自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第57回

Fire TV StickでもYouTubeのキャストを楽しもう

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回は補足でYouTubeアプリでキャストを利用する方法を実践してみよう

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スマホで検索したYouTube動画をFire TV Stickにキャストし、大画面で再生

 前回までは、Fire TV StickにスマホやPCの画面をミラーリングしてみた。この方法では画面がそのままテレビに映し出されるので、プレゼンなど含めて、さまざまな活用が可能だ。今回は補足として、YouTubeアプリで「キャスト」の機能を利用する方法について確認してみよう。

 Fire TV StickのYouTubeアプリはリモコン操作で楽しめるが、スマホやPCからキャストすることもできる。ChromecastでのYouTubeのキャスト機能はとても便利で、スマホでブラウズしている動画をキャストすれば、検索を手元のスマホで行い、再生は画面の大きなテレビへキャストして鑑賞するという使い方ができる。

 スマホの操作に慣れていれば、リモコン操作よりも断然ラクに目的の動画を探すことができ、さらにチャットなどのリンク経由でも簡単に再生ができる。

スマホと同じGoogleアカウントでFire TV StickのYouTubeアプリにログイン

 このキャストの操作は、Fire TV StickへYouTubeアプリをインストールし、スマホのアプリと同じGoogleアカウントでログインすることと、同じネットワーク(Wi-Fi)に接続していることが条件だ。キャスト機能が利用できるのはYouTubeアプリの再生画面のみで、これまで紹介したミラーリングとは違い、操作画面が表示されるわけではない点には注意して欲しい。

 少し前までYouTubeアプリが利用できなかったFire TVにも、2019年から再び提供されるようになった。これと同時にChromecastでも、Amazonプライム・ビデオのキャストが可能となっている。

 まずはFire TV StickでYouTubeアプリの準備をしておこう。事前にアプリのインストールとログインを行っておけば、キャストの際には起動していなくても構わない。

Fire TV StickでYouTubeアプリをインストールする。検索や「アプリ」の「注目」などで簡単に見つかるはずだ
左上の「アカウント」からログインする
「ウェブブラウザでログインする」を選ぶ
スマホかPCのウェブブラウザーで「youtube.com/activate」へアクセスする

 ここからはスマホでの操作だ。ウェブブラウザーで「youtube.com/activate」へアクセスする。

「youtube.com/a」まで入力すると候補に表示される。アクセス後はFire TV Stickに表示されるコードを入力
ウェブブラウザーでGoogleアカウントへログインしていると、デバイスへの接続画面が表示される
Fire TV StickのYouTubeアプリに、ログインされたとのメッセージが自動的に表示される

スマホやPCをFire TV Stickのリモコン代わりに

 キャストの準備ができたら、スマホやPCで好みの動画をキャストしてみよう。スマホではYouTubeアプリ、PCでは「Google Chrome」を使うといい。AndroidでもiOSでも、WindowsでもmacOSでも操作方法は同じだ。もちろん、先ほどFire TV StickのYouTubeアプリにログインしたものと同じGoogleアカウントを使う。キャストは一度開始すれば、再生する動画を切り替えても、切断するまでは続けてキャストされる。

 このキャストでは、スマホからFire TV Stickへ動画が転送されているような気がしてしまうが、実際にはFire TV Stickで動画データが再生されている。スマホやPCでFire TVをリモコン操作していると捉えておこう。アプリからのキャスト中でも、Fire TV Stickのリモコンから操作可能なので、利用シーンに応じて、使いやすい方で操作すればいい。

iPhoneからもキャストをしてみよう。起動時にネットワーク内の検索を許可する画面が表示されたら「OK」を選ぶ
[設定]画面の[YouTube]で「ローカルネットワーク]をオンにしてもいい。この設定項目はAndroidにはない
YouTubeアプリでキャストボタンをタップする。動画の再生中でもOKだ。Fire TV Stick側でYouTubeアプリを起動しておく必要はない
Fire TV Stickのデバイス名を選択する
[再生]を選ぶとFire TV Stickで動画が再生される。[キュー]を選ぶと、現在再生中の動画リストの末尾へ追加される
キャストを止めたいときは、再度キャストボタンをタップして[接続を解除]を選ぶか、Fire TV Stickのリモコンで「戻る」ボタンを押す
キャストを開始すると、Fire TV Stick側で接続が表示される
リモコンでもスマホのアプリでも、どちらからも再生のコントロールが可能

 PCでの接続は、ウェブブラウザーでYouTubeへアクセスして動画を再生してからキャストを行う。Chromecast用に全画面表示のメニューなどもあるが動作はせず、スマホからのキャストと同じように、Fire TV Stickでは全画面で動画が再生される。

PCでは、YouTube動画の再生中に表示される[テレビで再生](キャスト)ボタンをクリックする
キャストを行う先のFire TV Stickを選択する

今回の教訓(ポイント)

Fire TV StickのYouTubeアプリならスマホやPCからキャストできる
Fire TV Stickのリモコン感覚でスマホやPCを活用しよう

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。