自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第53回

REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送してみよう

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

引き続きREC-ONのバックアップについて。Windows PCの「PC TV Plus」へネットワークダビングしてみる

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 Fire TV Stickでテレビ放送の録画を楽しむ方法を、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズや「DIXIM Play Fire TV版」を組み合わせて実践している。前回からは、バックアップするために、REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画データを転送する準備をした。今回は、実際に録画データを転送してみよう。

REC-ON側からネットワークダビングを開始しよう

 録画データを転送するネットワークダビングには、アップロードとダウンロードの2種類があり、レコーダーやNASなど、製品ごとにそれぞれへの対応状況が異なることは前回も触れた。REC-ON(HVTR-BCTX3)はアップロードのみに対応するので、操作はあくまでもREC-ON側で行う。これが両方に対応した機器であれば、操作はどちらからでも可能だ。

リモコンの「ホーム」ボタンでホーム画面を表示させ、[録画リスト]ではなく[HDD設定]を選ぶ

 REC-ONのネットワークダビングは、「録画リスト」からではなく、前回登録を行った「HDD設定」から行う。番組を視聴する通常の操作とは異なるので、ちょっとクセがある。以下で見ていこう。

 ダビングは、機器の相性問題で失敗する可能性もあるので、初めてのときはテストも兼ねて、個人的な思い入れがなく消えてしまっても構わないダビング10の番組で行って欲しい。コピーワンスの番組では、ダビングに失敗したときに最悪録画データがなくなってしまうこともあり得る。

[HDD設定]のメニューが表示されたら[ダビング]を選ぶ
ダビング元に続き、ダビング先選択で、前回登録しておいた[PC TV Plus]を選ぶ[*1]

[*1]……ここでは、PC TV Plusに限らず、DTCP-IPとDLNAに対応するほかのBDレコーダーを選んでもいい

[すべて]や[ジャンル]を選んでから、[決定]ボタンで転送する番組を選ぶ。ここで2つ選んでいるように、複数選択も可能
確認画面で[決定]を押し[ダビング開始]を選ぶとアップロードが始まる
録画データのネットワーク転送中は%で状況が表示される
PCのPC TV Plusアプリでも転送状況が表示され、操作ができなくなる。PC TV Plus側で完了と表示されたら、[閉じる]ボタンを押す

ダビングした録画番組がPC TV Plusで再生できるか確認しよう

PC TV Plusで、[すべての機器]と書かれたメニューから[PC]を選ぶ

 転送した録画データはWindows PCに保存されるので、PC TV Plusで再生できるかを確認しておこう。

 ネットワークダビングを行うと、ダビング10の番組では9回あるコピー回数(加えてムーブ1回)が1つ減って残り「8」になる。有料放送などはダビングではなくムーブとなる「コピーワンス」で転送元からは削除されるので注意して欲しい。

転送した録画番組が表示されるので、正常に再生できるか確認しておこう。
REC-ON側を確認すると、ダビング10のコピー回数が1つ減って8になっている

 ダビングが終わると、REC-ONにもWindows PCにも録画データがあるので、これでバックアップができたことになる。なお、Windows PC(PC TV Plus)に転送した録画データはコピーワンス扱いとなっているはずだ。

 ただ、必要に応じて、ほかのネットワークダビング対応BDレコーダーへムーブしたり、PCに接続したSeeQVault対応の外付けHDDやBDディスクへ書き出すこともできる。REC-ONではできないバックアップへの対応が可能となるので、うまく使いこなして欲しい。

PCにBDドライブを接続すれば、メディアへの書き出しもできる。ただし、コピーワンスの録画は、書き出すとPCからはなくなるので注意

 ネットワークダビングに対応するレコーダー製品としては、ソニーが販売を終了した「nasne(ナスネ)」が2021年春にバッファローから継続販売されることが発表されている。

 nasneは、PlayStationシリーズとともに活用するよう設計された[*2]テレビチューナー内蔵で、DTCP-IPとDLNAに対応している。今回使ったPC TV Plusはソニー製ということもあり、nasneとも連携して使える。

[*2]……現時点ではPS5に対応表明はされていない。PS3、PS4、PS Vita、PS Vita TV、スマホでの操作に対応している。

 nasneはREC-ONと似た製品なので、もし機会や要望があれば、Fire TV Stickでの使い勝手を含め、あらためて試してみたい。

今回の教訓(ポイント)

REC-ONから録画データをPC TV Plusへダビングするとバックアップになる
PC TV PlusからBDメディアやSeeQVault対応外付けHDDへの書き出しも可能

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。