自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第26回

テレワーク用回線にモバイル回線向けWi-Fiルーターを設定しよう

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で急きょ自宅でインターネット回線を用意しなくてはならない人に向け、特別編としてモバイル回線を使ってインターネット接続環境を構築する方法を解説している。回線工事を待つことなく、とにかく急いで導入したいときに、モバイル回線がとても重宝する。

据え置きタイプのモバイル回線向けWi-Fiルーターは、テレワークの強い味方

 前回は、いくつかの手法のうち、テレワークでの利用などを想定する自宅の回線には、据え置きタイプのモバイル回線向けWi-Fiルーターの導入をお勧めした。

まずは契約したnano SIMカードを装着しておこう。SIMスロットは底面にある。ここに初期ログイン情報も記載されている

 今回からはその一例として、UQ WiMAXの「Speed Wi-Fi HOME L02」を使った場合の設定を実際に行っていこう。

 据え置きタイプでバッテリーは内蔵されていないので、電源を接続する必要がある。光回線などと異なり、設置場所は電源さえとれればどこでも構わない。極力窓の近くにしておくと、モバイル回線の接続が安定しやすい。なお、契約したnano SIMカードは、設定前に装着しておこう。

据え置きタイプのモバイル回線向けWi-Fiルーターは、電源さえあればどこに置いてもOK

 スマートフォンで設定を行うなら、Android/iOS向けの「Huawei HiLink」アプリを使うと、本体底面にあるQRコードを読み取って初期設定用のWi-Fiに簡単にアクセスできるので便利だ。もちろん、底面に書かれた初期設定用SSIDと暗号化キーを設定して、手動で接続することもできる。その場合、ウェブブラウザーを使いてログインするオーソドックスな設定方法になる。こちらの設定方法は、次回に見ていくことにしよう。

PCで設定する場合には、有線LANケーブルを接続して設定するとラク

 PCでの設定はWi-Fi接続でも可能だが、有線LANケーブルで接続して行うとラクだ。なぜかと言うと、初期設定用SSIDと暗号化キーを変更するたびに本体はリセットされる。そのときに新たに設定したWi-Fiに接続し直さなくてはならないが、有線LAN接続ならこの手順は不要で、最後まで一気に設定を進められるのだ。

 これはこのルーターに特有のテクニックではなく、Wi-Fiルーター全般に言えることなので、覚えておくといい。

 なお本連載では、「WPS」と呼ばれるボタンプッシュ方式の自動接続機能は推奨しないことにしている。詳細は本連載の『第14回 ボタンプッシュを使ったWi-Fi接続設定を使ってみる』に書いている通りで、1台繋げるのは確かに手軽なのだが、その後に機器を追加していくのがけっこう面倒になるからだ。

 さほど難しい設定ではないので、この連載を参考に、最初に無精せず自分でオリジナルの設定をした方が、長く使い続けるにはラクなので、がんばってみて欲しい。

「HiLink」アプリを起動し、使用許諾や必要な権限許可の確認後に表示される画面。ネットワークに接続していないと通知されるので[OK]をタップ、[3G/4G無線ルーター]を選んで進める
Androidでは、この画面で[後で]を選択すればOK
ホーム画面が表示される。[デバイス]タブが選ばれているが、ここでは[ツール]タブを表示する
[QRコードのスキャン]をタップする

 HiLinkアプリでは、ルーター本体の底面にあるQRコードからWi-Fiの初期設定を読み込める。ここではiOSでの設定方法を紹介するが、Androidでも基本的に変わりはない。ただし、iOSの場合には、途中で構成プロファイルをダウンロードしてインストールする作業があるが、これだけはAndroidの場合には不要だ。

カメラへのアクセスを許可してから、本体底面にあるQRコードをスキャンする
読み取った接続情報の画面で[設定]をタップすると、構成プロファイルのダウンロード作業に移る。Androidではこの作業は不要だ
ウェブブラウザーが起動するので、[許可]をタップすると構成プロファイルがダウンロードされる
[設定]画面を表示させると、「プロファイルがダウンロードされました」と表示されているのでタップする
[インストール]をタップし、続けて未署名の確認をし、最終的に[完了]をタップして終わらせる。インストール時にはパスコードの入力が必要になる
「HiLink」という構成プロファイルがインストールされていること確認しておく
設定画面の[Wi-Fi]を見るとSpeed Wi-Fi HOME L02の「SPWH~」に接続されているはずだ。もし接続できていなければ、QRコードを再度読み込んで接続しよう
ホーム画面が表示されると、Speed Wi-Fi HOME L02に接続できているので[ログイン]をタップする
本体底面に書かれている「初回ログインパスワード」を入力する。IDは不要で、パスワードはスラッシュ以下の数字のみだ
初回ログイン時はスプラッシュ画面が表示される。自動更新のチェックを入れて[設定]をタップしよう

 続いてWi-Fiの設定を行っていこう。SSID設定の画面で、「5GHz優先機能」をオンにすると、2.4GHz帯と5GHz帯で、同じSSIDが設定される。区別して接続したい場合はオフにしておく。

 速度の出るIEEE 802.11acは5GHz帯のみで有効なので、速度を重視するなら区別して接続を分けた方が分かりやすい。この設定をオフにしたときには、名前の末尾に自動的に「_5G」が付く。

 オリジナルのSSIDに変更した後に、再度Wi-Fiに接続すれば完了だ。

[5GHz優先機能]はオフに。オリジナルの[SSID名]を入力し、[パスワード]で「非常に強い」と表示されるパスワード(暗号化キー)を設定する
[端末のログインパスワード設定]は、設定画面へのログイン用パスワードだ。こちらも別途設定しておく。[次へ]をタップすると設定は完了だ
本体に設定が反映されてWi-Fi接続がいったん切れる
「(設定したSSID)_5G」と表示されるSSIDを選んで接続すれば完了!

 このWi-Fi接続が完了すれば、後は設定したSSIDで使いたいデバイスから接続して利用しよう。次回は、ウェブブラウザーを用いた初回接続を解説しよう。

今回の教訓(ポイント)

UQ WiMAX「Speed Wi-Fi HOME L02」はスマーとフォンアプリからQRコードを読み込んで設定できる
「5GHz優先機能」はオフで使った方が分かりやすい

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。