自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第19回

メッシュWi-Fiを活用しよう(2)

【メッシュWi-Fiをネット回線に接続】

 使いこなし編は、まずWi-Fiの電波状況を良くすることにフォーカスしていて、前回からは、メッシュWi-Fiを使って、広めの自宅全てを電波圏内に入れ、Wi-Fiの快適度をアップさせてみている。今回は、導入したエレコム「WMC-DLGST2-W」の初期設定を進めていこう。

今回からエレコムの「e-Mesh」に対応したメッシュWi-Fiの設定を実践していく

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 エレコムの「WMC-DLGST2-W」は、Wi-Fiルーターと中継器にあたるサテライト(ノード)がセットになったメッシュWi-Fiのパッケージだ。前回も書いたが、メッシュWi-Fi製品は、こうした2台セットで購入するのがベストだ。

 このWMC-DLGST2-Wのようにセットで販売されている製品は、2台の間がペアリングされ、すでに通信が可能な状態になっていることが多い。そうした場合は順番に電源を入れれば、双方を接続して認識させる作業自体は不要だ。使い勝手としては、5GHzと2.4GHzを分けることなく単一のSSIDを設定し、エリアの広いWi-Fiルーターとして活用する感覚だと言える。

エレコム「WMC-DLGST2-W」のパッケージ

 WMC-DLGST2-Wもそうだが、メッシュWi-Fiのセットは、ルーター(親機)とサテライト(子機)のデザインがほぼ同一で、初めて見ると見分けが付かないことがある。ルーターとサテライトの区別がなく、どちらをどちらにも使える製品もある。

 WMC-DLGST2-Wも、背面にネット回線を接続する青い「WAN」ポートがあるのがルーター側で、ないのがサテライト側という、とても微妙な違いしかない。

 このため、パッケージを開けると、間違えないように箱が2つに分けられていて、先に開封すべきルーター側がどちらなのかが、箱を開ける前に分かるようになっている。

Wi-Fiルーター(右)とサテライト(左)のデザインはほぼ同一。横置きや壁掛けも可能なデザイン
内箱には開封順が明記されているのは親切

 まずはルーター側を回線に接続するのだが、その際の注意点は、以前の本連載『第11回 Wi-Fiルーターをネット回線に接続するときの注意点は?』でも解説している通りだ。

背面を確認。青いWANポートがあるのがルーター。これを回線に繋ぐ
動作モードのスイッチが「ルーター」になっていることを確認
シールになっているセットアップシートにWi-Fiの初期SSIDに接続するQRコードがある

 背面にある動作モードの切り替えスイッチが「ルーター」になっていることを確認して[*1]、ネット回線に青いWANポートをLANポートに繋いで電源を入れる。その後、スマホなどからWi-Fiの初期SSIDに接続し、ウェブブラウザーでアクセスする。

 どちらも接続用のQRコードがセットアップシートに用意されているので、こちらを使うと便利だろう。QRコードでの接続方法は、以前の本連載『第23回 家族のスマホWi-Fi接続を簡単に済ませるとっておきテク』にも詳しく書いたが、iOSではカメラアプリで読むだけで接続できる。

[*1]……すでにルーターが別にあり、メッシュWi-Fiはアクセスポイントとしてだけ使用したい場合にも、まずはルーターモードで設定するといい。Wi-Fiなどの設定を完了した後、IPアドレスをLAN内のルーターに合わせて設定し、DHCPサーバーを切ってアクセスポイントへ切り替えるとスムーズだ

 設定画面へアクセスするアドレスは「192.168.2.1」だが、これもQRコードがセットアップガイド内に用意されているので、そちらを使うと簡単だ。

セットアップシートに書かれたWi-Fi接続用のQRコードを読み取る
初期SSIDに接続したことを確認しておく。IPアドレスは「192.168.2.1」
ウェブブラウザーに「192.168.2.1」と入力してもいいが、アクセス用のQRコードがガイドに記載されている
「かんたんセットアップ4」が自動起動するはずだが、起動しないときもメニューから起動できる

 なお、WMC-DLGST2-Wには「らくらく引越し」という機能もあるが、こちらはWi-Fi接続の設定を引っ越しさせる機能で、インターネット接続の設定は引き継がれないので注意したい。これについては、次回以降に解説しよう。

 ウェブブラウザーで設定画面を表示できたら、設定画面へログインするためのIDとパスワードを入力する。こちらもセットアップシートに記されている。

 「かんたんセットアップ4」が自動で起動するはずだが、起動しない場合もWANの設定画面か、「かんたんセットアップ4」をメニューから起動して回線を識別すればいい。IPv6 IPoE回線の接続にも対応している。

自動設定がうまく識別できなかったら手動で設定
設定が必要なのは、PPPoE接続のケース。ISPから提供された情報を記入して接続する

 ここまでできれば、Wi-Fiでインターネットが利用できるようになる。だが、繋げているのは初期設定用のSSIDとパスワードだ。これは「必ず」オリジナルのネーミングに変更したい。これは次回に設定をしてみよう。

今回の教訓(ポイント)

メッシュWi-Fiの回線接続手順はWi-Fiルーターと全く同じ
スマホでの設定はQRコードを活用すると手早くできる

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。