自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第7回

Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(2)

チャンネル設定編

 使いこなし編では、Wi-Fiの電波状況をよくすることにフォーカスして解説を進めている。使い始めると分かるが、Wi-Fiの電波は思っているほど飛ばないもの。Wi-Fi通信状況がイマイチな自宅で、どうやったら少しでも快適になるかを模索しているところだ。

Wi-Fiルーターの電波の入りを良くするため、今回は前回に引き続きWi-Fiのチャンネル設定を解説している。スマートスピーカー「Amazon Echo Dot」を5GHz帯で接続するには、ちょっと注意が必要だったりする

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 Wi-Fiで使う周波数帯域には2.4GHz帯と5GHz帯がある。前回は、Wi-Fiで使うチャンネルを有効に使うため、利用する2.4GHz帯とチャンネルの状態を確認してみた。

 5GHz帯の方、使われていないことが比較的多く、利用できる帯域も広い。複数のチャンネルを束ねることで、通信に広い帯域を使って高速化できる11nや11acに対応するスマホやPCなどでは、5GHz帯で接続するといい。

 2.4GHz帯はあくまでもサブとして、2.4GHz帯しか使えない少し古い機器や、通信速度より接続距離を優先したい機器の接続に使うなど、サブとして活用しよう。

 こうして周波数帯ごとに使うには、SSIDで区別できるようにすると分かりやすい。2.4GHz帯と5GHz帯を同一SSIDとするバンドステアリング機能は、空きチャンネルを検索できるなど便利な面もあるが、当然ながらオフに設定しておいた方が都合がいい。

 2.4GHz帯と5GHz帯のそれぞれで利用するチャンネルは、Wi-Fiルーター側が設定できる。接続が切れやすいなどの問題が出なければ、オートなどに設定しておけば最適化されるので問題ない。

 前回紹介した方法で空きチャンネルを確認できたら、手動でそのチャンネルに固定してしまえば、比較的接続を安定させられるだろう。

バッファロー製Wi-Fiルーターの設定例。設定画面の[詳細設定]―[無線設定]で2.4GHz帯と5GHz帯のそれぞれを設定できる。混み合っているので、チャンネルは[自動]のまま使おう
5GHz帯では、帯域は11acの80MHz幅を設定し、空きチャンネルを選ぼう。80MHz幅を設定する場合、128chがバンドエッジとなる

 もう1つ、チャンネル選びのコツをお教えしよう。5GHz帯は、細かく分類すると「W52(5150~5250MHz、36~48ch)」「W53(5250~5350MHz、52~64ch)」「W56(5470~5725MHz、100~140ch))」の3グループに分かれている[*1]

[*1]……実は「J52」という日本独自の帯域もあり、以前はこれを使えた11a対応ルーターもあったが、現在の製品では利用できない

 このうち、W53とW56では、気象観測、船舶、航空レーダーと同じチャンネルを使っていて、これらの電波を検知すると強制的にほかのチャンネルへ移動するか出力を調整する「DFS(Dynamic Frequency Selection)」という仕組みが備えられているほか、W53については屋外で使用できないことになっている。

5GHz帯のチャンネル表示。W52、W53、W56という分類がある。このうちW53とW56をうまく使いこなすのがコツだ

 DFSの存在を考えれば、W53とW56を避け、W52のみを指定した方が安定しやすいと思うかもしれない。これはこれで正解なのだが、実際には5GHz帯の中でもW52は混雑していることが多い。

 同じように考える人が大多数なのか、単純に周波数スキャンを開始する順番なのかは知る由もないが、実際のチャンネル信号グラフ表示を見ても、W52に集中していることが多いのが実情だ。

 さらに、海外製品には、日本だけが独特の仕様となっているこのW53とW56が省略されていて、使えない場合もあったりする。近隣の使用状況を確認してみて、もし空いているようなら、まず第1にW52を利用するのがおすすめだ。

 ただし、W52が混んでいる場合には、あえてW53またはW56の利用を考えてみて欲しい。Wi-Fiルーターを屋内に設置していると、窓際でもない限りレーダーの電波を受信することは頻繁にはないはず。気象レーダーは主にW53の周波数を使っているので、特にW56を積極的に使ってみるのがおすすめだ。

 ただし、Wi-Fi子機側でも、W53とW56が省略された機器があるので注意も必要だ。メジャーな製品としては、例えばAmazonのスマートスピーカーやタブレットなどは、W52のみしか対応していない。こういった製品では、Wi-Fiルーターで5GHz帯がW53かW56に設定されていると、Wi-Fiの接続設定時にSSIDが見えないはずだ。

 W52のみの機器を5GHz帯で繋げたければ、Wi-Fiルーター側で配慮してW52に設定するしかない。こうしたケースでは、W52のみしか対応していない機器では高速通信は諦めて2.4GHz帯を使い、5GHz帯はW53とW56の利用を継続するのものおすすめだ。もちろん、空いていればW52を使ってもいいが、この場合にはオートにせず、W52のチャンネルを明示的に設定する方がいい。

TP-Link「Archer C3150」は、W52以外のチャンネルを指定できない。このように、日本独自のWi-Fi仕様に対応していない海外製品もある

今回の教訓(ポイント)

使うチャンネルはWi-Fiルーター側で設定を! W53とW56の使いこなしがポイント
Wi-Fiルーターも、Wi-Fi子機側も、W52だけしか使えない機器があることも覚えておこう

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧

【お詫びと訂正 2月19日 17:15】
 W53の屋外利用に関する記述に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:W53とW56では、気象観測、船舶、航空レーダーと同じチャンネルを使っていて、これらの電波を検知すると強制的にほかのチャンネルへ移動するか出力を調整する「DFS(Dynamic Frequency Selection)」という仕組みが備えられているほか、屋外では使用できないことになっている。

正:W53とW56では、気象観測、船舶、航空レーダーと同じチャンネルを使っていて、これらの電波を検知すると強制的にほかのチャンネルへ移動するか出力を調整する「DFS(Dynamic Frequency Selection)」という仕組みが備えられているほか、W53については屋外で使用できないことになっている。

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。