになるので、不要な方をミュート(もしくは音量を最小に)して使えばいいだろう。

AlexaアプリでFire TV StickとEchoデバイスをホームシアターに設定

 音声を同時出力する設定はAlexaアプリで行い、ホームシアターを作成する作業をする。スピーカーとして使用するためのEchoデバイスは2台までで、オプションとしてサブウーファーの「Echo Sub」を選ぶこともできる。今回は単純にEcho Dotを1台追加してみよう。

 設定の際にはこれまで同様、Fire TV StickとEchoデバイスが同じ部屋に設置されていて、同じWi-Fiに接続していることが前提となる。

 Alexaアプリでは、まず[デバイス]タブの右上にある[+]ボタンをタップする。[スピーカーを構成]を選ぶと表示される[セットアップ]で[ホームシアター]を選び、接続するスピーカーにEchoデバイスを選んで、画面の指示に従っていくと、ホームシアターグループが作成できる。

Alexaアプリで[デバイス]タブの右上にある[+]をタップ
[スピーカーを構成]をタップ
セットアップの画面で[ホームシアター]を選ぶ
接続したいEchoデバイスにチェックを入れる。このデバイスから音が出るようになる
ホームシアターの名前を付ける
グループとして設定すると複数デバイスを管理しやすい。[ダイニング]グループに設定。「保存」をタップすると完了する

 設定後、Fire TV Stickで動画を再生すると、設定したEchoデバイスから音が出るようになっているはずだ。音量は、「アレクサ、ボリューム(音量)を上げて(下げて)」と言えばコントロールできる。もし、このEchoデバイスから音が出るのを止めたいときは、設定したシアターを開いてペアリング解除をタップすれば、元に戻すことができる。

 筆者宅のWi-Fiでは、映像と音がシンクロして遅延もなかったが、Wi-Fiの混雑度やテレビとEchoの距離によっては、音と映像のズレを感じることも考えられる。その場合は、再生品質を落としたり、タイミングを調整することで解決できる。こちらは、Fire TV Stickの[設定]から[ディスプレイとサウンド]の[ホームシアターシステム]で設定ができる。

Fire TV Stickの[設定]画面で[ディスプレイとサウンド]の[ホームシアターシステム]を選ぶ
音声が途切れるときは[オーディオ形式の設定]を[ステレオ 高]から[ステレオ 低]へすると、音質はやや悪くなるが解決できる場合がある
音がズレて聞こえるときは[リップシンクの調整]を選んで、スライダーを左右に動かし、流れてくるラケットと跳ねるボール、Echoから流れる音がシンクロするよう調整しよう

今回の教訓(ポイント)

Fire TV StickとEchoデバイスをホームシアターに設定すると、テレビとEchoから同時に音が出せる
テレビから離れて見るときに便利。視聴する位置の自由度が増す

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。