自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第12回

Wi-Fiの電波の強さを正確に把握しておこう(2)

【Wi-Fiヒートマップを作る準備編】

 使いこなし編は、まずWi-Fiの電波状況を良くすることにフォーカスしている。Wi-Fiでの通信状況を改善するため、自宅内の電波状況を数回に分けた作業で把握している。前回は簡単にWi-Fiの電波の強さを少し詳細に計測してみた。今回からは、Wi-Fiの電波強度分布を可視化してみよう。

今回は、自宅全体でWi-Fiの電波の強さの状態を可視化するための準備をしよう

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 Wi-Fiの電波は、自宅内のどの辺りで強く、どこにウィークポイントがあるのだろうか。それを、視覚的に分かりやすくしてみよう。そのために、まず間取り図が必要だ。その図の上に、電波強度を色分けしてマッピングしていくという作業になる。

 この電波強度を色分けした図は、“ヒートマップ”と呼ばれることもある。ちょっと手間は掛かるが、間取り図から電波強度のマッピングまで、すべてスマホのアプリだけで制作できる。ゲーム感覚で楽しみながら作ってみよう。

 ヒートマップの作成に用いるのは、以前にも電波の計測で使用した「Wi-Fiミレル」という無料のアプリだ。Wi-Fiルーターを販売するアイ・オー・データ機器が提供しているが、同社製以外のWi-Fiルーターでも、特に問題なく活用できる。

 このヒートマップを一度を作っておけば、Wi-Fiの電波が悪くて中継器を導入したいときや、メッシュWi-Fi導入して電波がバランス良くなるよう設置場所を吟味する際に、電波強度を計測し直すこともできる。

「Wi-Fiミレル」は、電波の強度をシンプルに表示してくれる。前回行った特定地点の電波強度計測にも使える
このような色分けした分布図のヒートマップ表示を作ることができる

 ヒートマップの作成にあたっては、まず別のアプリで間取り図を作成しよう。もちろん間取り図がすでに手元にあるなら、スマホのカメラで撮影して取り込んでも構わない。

 ここでは、間取り図の作成に「間取りTouch+」というiOSアプリを使ってみた。Androidなら「間取りー図」というアプリが割とシンプルに使える。ほかにも、高機能な「magicplan」(iOSとAndorid双方に対応)というアプリでは、ARを駆使して図面を起こせたりして、ゲーム感覚で楽しめるので、試してみるといいだろう。

 ヒートマップの作成だけが目的なら、おおよその部屋の形状だけが分かればいいので、間取り図をそれほどシッカリと作り込まなくても問題ない。

 とはいえ、きちんと間取り図を作っておけば、家具の大きさをシミュレーションしたり(IKEAのアプリにもある機能だ)もできるので、いろいろと便利だ。

間取り図の大きさ(広さ)は後から調整できるので、そのまま新規に作成してみよう
いくつかの部屋が自動作成される。必要な部屋数を残して、ほかは削除しよう。部屋を選択した状態で操作ができる
部屋を編集している状態で壁をタップすると、ドラッグして大きさを変えられる
[設定]では、部屋の名前や面積などを入力できる
収納や窓を作り、廊下なども設定
必須ではないが、家具なども配置できる
ほぼ完成した間取り図
表示がうるさい場合、レイアウトの画面でパターンの有無などを設定できる

 2~3階建ての場合は、全フロアを描いておこう。アバウトでもいいので、垂直方向の立面図も用意しておくと、高さで見るヒートマップも作ることができる。

間取りデータは[保存]しておけば、後からでも編集できる。[画像出力]すれば、[Wi-Fiミレル]で読み込んで使用できる
アバウトであっても立面図を描いておくと、高さ方向のヒートマップ作成に使える

 次回は、作成した間取り図を「Wi-Fiミレル」で読み込み、実際にヒートマップを作成してみよう。

今回の教訓(ポイント)

「Wi-Fiミレル」を使うと、部屋のWi-Fiを色を付けたマップで視覚化できる
部屋の間取り図はアプリで手軽に作ることができる

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。