自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第6回

Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(1)

チャンネル状況確認編

 使いこなし編では、Wi-Fiの電波状況をよくすることにフォーカスして解説を進めている。使い始めると分かるが、Wi-Fiの電波は思っているほど飛ばないものだ。Wi-Fi通信状況がイマイチな自宅で、どうやったら少しでも快適になるかを模索している。

Wi-Fiルーターの電波の入りを良くするため、今回はWi-Fiのチャンネルがどうなっているのかを見てみよう

 前回から少し間が空いてしまったが、ここまででお教えしたコツは3つある。電波を遮断する性質の壁(コンクリートや石膏ボードなど)に阻まれないよう注意すること、アンテナの向きで電波の飛ぶ方向が変化すること、電波は反射をうまく活用するといいことだ。

 また、少し分かりにくいかも知れないが、何でもかんでも強い電波で飛ばせばいいかというと、そうではない。使う場所以外に電波が届かないくらいに電波出力を絞るのがベストで、不便にならない程度に出力を低くし、電波を極力外に漏らさずにセキュリティリスクを少なくすることもポイントだ。

 今回からはもう1点、Wi-Fiで使うチャンネルを有効に使う方法を見てみよう。Wi-Fiで使う周波数は2.4GHz帯と5GHz帯の2つがあることは、使いこなし編の第2回で少し触れている。大雑把に言うと、Wi-Fi以外に電子レンジなどの電波が飛び交っていて、常に混雑している2.4GHz帯と、比較的空いてはいるが遠くまでは飛ばない5GHz帯、といったようにイメージしておこう。つまり、少しでも空いている5GHz帯をいかに活用するかがポイントになるわけだ。

 この2つの周波数帯は、それぞれがチャンネルという幅に分割されていて、状況に応じて複数のチャンネルから空いているものを自動的に選んで通信に用いる仕組みになっている。

 2.4GHz帯は基本的に13チャンネル[*1]、5GHz帯は19チャンネルあるのだが、2.4GHz帯は最も狭い20MHz幅で使っても、実質的にはほぼ3つのチャンネルとしてしか使えない。このため、5GHz帯の方が圧倒的に広く使えることになる。

[*1]……現在は、実質的なチャンネルの数は13だが、以前は日本独自でIEEE 802.11bのチャンネルとして14チャンネル目を利用できるWi-Fiルーターが存在していた。ただ、この幻の14チャンネルを使える現行モデルは、基本的に存在しない

 最近は、Wi-Fiの通信を高速化するため、複数のチャンネルを束ねて活用する仕組みが採られており、IEEE 802.11acで5GHz帯を使う場合は、4つのチャンネルを束ねて80MHz幅として使われる。この場合、確保できるチャンネルの数は4つになってしまう。2.4GHz帯でIEEE 802.11nを使うと、確保できるのは2つが精一杯で、下手をすると1つになることもある。

チャンネルに空きのない2.4GHz帯電波の飛びは悪いが5GHz帯をメインに

 では、実際のチャンネルがどのようになっているのか、状態を確認してみよう。以前の連載では、AndroidとWindowsで利用できる「WiFi Analyzer」というツールを紹介しているが、ここでは、「WiFi Explorer Lite」というツールをmacOSで使ってみよう。

 以下の画像は、2.4GHz帯と5GHz帯の状態を、リアルタイムで表示したもの。濃い色の帯で表示されているのが使用中で、横軸がチャンネル、縦軸が電波の強さを表している。11nや11acでは、複数チャンネルを確保[*2]して帯域を広く取っている。

[*2]……複数のチャンネルを束ねる技術はチャンネル・ボンディングと呼ばれるもの。上の図では、11acが80MHz幅までとなっているが、160MHz幅を利用できるルーターもある

 2.4GHz帯には空いているチャンネルがあまりないが、ある程度の人口が密集した地域では、どこも似たような状況なハズだ。11nで40MHz幅を使うと、ほぼそれでチャンネルが埋まってしまう。2.4GHz帯では11nではなく11gで使った方が、速度は出ないがチャンネルは確保しやすいので、比較的接続が安定することが多い。

2.4GHz帯のチャンネルは全てが埋まっている。20MHz幅を3つ使うと、チャンネルがいっぱいになる
濃い色の帯が2.4GHz帯で使用中の40MHz幅。1つでほとんどのチャンネルを独占してしまう

 5GHz帯では、11nの40MHz幅はもとより、11acで80MHz幅を使っても比較的余裕がある。一見して2.4GHz帯の方が広い帯域を使っているかのように見えるが、5GHz帯の半分しか使っておらず、5GHz帯の帯域は倍ということになる。

5GHz帯のチャンネル。濃い色の帯が11acで80MHz幅になるが、比較的空きが多い

 こうした状況から、5GHz帯の方をメインに使うのがいいだろう。チャンネルに空きがあれば、例えば中継器を使うこともできる。2.4GHz帯はあくまでもサブとして、5GHzに対応しない家電やネットワークカメラなどの機器を細々と接続する設定にするのが、通信環境でイライラしないコツだ。

 そして、チャンネルの設定については、基本的にWi-Fiルーターの判断に任せて、オート(自動)にしておくのが無難ではある。

 ただ、混みすぎていて劣悪なチャンネル状態の環境で、少しでも通信状態を改善したいケースで考えられる改善策はある。

 今回はとりあえず状況の把握までで、実際にどのような設定をすればいいのか、その実践方法については、次回に解説しよう。

今回の教訓(ポイント)

5GHz帯は電波の飛びは悪いが圧倒的にチャンネルが広いのでメインに使おう
2.4GHz帯は帯域は狭い11gにすると接続は安定する。サブ扱いにしておこう

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。