自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第48回
Amazon「Fire TV Stick」で録画したテレビ番組を視聴する
2020年10月15日 06:00
使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。
そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧
- 第36回:Amazon「Fire TV Stick」でおウチ時間を楽しく(紹介編)
- 第37回:Amazon「Fire TV Stick」をテレビに接続編
- 第38回:Amazon「Fire TV Stick」をつなぐWi-Fiルーターを設定しよう
- 第39回:Amazon「Fire TV Stick」をつなぐWi-Fiルーターをさらに設定
- 第40回:Amazon「Fire TV Stick」の便利なリモコンアプリ設定
- 第41回:Amazon「Fire TV Stick」で動画データの通信を優先させる
- 第42回:Amazon「Fire TV Stick」など、指定デバイスの通信を優先させる
- 第43回:Amazon「Fire TV Stick」で4Kコンテンツを楽しもう
- 第44回:Amazon「Fire TV Stick」で4Kコンテンツを楽しめる設定編
- 第45回:Amazon「Fire TV Stick」の「ライブ」タブで生配信番組を楽しもう
- 第46回:Amazon「Fire TV Stick」をモバイルWi-Fiルーターで使ってみる
- 第47回:Amazon「Fire TV Stick」を低速モバイル回線で活用してみる
- 第48回:Amazon「Fire TV Stick」で録画したテレビ番組を視聴する
- 第49回:「Fire TV Stick」へ無料で録画番組をスマホからをキャストしよう
- 第50回:Amazon「Fire TV Stick」でレコーダーの録画番組を視聴しよう
- 第51回:Amazon「Fire TV Stick」で録画番組の再生画質をWi-Fiの状況に応じて調整
- 第52回:REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送する準備をしよう
- 第53回:REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送してみよう
- 第54回:Androidスマホの画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第55回:Windows 10の画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第56回:iPhoneやMacの画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第57回:Fire TV StickでもYouTubeのキャストを楽しもう
- 第58回:Fire TV StickとEchoデバイスをリンクさせる準備
- 第59回:Fire TV StickとEchoデバイスをリンクし、発話で動画を再生しよう
- 第60回:Fire TV Stickの音をテレビとEchoデバイスから同時に出力
- 第61回:Fire TV Stickの音質をEcho Studioでグレードアップ
- 第62回:Echo Studioでホームシアターを再設定する
- 第63回:Echo Studioのホームシアターをステレオ化する
- 第64回:Echo StudioとFire TV Stickとスマホで音楽を楽しもう
- 第65回:Fire TV Stickをつないだテレビをスマートリモコンで音声コントロール
- 第66回:Fire TV Stickをつないだテレビのリモコンをスマートリモコンへ登録
- 第67回:Fire TV Stickを音声で操作! 「Nature Remo」アプリとAlexaを連携
- 第68回:Fire TV Stickをつないだテレビの外部入力を音声で切り替え
- 第69回:Fire TV Stickをつないだテレビをスマートリモコンで帰宅時に自動起動
- 第70回:Fire TV Stickでスクリーンセーバーに表示する写真をAmazon Photosへ保存
- 第71回:GoogleフォトからAmazon Photosに写真を一気に移動する
- 第72回:Fire TV StickのスクリーンセーバーにAmazon Photosの写真を表示
- 第73回:Fire TV Stickでアプリが起動しやすく! メニューとリモコンがリニューアル!
- 第74回:Fire TV StickにPrimeビデオの子ども用プロフィールを紐付け
- 第75回:Fire TV Stickでゲームを楽しむ! リモコンだけでプレー可能なゲームも
- 第76回:Fire TV Stickのリモコンでも遊べるオススメゲーム
- 第77回:続 Fire TV Stickのリモコンでも遊べるオススメゲーム
今回からは、テレビレコーダーで録画したテレビ番組をFire TV Stickを使ってWi-Fi経由で視聴する方法を解説していきたい。「TVer」など放送のネット見逃しサービスの配信番組も増えているので、番組を録画する必要性は薄れつつあるが、1週間などの公開期限を気にせずに番組を自分好みでストックしておき、空き時間に自由に見られるのは、やはり便利だ。
自宅にテレビやディスプレイが複数あるなら、Fire TV Stickを使えば、各テレビごとにレコーダーを用意する必要はなくなる。どれか1台にアンテナに接続されたレコーダーを繋いておけば、ほかのテレビやディスプレイではFire TV Stickを使い、自宅のWi-Fi経由で視聴できるようになる。アンテナ線が用意されていない部屋へテレビを置いたり、PC用のディスプレイなどでも気軽に録画した番組を鑑賞できるのがメリットだ。
録画番組を「Fire TV Stick」で見るには「DLNAサーバー」機能を持つレコーダーが必要
番組を録画するビデオレコーダーは、ネットワーク経由でコンテンツを転送できる「DLNAサーバー」機能を持つことが前提となる。この機能はメーカーによって呼び名が異なるが、「お部屋ジャンプリンク」「ネットワーク連携」「ホームネットワーク」「ホームサーバー」といった機能名が記されていれば利用できる。
