自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第50回

Amazon「Fire TV Stick」でレコーダーの録画番組を視聴しよう

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回は「DiXiM Play Fire TV版」で、Fire TV StickからREC-ONの録画番組を再生してみよう。「祝50回。ハッピーハロウィン!」

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

「Fire TV Stick」からREC-ON内の録画番組を再生しよう

 前回からは、Fire TV Stickで、レコーダーに録画した番組を楽しむための準備をしている。

 そして、スマホアプリの「REC-ON App」でアイ・オー・データ機器の「REC-ON」に録画した番組を再生し、その画面をFire TV Stickの「REC-ON Cast」へキャストして視聴できるようになった。

 今回は、Fire TV Stickで操作を行い、録画した番組を楽しめるようにしてみよう。DLNAというネット配信の仕組みを用いて、「DTCP-IP」という著作権保護機能を持ったプレーヤーアプリを用意すれば実現できる。

 これなら、REC-ONのように専用アプリのない多くのレコーダーでも、ネットサーバー機能を持つ製品であれば汎用的に活用できるので、参考にして欲しい。

 ただし、プレーヤーアプリは有料だ。DLNAプレーヤーだけなら無料のアプリはあるが、著作権保護機能であるDTCP-IPに対応したアプリを使うのに多少のお金がかかる点は、ご了承いただきたい。

「DiXiM Play Fire TV版」で再生できるか、お試し視聴

 まず、DLNAサーバー機能を持つビデオレコーダーで(今回は前回に続きREC-ONを使う)、「本体設定」の「ネットワーク設定」にある「ネットワークサーバー設定」などで、DLNAサーバー機能がオンになっているかを確認しよう。この連載では、初期設定でオンに設定して進めているが、一応確認しておこう。

REC-ONの「本体設定」の「ネットワーク設定」にある「ネットワークサーバー設定」から「ネットワークサーバー機能設定」を表示
「ネットワークサーバー機能設定」で「使用する」を選択

 他社のレコーダーでは、DLNAサーバー機能の呼び名はメーカーによって微妙に異なる。「お部屋ジャンプリンク」「ネットワーク連携」「ホームネットワーク」「ホームサーバー」といった機能名があれば、それをオンにして、Fire TV Stickと同じネットワーク内(のルーター)に接続しておこう。

 プレーヤーアプリは、デジオンの「DiXiM Play Fire TV版」を使う。Fire TV Stickで検索してインストールしてもいいし、スマホやPCなどで、Amazonから自分のFire TVへ配信することもできる。

検索で「dixim」と入力すると候補が表示される
「DiXiM Play Fire TV版」をダウンロードする

 有料アプリだが、お試し視聴で1分間の再生ができる。まずはテストも兼ねて、自宅の環境でうまく再生できるか試してみよう。

DiXiM Playの初回起動時は、使用許諾契約書の同意画面などがある。この「ようこそ」画面で「まずは試してみる」を選んで試用してみよう
ネットワーク環境や設定が必要との解説。「OK」で進める
LAN内にDLNAサーバー機能が有効なデバイスがあれば、リストに表示される。ここではREC-ON(HVTR-BCTX3)を選択
外付けHDDを示す「USB1」を選択。「ライブチューナー」を選ぶと放送中の番組を視聴できる
「すべて」のほか、ジャンルや予約時に設定したフォルダーでも録画した番組を表示できる
「すべて」を選んだところ。全録画番組が一覧表示される

 プレーヤーのサーバーリストは表示されるが、番組を選んでも再生できないというトラブルの際には、レコーダーのサーバー機能で、Fire TV Stickのデバイス名やMACアドレスに対してアクセス制限がかかっていないかをチェックしよう。

 なお、REC-ONにはこうしたアクセス制限の機能はないので、ネットワークサーバー設定さえオンになっていれば、初期状態のままで問題なく番組を再生できるはずだ。

 当然だが、Fire TV StickとREC-ONが同じSSIDのWi-Fiに接続しているかも気にしておこう。何度も言うようだが、同一のLAN内に設置されている必要がある。2重ルーターで別のLANになっていたりしないか、念のためチェックしておいて欲しい。

