自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第68回

Fire TV Stickをつないだテレビの外部入力を音声で切り替え

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回は、Nature Remoにリモコンのボタン操作を複数登録して使うシーンの設定をし、テレビの外部入力を切り替えてみる

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 スマートリモコン「Nature Remo mini 2」を使って、Fire TV Stickをつないだテレビを、Echoデバイスから音声でコントロールできるようにセッティングしている。

 前回までで、スマートリモコンとAlexaを連携させ、ウェイクワードで音声コントロールできるように設定した。

 この状態では、Nature RemoスキルがAlexaに登録され、「アレクサ! テレビをつけて」のウェイクワードでテレビがオンになるはずだ。同様に、メーカーごとのリモコンが登録されるので、音量やチャンネル指定などの主な操作ができるようになっている。

 例えば「アレクサ! テレビの音量を上げて(下げて)」や「アレクサ! テレビを4チャンネルにして」で切り替えることができる。ここで重要なのは「テレビで」と必ず付けること。もし2台目を登録する場合には、「ソニーのテレビ」などと、違う発音で識別できるように登録する。

 さらに前回には、メーカープリセットがなかったビデオのアイ・オー・データ機器の「REC-ON(HVTR-BCTX3)」も同様に操作できるよう、音声で使いたいリモコンのボタンを押して登録してみた。これで、かなり複雑な操作も可能となったわけだ。

複数操作を組み合わせる「シーン」機能で、音声でテレビの外部入力を切り替えらえる

 ここまで設定すると、もう一歩踏み込んでやってみたいことが出てくる。テレビの外部入力を、接続しているFire TV Stickに音声で切り替えることだ。

 この操作は、「シーン」と呼ばれる複数の動作を1つの機器とみなして動作させる機能を使う。これを使えば、テレビの電源と同時にビデオの電源もオンにするといった一連の動作が可能になる。

 以前の連載回『Fire TV StickとEchoデバイスをリンクさせる準備』で設定したように、Fire TV Stickの設定で[ディスプレイとサウンド]>[HDMI CECデバイスコントロール]が[オン]になっていれば、Fire TV Stickの電源をオンにするだけでテレビの電源も入り、Fire TV Stickを楽しめるはずだ。

 これはREC-ONでも同じで、本体設定で[HDMI接続設定]>[HDMIリンク]を[入]にしておけば、REC-ONの電源を入れると自動で外部入力も切り替わってテレビの画面を表示できる。

 電源が入っているテレビを見ている状態から、外部入力へ切り替える操作を音声でできるようになれば、Fire TV Stickを見ていて、声で呼び掛けるだけで、外部入力から通常のテレビを見ることもできるわけだ。

 もちろんFire TV Stickへ切り替える方法も同じだが、Fire TV Stickに関しては「アレクサ! ファイアーティービィをつけて」と言えば、Fire TV Stickをつなげている外部入力に切り替えられる状態なので、新たに設定する必要はない。

 ただ、今回の方法のように明示的に外部入力を切り替えた方が便利なケースもある。好みで使い分けて欲しい。

 なお、外部入力の切り替えは、リモコンの外部入力ボタンを押すごとに次の外部入力に切り替わるタイプを想定している。

Nature Remoアプリで[コントロール]タブを開き、右上の「+」をタップ
「シーンを追加する」を選択
[名前]にデバイス名にあたる名前(ここでは「ビデオを見る」)を入力。この「名前」+「の電源を入れて」と声をかけることになる。[操作の追加]をタップ
[ビデオ]を選ぶ
前回、ビデオのリモコンで作成しておいた電源オンのボタンをタップする
さらに[操作の追加]をタップをして、今度は[テレビ]を選ぶ
テレビのリモコンで「入力切替」ボタンをタップする
[間隔]で[短い]を選ぶ。これはテレビによって変わるので環境に合わせて欲しい
入力切替は、ボタンを押す回数分を繰り返して登録。2つ登録しているのは、メニューで2番目の入力へ切り替えるため。完成したら[保存]する
シーンがAlexaアプリに登録されたことが通知される。一度[ビデオを見る]シーンのボタンをタップし、正常に動作するか確認しよう
このテレビでは外部入力切り替え時にはこのように表示される。2番目にビデオ、3番目にはFire TV Stickがつながっている

 この設定をすると、テレビを見ているときに「アレクサ! "ビデオを見る"の電源を入れて」と声をかけると、ビデオの電源が入って外部入力がビデオに切り替わるようになる。ちょっと日本語がおかしいが、「シーン名の電源を入れて」で登録したシーンが動作するようだ。

 ゲームコンソールやPCをつなげているときにも便利なので、使いこなして欲しい。Fire TV StickでHDMI CECデバイスコントロールをオフにし、こちらのNature Remoで明示的に切り替えてもいいだろう。

今回の教訓(ポイント)

Nature Remoでシーンを登録すると、声をかけるだけで複数のリモコン操作ができる
外部入力切替にシーンを使うと便利

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。