今回は、お手頃なアイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを選んでみた。ブルーレイディスクへの録画機能が省かれていて、外付けHDDへに録画していくという割り切りスタイル。Fire TV Stickと組み合わせて2台目のレコーダーとしても気軽に使えるモデルだ。スマホアプリ「REC-ON App」でネットワーク視聴ができ、アプリからFire TV Stickにキャストすることができる。アプリは無料で利用できる。
このウェブページにあるアイ・オー・データ機器の地デジレコーダー関連のラインナップは、少々分かりにくいので補足しておこう。
新4K衛星放送に対応したレコーダーは、ネットワーク視聴に対応していない[*1]ので、Fire TV Stickで録画番組を再生する今回の目的では対象外だ。それ以外のモデルは、ネーミングはさまざまだが実際は似通った兄弟モデルと言える。
[*1]……映像コンテンツの転送に使われるDLNAとDTCP-IPでは、4Kの再生は現時点で非サポート。Fire TV Stickを含め、ネットワーク経由で視聴できるのはフルHDまでだ
まず目に付くのがハードディスクレコーダーというジャンル。「HVTR-T3HDTシリーズ」は、すぐ下にあるトリプルチューナー[*2]搭載ながらHDDは別売の「REC-ON(HVTR-BCTX3)」と外付け2.5インチHDDをセットしたモデルで、本体自体は全く同じもの。HDDも併せて購入するなら、動作保証がされているHVTR-T3HDTシリーズ、手持ちのHDDを使うならREC-ON(HVTR-BCTX3)を選ぶといい。
[*2]……チューナーは3つだが、同時圧縮録画は2つまで。基本的に録画×2、視聴×1ととらえるのがいいだろう。なお、非圧縮で録画後に圧縮もできる
なお、「REC-ON(EX-BCTX2)」という似たようなモデルはAmazon.co.jp専売モデルで、ダブルチューナーの廉価版だ。
REC-ON(HVTR-BCTX3)の下にあるのは、シングルチューナーでテレビ出力用のHDMI端子も省いた「テレキング(GV-NTX1A)」。スマホやFire TV Stickなどによるネットワーク経由での視聴に絞ったモデルだ。外付けHDDへの録画中には裏番組を視聴できない。
USB 3.0接続の2.5インチHDDがオススメ
これらのモデルは全て外付けHDDがなければ録画ができない点は注意したい。バスパワーで動作する2.5インチHDDなら、外部電源は不要でUSBケーブルだけをつなげばいいのでスマートだ。今回選んだREC-ON(HVTR-BCTX3)では、HDDがUSB 3.0接続なら3番組、USB 2.0なら2番組まで同時録画できる[*3]。
[*3]……HDDの容量は6TB、登録上限数は8台まで。HDD1台の録画タイトル数は2000という制限がある
この製品に限った話ではないが、レコーダーに接続したHDDはその機器でしか使えない。つまり、番組を大量に録り貯めても、万一レコーダーが壊れたら、別の機器にHDDをつないでも、それが同型番の製品であっても再生やメディアへの書き出しはできない。Blu-ray Discへの録画ができないレコーダーは、長期保存には向かない[*4]点は覚えておきたい。
[*4]……LAN経由でNASへ、直接録画したり録画後にムーブすることで対応できないことはない
このため、今回の製品では、とにかく一時録画しておいて、見たら消す(別に消さなくてもいいが)という使い方がメインになる。今回選択したHVTR-BCTX3含め、Blu-ray Discへの録画ができないDLNAサーバー機能搭載レコーダーであれば、こうした運用の仕方はメーカーを問わず全て同じだ。
レコーダーのセットアップではIPアドレスを固定するのがオススメ
レコーダーのセットアップの前に、まず本製品はWi-Fiには非対応なので、ルーターのそばに設置して有線LANケーブルをつないておこう。セットアップ自体は、初回設定の画面に従っていけばOK[*5]だ。ここではネットワーク設定を中心に簡単に見て行こう。他メーカーのレコーダーも似たような感じなので、参考になるはずだ。
[*5]……テレビに繋ぐことのできないテレキングのみ、初期セットアップを含めスマホアプリの「REC-ON App」から操作する
「ネットワーク接続設定」では、少し工夫して、可能であればIPアドレスを固定するといい。「ネットワーク接続設定」の画面で「手動」を選ぶと、IPアドレスを固定化できる。レコーダーは、DLNAサーバーとして動作させるので、こうしておくとネットワーク内の検索動作が安定し、スマホやFire TV Stickから見つけやすくなる。
ただし、Wi-Fiルーターの設定であらかじめ固定IPアドレスの範囲を設定しておかないと、DHCPによって自動で割り振られたIPアドレスとバッティングしてしまう[*6]ことがあるので注意したい。
[*6]……LAN内で機器のIPアドレスが重複していると、設定時点で偶然重複せずに使えてしまっても、自動割り振りで重なってしまった際に、突如として動作がおかしくなってネットワークの動作が不安定になり、原因究明に手間取ったりする
IPアドレスの手動設定がよく分からなければ、固定しないと使えないというワケではないので、「自動(DHCP)」を選択しておいても大丈夫だ。なお、IPアドレス固定に関しては、『第38回 自宅のLANでIPアドレスを固定すると便利な機器は?』あたりで解説しているの、で参考にして見て欲しい。
次回以降はアイ・オー・データ機器のレコーダー専用のスマートフォンアプリ「REC-ON App」とFire TV Stickを組み合わせて活用してみる。その後、汎用のDLNAサーバーとしての使い方も解説するつもりなので、他社レコーダーの場合はしばし待っていて欲しい。
今回の教訓(ポイント)
録画した番組をFire TV Stickで楽しむにはネットワーク配信対応のレコーダーが必要
DLNAサーバーとなるレコーダーのIPアドレスは固定すると安定しやすい
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧
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- 第24回:スマホの回線をPCのネット接続に使う「Wi-Fiテザリング」
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- 第26回:テレワーク用回線にモバイル回線向けWi-Fiルーターを設定しよう
- 第27回:WiMAX 2+回線は「ハイスピード」モードで使うのが基本
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