自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第46回

Amazon「Fire TV Stick」をモバイルWi-Fiルーターで使ってみる

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続して動画を視聴できているはずだ。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

 今回は、Fire TV Stickを固定の光回線ではなく、モバイル回線に接続して活用している人向けの設定を見ていこう。

「使い放題」がウリの回線を選ぶべし

 Fire TV Stickをモバイル回線に繋いで使う場合は、いわゆる“使い放題”をウリにしている回線を選ぶことが肝心だ。それでも、回線によっては何らかの条件で制限がかかるのが普通で、無制限に使えるワケではない。

 今回使っている楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」で、ローミング先のau回線ではなく使い放題の楽天回線に接続している場合も、1日の使用量が10GBを超えると通信制限がかかる。

今回はFire TV StickをモバイルWi-Fiルーターで使うための設定だ

 モバイル回線を用意する際の注意点は、連載第23回『テレワーク用のネット回線、速攻で用意するならモバイル回線!その方法は?』、今回使っているモバイルルーターの富士ソフト「+F FS030W」については、連載第32回『モバイルWi-Fiルーターで「Rakuten UN-LIMIT」を使う(+F FS030W接続編)』を参照してもらいたい。なお、現在後継の「+F FS040W」が発売されているが、基本的な設定は同じだ。

 また、モバイルWi-FiルーターにFire TV Stickをつなぐ方法は、固定回線のモバイルWi-Fiルーターに繋げるのとなんら変わらない。極力5GHz帯を使って接続する方が安定するのでオススメだ。

Fire TV Stickは5GHz帯を使ってモバイルWi-Fiルーターに接続するした後、再生ボタンを押して、回線の状況をチェックした画面
「Rakuten UN-LIMIT」回線の速度をFast.comで測定。4Kは無理だが、フルHDならギリギリ動画視聴を楽しめるレベルだ

動画の画質を落としてつながりやすく

 動画視聴では短時間に多くのデータを消費する。容量制限を承知の上で、高画質のまま映画を1本鑑賞するような使い方をしても、もちろん構わないのだが、時間を気にせずに楽しめるよう、許容できる範囲で画質を落としてデータ量をなるべく少なくするよう設定してから使うといいだろう。

 まず、[設定]画面の[ディスプレイとサウンド]にある[ディスプレイ]で、Fire TVの画面解像度を落としてみよう。[自動]から[720p 60Hz]に変更すれば、いわゆるHD画質[*1]になる。つないでいるテレビやディスプレイによっては荒さを感じるかもしれないが、モバイル回線ではガマン。ついでに[色深度]も[8ビット]に設定されているかも確認しておこう。

[*1]……1080pは「フルHD」、720pは「HD」と呼ぶ。また、480pは「SD」となり、DVDと同じ画質だ

Fire TV Stickの[設定]画面で[ディスプレイとサウンド]を選んで[ディスプレイ]を表示し、[720p 60Hz]を選択する
ついでに[色深度]の設定が[8ビット]かどうかも確認しよう

 続けて、[設定]画面で[環境設定]の[データ使用量の監視]の項目を見ていこう。まず、[データ使用量の監視]を[オン]にする。これで、ほかの設定項目が表示されるようになる。[ビデオ画質を設定]では、画質は落ちるが[標準画質]を選んでおく。

[環境設定]の[データ使用量の監視]をオンに切り替えると、ほかの設定が項目可能に
[ビデオ画質を設定]では、画質は落ちるが[標準画質]を選ぼう

 さらに[データ警告を設定]で、警告を表示する上限の容量と、毎月の計測サイクル開始日を設定する。Androidスマートフォンなどでも同様の設定ができるが、開始日以降の1カ月以内に設定したGBに達すると画面に警告が表示される。

[データ警告を変更]を選ぶ
上限に設定するGB容量に続けて毎月の計測サイクルを開始する日を設定する

 速度制限がかかる少し前の容量で警告を表示する設定をすれば、不意に速度が制限されてしまうことがなくなる。例えば、7GBで制限されるなら、6GBくらいで警告が表示される設定にするのもいいだろう。

この設定をすると、設定した上限に達すると警告が表示されるようになる
気になったときに[データ警告を変更]画面を見ると、使用した容量が確認できるのも便利だ

 今回の設定では、画質を犠牲にしてデータ転送量を絞っている。実際にビデオを再生しながらデータ通信量の測定してみたところ、1時間では約300MB程度、1時間30分では430MB程度だった[*2]。1080pから720pへと画質を落とすことで、最低でも10分の1程度、動画によっては半分近くのデータを節約できるハズだ。

ビデオを再生すると、HD画質になっていることが確認できるはずだ

[*2]……計算では時間単位の容量が合わないが、動画圧縮ではシーンに応じてデータ量が変化するので、計算通りになならないこともある。あくまでも目安として欲しい

 これでもDVDより画質はいいので、ダラダラと流しっぱなしでながら見をするのでなければ、意外と実用になるのではないだろうか。夜間の「Rakuten UN-LIMIT」回線でも、再生が止まるようなこともなかった。

 この設定は、固定回線で回線が混雑している場合にも有効だ。多少画質を落としても、ブツ切れで止まるより再生が続く方が快適度は高い。自宅回線にモバイル回線を使っているなら、モバイル回線の容量制限と画質を天秤にかけつつ、折り合いの付く画質設定を探ってみながら活用してみて欲しい。

今回の教訓(ポイント)

モバイルWi-Fiルーターでも、うまく設定すればFire TV Stickで快適に動画視聴を楽しめる
モバイル回線での動画視聴では容量制限を常に気を付けよう

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。