自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第47回
Amazon「Fire TV Stick」を低速モバイル回線で活用してみる
2020年10月8日 06:00
使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。
そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧
- 第36回:Amazon「Fire TV Stick」でおウチ時間を楽しく(紹介編)
- 第37回:Amazon「Fire TV Stick」をテレビに接続編
- 第38回:Amazon「Fire TV Stick」をつなぐWi-Fiルーターを設定しよう
- 第39回:Amazon「Fire TV Stick」をつなぐWi-Fiルーターをさらに設定
- 第40回:Amazon「Fire TV Stick」の便利なリモコンアプリ設定
- 第41回:Amazon「Fire TV Stick」で動画データの通信を優先させる
- 第42回:Amazon「Fire TV Stick」など、指定デバイスの通信を優先させる
- 第43回:Amazon「Fire TV Stick」で4Kコンテンツを楽しもう
- 第44回:Amazon「Fire TV Stick」で4Kコンテンツを楽しめる設定編
- 第45回:Amazon「Fire TV Stick」の「ライブ」タブで生配信番組を楽しもう
- 第46回:Amazon「Fire TV Stick」をモバイルWi-Fiルーターで使ってみる
- 第47回:Amazon「Fire TV Stick」を低速モバイル回線で活用してみる
- 第48回:Amazon「Fire TV Stick」で録画したテレビ番組を視聴する
- 第49回:「Fire TV Stick」へ無料で録画番組をスマホからをキャストしよう
- 第50回:Amazon「Fire TV Stick」でレコーダーの録画番組を視聴しよう
- 第51回:Amazon「Fire TV Stick」で録画番組の再生画質をWi-Fiの状況に応じて調整
- 第52回:REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送する準備をしよう
- 第53回:REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送してみよう
- 第54回:Androidスマホの画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第55回:Windows 10の画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第56回:iPhoneやMacの画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第57回:Fire TV StickでもYouTubeのキャストを楽しもう
- 第58回:Fire TV StickとEchoデバイスをリンクさせる準備
- 第59回:Fire TV StickとEchoデバイスをリンクし、発話で動画を再生しよう
- 第60回:Fire TV Stickの音をテレビとEchoデバイスから同時に出力
- 第61回:Fire TV Stickの音質をEcho Studioでグレードアップ
- 第62回:Echo Studioでホームシアターを再設定する
- 第63回:Echo Studioのホームシアターをステレオ化する
- 第64回:Echo StudioとFire TV Stickとスマホで音楽を楽しもう
- 第65回:Fire TV Stickをつないだテレビをスマートリモコンで音声コントロール
- 第66回:Fire TV Stickをつないだテレビのリモコンをスマートリモコンへ登録
- 第67回:Fire TV Stickを音声で操作! 「Nature Remo」アプリとAlexaを連携
- 第68回:Fire TV Stickをつないだテレビの外部入力を音声で切り替え
- 第69回:Fire TV Stickをつないだテレビをスマートリモコンで帰宅時に自動起動
- 第70回:Fire TV Stickでスクリーンセーバーに表示する写真をAmazon Photosへ保存
- 第71回:GoogleフォトからAmazon Photosに写真を一気に移動する
- 第72回:Fire TV StickのスクリーンセーバーにAmazon Photosの写真を表示
- 第73回:Fire TV Stickでアプリが起動しやすく! メニューとリモコンがリニューアル!