アプリ購入前のお試し視聴時に、再生しようとすると表示される画面。「お試し視聴(1分)」から再生を試してみる
番組が無事に再生できた。お試し視聴では1分後に停止画面が表示される

 前回のREC-ON Castと比較すると、操作はスマホではなくFire TV Stickのリモコンとなり、LAN越しにREC-ONの録画番組を再生することになる。

 手元にスマホを用意せずに済むので、直感的で気楽に操作ができるし、再生中のスキップ操作も、Fire TV Stickのリモコンで行う。レコーダーが複数あるなら、全てを集約してここから再生できるメリットもある。

 前回と今回の方法を比較すると、操作は以下のようなイメージになる。分かりにくいかもしれないが、使いやすい方を選んで欲しい。

  • REC-ON Appからキャスト
    スマホ(REC-ON App)で操作→「REC-ON」から再生→Fire TV Stick(REC-ON Cast)で表示
  • DiXiM Playから再生操作
    Fire TV Stick(DiXiM Play)で操作/表示←→「REC-ON」から再生

「DiXiM STORE」からライセンスを購入

 DiXiM Playでのお試し視聴中は、画面に「ライセンス登録」ボタンが表示される。だが、ここからの登録は面倒なので、スマホやPCから「DiXiM STORE」にアクセスして、ライセンスを購入した方がスムーズだ。

 スマホなどで「DiXiM STORE」にアクセスし、DiXiM IDを作成した後、サイトでライセンスを購入しよう。

「DiXiM STORE」ではログインボタンから会員登録ができる
必要な情報を入力して会員登録し、DiXiM IDを作成する

 「DiXiM Play Amazon Fire TV版」は、買い切りで1430円、月額は110円(いずれも税込)で購入できる。月額契約は、止めない限り自動継続されるので注意が必要だ。

WindowsやiOS向けではなく、「DiXiM Play Android/Fire」と書かれたリンクを選ぶ
「DiXiM Play Amazon Fire TV版」でプランを選択し購入する

 DiXiM Play AndroidとFire TVのライセンスは同じプランだが、AndroidスマホとFire TV Stickを持っていても両方で使えるわけではなく、各機器ごとにライセンスの購入が必要なので注意しよう。

長期で使いそうなので、買い切りを選んでみた
最終的に「DiXiM STORE」の「マイページ」でライセンスが登録されていることを確認しておく

 ライセンス購入後、Fire TV StickのDiXiM PlayアプリでDiXiM IDにてログインすれば、製品版として録画番組を再生できるようになる。

起動時の「ようこそ」画面で「DiXiM IDでログインする」を選ぶと、ログイン画面になるので、メールで受信したコードを入力してログイン
「未使用」のライセンスを選ぶ。なぜか「ご利用可能なライセンスが見つかりませんでした」と表示されているが、無視していい
デバイスに分かりやすい名前を付けておく
左上の「≡」ボタンからメニューを表示し、[アプリの設定]を選んでライセンスを確認しておこう
「アクティベーション済みです」と表示される
[ライセンスの設定]を表示してみると、「使用中」と表示され、録画番組の再生が可能に

 自宅Wi-Fiの電波さえ届けば、Fire TV Stickからテレビ放送や録画番組を自由に楽しめるようになるので、購入方法がやや煩雑なのが難だが、使い始めてしまえば意外と便利だ。

 Fire TV Stickをテレビへ繋いでいるなら、テレビ放送に切り替えたり録画機能があったりするので、イマイチその恩恵が分からないかもしれない。だが、テレビ機能のないディスプレイや、アンテナを繋げない場所でテレビを使っていると、特に便利さを実感できるはずだ。次回は、使いこなしを少し見てみよう。

今回の教訓(ポイント)

「DiXiM Play」アプリなら、DLNAサーバー機能のあるレコーダーから再生ができる
購入前にキチンと再生できるかお試ししてから購入しよう

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。