自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第63回

Echo Studioのホームシアターをステレオ化する

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回はEcho Studioを2台用意し、ホームシアターをステレオ化してさらなる音質向上を目指す

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Echo Studioのホームシアターをステレオ化する

 前回は「Fire TV Stick」の音質向上のために「Echo Studio」をホームシアターへ追加してみた。今回は、もう1台Echo Studioを追加購入したので、ステレオペアに設定し、さらなる音質向上を目指してみよう。

Echo Studioのご機嫌なサウンドに気をよくして、もう1台用意してステレオにしてみる

 Echoデバイスは、2台用意するとステレオのペアとして設定できる。前回紹介した通り、電源を確保するだけで設置できるので、比較的自由な場所に置くことができる。

 ステレオペアとして設定できる端末はこちらで確認できるので、購入前にチェックしておこう。Echo Studioも2台でステレオペアにできるが、ほとんどは同じデバイス同士の組み合わせだ。

テレビ横への配置例。コンセントさえあれば設置でき、厳密な左右均等でなくても大丈夫なので、こんな適当な置き方でも効果がある

 Echo StudioをFire TV Stickで使うことを前提として、ホームシアターとして設定していく。新たにホームシアターを設定してもいいのだが、今回は、前回までにEcho Studioを1台登録して利用しているホームシアターへ、Echo Studioをもう1台追加する手順を紹介していく。

[デバイス]から利用中のホームシアターを開いて[編集]をタップ
追加した2台目のEchoデバイスにチェックを入れる。ホームシアターを新たに作った場合も、同じ画面が表示される

 デバイスの追加画面では「ステレオペア」も選べるが、ここはあくまでも「ホームシアター」を選んで、Fire TV Stickとともに2台のEchoデバイスを登録しよう。ステレオペアを選ぶとEchoデバイス2台をステレオ化する設定となって、Fire TV Stickからの音声が出力されなくなるからだ。

左右のチャンネルを確認する。[左][右]をタップすると、それぞれ音が出る。逆の場合は[スピーカーの切り替え]を選ぶ
ホームシアターに付ける名前を入力する
追加するグループを指定する
ホームシアターがアップデートされた。これでステレオペアに設定されている
設定後にホームシアターを開いた画面。タップすれば左右を入れ替えられる
今回は既存のホームシアターをアップデートしたが、新規に作る場合もステレオペアではなくホームシアターを選ぼう

 Echoデバイスがステレオペアとしてホームシアターに登録されると、Fire TV Stickのボリュームボタンと、発話での音量調整の両方でリングインジケーターの音量表示が反応するようになる。

 実際にEcho Studioでステレオペアにして再生してみると、予想した通り音の広がりが段違い。部屋全体が音に包まれて、なかなか心地いい。すべてを5GHz帯のWi-Fiで接続しているが、音が途切れるようなことはなかった。ただ、微妙に残念だったのは、光デジタル入力の音がステレオにならないことだ。

 環境によるのかもしれないが、光デジタル接続していない方のEcho Studioからは、光デジタルの音が出ていない。テレビの音をステレオで楽しみたいときにはFire TV Stickを使うようにすれば解決するが、ちょっと使いにくいのでアップデートを期待したいところ。

 ただ、『Amazon「Fire TV Stick」へ無料で録画番組をスマホからをキャストしよう』で紹介した「REC-ON Cast」を使えば、録画したタイトルはもとより、放送中の番組もステレオで楽しめる。

 Echo Studioは1台2万4980円だが、定期的に行われるAmazonのセールでは2万円程度になることが多い。2台買っても4~5万円で、それなりの音質のステレオシステムを組めるのは魅力的ではないだろうか。6~8畳程度の部屋なら、十分過ぎる音量で鳴らすことができる。

 次回は、せっかくステレオにしたので、Fire TV Stickから音楽を再生してみることにしよう。

今回の教訓(ポイント)

Echoデバイスが2台あればステレオペアに設定できる
既存ホームシアターへの追加で、Fire TV Stuickの音がステレオで楽しめる

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。