- 第74回:Fire TV StickにPrimeビデオの子ども用プロフィールを紐付け
- 第75回:Fire TV Stickでゲームを楽しむ! リモコンだけでプレー可能なゲームも
- 第76回:Fire TV Stickのリモコンでも遊べるオススメゲーム
- 第77回:続 Fire TV Stickのリモコンでも遊べるオススメゲーム
前回は、Fire TV Stickを固定回線の光回線ではなく、モバイル回線に接続して活用している人向けの設定を行ってみた。
これは、画質をそこそこにしてデータ通信容量を抑える設定だったが、今回はこれをさらに進めて、容量制限がかかってしまった状態でどうなるかを検証してみたい。
容量制限がかかった状態で試してみる
今回使っている楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」は、楽天回線ではほぼ通信容量を使い放題だが、パートナーエリアとなるau回線は月間5GBまでで、これを超過すると1Mbpsの速度まで落ちる。
ただし、「my楽天モバイル」の設定であらかじめ低速モードへ切り替えておけば、楽天回線エリア外のパートナーエリアでも、1Mbpsに制限されたままの状態ながら、ずっと通信をし続けられる。
データ超過時の速度制限が1Mbpsのプランは、ほかにY!mobileやUQ mobileでも用意されているし、UQ WiMAXも直近3日間で10GB以上使った場合の制限は1Mbpsだ。また、NTTドコモの30GBまで使える「ギガホ」というプランでも、容量超過時の制限速度は1Mbpsとなっている。
この1Mbpsという速度は、実際のところ動画視聴にも意外と使えてしまう(もちろん画質は妥協する前提で)。これまで多かった128kbpsの帯域制限は、スマホで何をするにも止まったようになってしまい、動画の視聴などはどうにもならなかったが、1Mbps制限であれば、ワリと使える感触の人が多いのではないかと思う。
今回は、この1Mbpsの制限下で、Fire TV Stickの動画を視聴したときの快適度を見てみよう。設定の前回紹介したものを適用していることが前提で、その詳細は前回を参照して欲しいが、具体的には以下の内容だ。
- [設定]―[ディスプレイとサウンド]―[ディスプレイ]で[720p 60Hz]を選択
- [設定]―[ディスプレイとサウンド]―[色深度]で[8ビット]を選択
- [設定]―[環境設定]で[データ使用量の監視]を[オン]にする
- [ビデオ画質を設定]で[標準画質]を選択
画質を妥協して、Amazon提供コンテンツをメインに再生すればワリと見られる
Amazonプライムビデオのコンテンツ再生時には、開始されるまでにバッファを読み込む時間が長めになる。また、ステータスバーで「HD」表示が点灯しないので、SD画質での再生になっていることが分かる。
再生時の画質はやや落ち、動きのあるシーンではブロックノイズが目立つが、鑑賞に堪えないというレベルではない。無料ライブ配信中の「TBS NEWS」も再生は可能だったが、けっこうブロックノイズが入り、テロップは読みにくくなった。
ABEMAでは、ライブNEWSチャンネルを含め問題なく再生されるが、画質はけっこう低下する印象。ブロックノイズが多めで、小さなテロップなどは読めなくなることもある。ただ、チャンネル選択画面の表示も含め、実際の使用には問題なさそうだ。
TVerも特に問題なく利用できた。再生時も多少ブロックノイズも出るが、コンテンツが地上波テレビ向けで、テロップなどがもともと大きめで見やすいこともあり、見にくいシーンはなかった。
Huluも試してみたが、トップ画面が表示されるまでにかなり時間がかかり、タイトル再生後も頻繁に再読み込みがかかったりして、こちらはあまり実用的ではなかった。「基本設定」の「アドバンストモード」という項目に通信量を下げる設定はあるのだが、再生品質をコントロールする方法がないためかキツイ感じ。このように、アプリによっては使用に堪えないケースもある。また、ネットの混み具合も影響する。
このように、Amazon提供のコンテンツをメインに再生することと、画質がある程度落ちることを許容すれば、意外と使える印象だ。モバイル回線で長時間制限なく動画を楽しみたいときには、選択肢として考えてもいいだろう。
ただ、ちょっとしたWi-Fiの影響で再生バッファ待ちになり止まりやすいので、モバイルWi-FiルーターとFire TV Stickを極力近づけておきたい。また、表示させるディスプレイには小さめのサイズを選ぶと画面の荒さがだいぶ気にならなくなる。
スマホのテザリングもある程度は活用できるだろうが、モバイルWi-Fiルーターとは違ってACアダプターに接続しっぱなしで長時間連続的にデータ転送をするような使い方は想定されていない。異常発熱やバッテリー不良を起こす可能性があるので、十分に注意しながら使って欲しい。長時間連続使用したいなら、モバイルWi-Fiルーターを用意することを検討した方がいいだろう。
今回の教訓(ポイント)
モバイルWi-Fiルーターの1Mbps制限回線でもFire TV Stickで動画視聴が可能
再生の読み込みは遅く、アプリによっては快適に利用できない場合も
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧
- 第23回:テレワーク用のネット回線、速攻で用意するならモバイル回線!その方法は?
- 第24回:スマホの回線をPCのネット接続に使う「Wi-Fiテザリング」
- 第25回:テレワークのネット回線、急いで用意する方法は?
- 第26回:テレワーク用回線にモバイル回線向けWi-Fiルーターを設定しよう
- 第27回:WiMAX 2+回線は「ハイスピード」モードで使うのが基本
- 第28回:モバイルWi-Fiルーターをウェブブラウザーで設定
- 第29回:「Nintendo Switch」をWi-Fiへ接続しよう
- 第30回:モバイルWi-Fiではデータ通信量をモニターしておこう
- 第31回:モバイルWi-Fiルーターで「Rakuten UN-LIMIT」を使う(失敗編)
- 第32回:モバイルWi-Fiルーターで「Rakuten UN-LIMIT」を使う(+F FS030W接続編)
- 第33回:モバイルWi-Fiルーターで「Rakuten UN-LIMIT」を使う(+F FS030W回線確認編)
- 第34回:モバイルWi-Fiルーターで「Rakuten UN-LIMIT」を使う(+F FS030W回線補足編)
- 第35回:モバイルWi-Fiルーターで「Rakuten UN-LIMIT」を使う(+F FS030W追加接続設定編)
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧
- 第1回:これから、Wi-Fi使いこなし編が始まります!
- 第2回:Wi-Fi電波の飛びを少しでも改善しよう
- 第3回:Wi-Fiルーターのアンテナで電波の飛びを改善しよう
- 第4回:Wi-Fiルーターとスマホで電波の反射効果を実験してみる
- 第5回:電波の出力は強けりゃイイってもんじゃない。
- 第6回:Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(チャンネル状況確認編)
- 第7回:Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(チャンネル設定編)
- 第8回:Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(Amazon Echoの5GHz帯接続編)
- 第9回:Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(iPhone編)
- 第10回 Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(モバイルWi-Fiルーターでの注意点)
- 第11回:Wi-Fiの電波の強さを正確に把握しよう(Wi-Fi電波強度の測定)
- 第12回:Wi-Fiの電波の強さを正確に把握しよう(間取り図の作成)
- 第13回:Wi-Fiの電波の強さを正確に把握しよう(ヒートマップの作成)
- 第14回:Wi-Fiの電波の強さを正確に把握しよう(Wi-Fiルーターの位置調整)
- 第15回:Wi-Fi中継機でエリアを拡張しよう(Wi-Fi中継機の用意)
- 第16回:Wi-Fi中継機でエリアを拡張しよう(Wi-Fi中継機のセットアップ)
- 第17回:Wi-Fi中継機でエリアを拡張しよう(Wi-Fi中継機の位置調整)
- 第18回:メッシュWi-Fiを活用しよう(中継機との違いと選び方)
- 第19回:メッシュWi-Fiを活用しよう(メッシュWi-Fiをネット回線に接続)
- 第20回:メッシュWi-Fiを活用しよう(メッシュWi-FiのSSIDを設定)
- 第21回:メッシュWi-Fiを活用しよう(メッシュWi-Fiにサテライトを追加)
- 第22回:メッシュWi-Fiを活用しよう(電波エリアはどのくらい広がった?)
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
- 第1回:「ギガ」を減らしたくなきゃ、自宅Wi-Fiルーターを使え!
- 第2回:「Wi-Fiルーター」ってそもそもナニ?
- 第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは?
- 第4回:スマホのWi-Fi性能をチェックするには?
- 第5回:スマホ通信の高速化のためには自宅の回線も「ギガ」に
- 第6回:Wi-Fiとルーターは別のもの?
- 第7回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(1) 国内メーカーと海外メーカー
- 第8回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(2) iPhoneユーザーにはApple製品がオススメなの?
- 第9回:失敗しないWi-Fiルーターの製品選び(3) 高性能Wi-Fiルーターの選択もアリなのか考える
- 第10回:Wi-Fiルーター開梱の儀
- 第11回:Wi-Fiルーターをネット回線に接続するときの注意点は?
- 第12回:とりあえずの初期状態でWi-Fiに繋がってみよう。そのまま使い続けは厳禁
- 第13回:Wi-Fiルーターでインターネット接続設定をするコツ
- 第14回:ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる
- 第15回:Wi-Fiの「SSID」について少し知っておきたい心がけ
- 第16回:Wi-Fiの暗号化方式・暗号化キーについて少し勉強しておきたいこと
- 第17回:Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?
- 第18回:Wi-Fiの「SSID」ネーミングの注意点、周囲に発信しているものだということを意識しよう
- 第19回:長くランダムなWi-Fi暗号化キーを設定するコツ
- 第20回:Wi-Fiルーターが壊れたときに役立つ「設定ファイル」の保存方法
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- 第40回:ルーターでIPアドレス配布するルールを設定する
- 第41回:Wi-FiアクセスポイントでIPアドレスを固定して使うには?
- 第42回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(1):軽微なトラブルは再起動
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- 第44回:ネット回線が繋がらない! その時の対処法(3) 光回線の接続は確実に
- 第45回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(1)
- 第46回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(2)
- 第47回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ(3)
- 第48回:家庭へのWi-Fiルーターの導入まとめ (4)