自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第42回
Amazon「Fire TV Stick」など、指定デバイスの通信を優先させる
2020年9月3日 06:00
使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。
そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。ここまでの解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続して動画を視聴できているはずだ。前回からは、Fire TV Stickでの動画再生のトラブルシューティングに活用できるテクニックを解説している。
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧
- 第36回:Amazon「Fire TV Stick」でおウチ時間を楽しく(紹介編)
- 第37回:Amazon「Fire TV Stick」をテレビに接続編
- 第38回:Amazon「Fire TV Stick」をつなぐWi-Fiルーターを設定しよう
- 第39回:Amazon「Fire TV Stick」をつなぐWi-Fiルーターをさらに設定
- 第40回:Amazon「Fire TV Stick」の便利なリモコンアプリ設定
- 第41回:Amazon「Fire TV Stick」で動画データの通信を優先させる
- 第42回:Amazon「Fire TV Stick」など、指定デバイスの通信を優先させる
- 第43回:Amazon「Fire TV Stick」で4Kコンテンツを楽しもう
- 第44回:Amazon「Fire TV Stick」で4Kコンテンツを楽しめる設定編
- 第45回:Amazon「Fire TV Stick」の「ライブ」タブで生配信番組を楽しもう
- 第46回:Amazon「Fire TV Stick」をモバイルWi-Fiルーターで使ってみる
- 第47回:Amazon「Fire TV Stick」を低速モバイル回線で活用してみる
- 第48回:Amazon「Fire TV Stick」で録画したテレビ番組を視聴する
- 第49回:「Fire TV Stick」へ無料で録画番組をスマホからをキャストしよう
- 第50回:Amazon「Fire TV Stick」でレコーダーの録画番組を視聴しよう
- 第51回:Amazon「Fire TV Stick」で録画番組の再生画質をWi-Fiの状況に応じて調整
- 第52回:REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送する準備をしよう
- 第53回:REC-ONからPCの「PC TV Plus」へ録画番組データを転送してみよう
- 第54回:Androidスマホの画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第55回:Windows 10の画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第56回:iPhoneやMacの画面をFire TV Stickにミラーリング
- 第57回:Fire TV StickでもYouTubeのキャストを楽しもう
- 第58回:Fire TV StickとEchoデバイスをリンクさせる準備
- 第59回:Fire TV StickとEchoデバイスをリンクし、発話で動画を再生しよう
- 第60回:Fire TV Stickの音をテレビとEchoデバイスから同時に出力
- 第61回:Fire TV Stickの音質をEcho Studioでグレードアップ
- 第62回:Echo Studioでホームシアターを再設定する
- 第63回:Echo Studioのホームシアターをステレオ化する
- 第64回:Echo StudioとFire TV Stickとスマホで音楽を楽しもう
- 第65回:Fire TV Stickをつないだテレビをスマートリモコンで音声コントロール
- 第66回:Fire TV Stickをつないだテレビのリモコンをスマートリモコンへ登録
- 第67回:Fire TV Stickを音声で操作! 「Nature Remo」アプリとAlexaを連携
- 第68回:Fire TV Stickをつないだテレビの外部入力を音声で切り替え
- 第69回:Fire TV Stickをつないだテレビをスマートリモコンで帰宅時に自動起動
- 第70回:Fire TV Stickでスクリーンセーバーに表示する写真をAmazon Photosへ保存
- 第71回:GoogleフォトからAmazon Photosに写真を一気に移動する
- 第72回:Fire TV StickのスクリーンセーバーにAmazon Photosの写真を表示
- 第73回:Fire TV Stickでアプリが起動しやすく! メニューとリモコンがリニューアル!
- 第74回:Fire TV StickにPrimeビデオの子ども用プロフィールを紐付け
- 第75回:Fire TV Stickでゲームを楽しむ! リモコンだけでプレー可能なゲームも
- 第76回:Fire TV Stickのリモコンでも遊べるオススメゲーム
- 第77回:続 Fire TV Stickのリモコンでも遊べるオススメゲーム
前回はバッファロー製Wi-Fiルーターの機能である「アドバンスドQoS」を使って、動画のデータ通信を優先する設定をしてみた。
これは設定が簡単で効果も分かりやすいが、通信されるデータの種類が動画かどうかは自動的に判断されるため、こちら側から積極的に関与するのは難しい。そこで今回は「デバイスコントロール」の機能を使って、デバイスを指定して通信の優先度を調整してみよう。
まず、Wi-Fiルーター側での設定前に、Fire TV Stick側でDHCPで自動配布されているIPアドレスを確認しておこう。ホーム画面から[設定]→[My Fire TV]→[バージョン情報]→[ネットワーク]と進めて表示させると、「IPアドレス」という項目で確認できる。
デバイスコントロールによる通信の優先度は、デバイスごとに割り振られたIPアドレスを元に制御を行う。この機能を活用すれば、単にそのデバイスの通信を優先させるだけでなく、使い過ぎている場合に帯域を制限することも可能だ。
例えば、Fire TV Stickの動画再生を優先させつつ、スマホなどほかのデバイスでの動画視聴を制限する(帯域が制限されるので再生画質が落ちる)といった合わせ技が有効だろう。
Fire TV StickのIPアドレスが確認できたら、Wi-Fiルーター側でデバイスコントロールの設定を進めよう。設定画面にログインし、[デバイスコントロール]を選択する(アドバンスドQoS内にも「デバイスコントロール」ボタンがある)。
次に[IP]と書かれたタブを表示させよう。Wi-Fiルーターに接続中のデバイスが一覧表示されるので、調べておいたFire TV StickのIPアドレスを探してクリックする。
[アドバンスドQoS]の項目で、優先度を上げたいデバイスでは[優先度1(高)]に、下げたいデバイスでは[優先度3(中)]や[優先度4(中)]あたりに設定する。[デバイス検出]の[この端末は未検出でも表示する]の項目にもチェックを入れておこう。
この設定で、該当デバイスのデータ通信を優先したり制限したりできる。デバイスコントロールの機能を使う場合は、データが画像か動画かといった種類にかかわらず、デバイスごとに設定した優先度に応じて通信が制御される。
このため、単純に優先度を高めただけでは効果が小さい一方で、同時に使用するほかのデバイスの優先度を低くすれば、その分の通信帯域が解放されるので、優先度を高くしたデバイスでの動画再生は確実に快適になる。ただし、[優先度6(低)]まで下げてしまえば、お仕置きレベルまで通信が遅くなってしまうので注意しよう。
なお、このデバイスコントロールの設定は、アドバンスドQoSと同時に設定される。デバイスコントロールは、アドバンスドQoSの機能の1つという位置付けなのだが、個別のデバイスへの設定が優先して適用される。つまり、Fire TV Stickの優先度を高くした上で、アドバンスドQoSでも「ビデオの視聴」を優先していれば、Fire TV Stickでの動画視聴の通信が最優先される。このとき、優先度を低く設定したスマホで動画視聴すると、アドバンスドQoSで「ビデオの視聴」が優先されていても通信は制限される。
今回のデバイスコントロールと、前回説明したアドバンスドQoSのどちらを使えばいいのか、迷うかもしれない。そんなときは、まず気軽に設定ができるアドバンスドQoSを試してみよう。
前回確認した通り、Fire TV Stickでの動画視聴時のデータは「ビデオの視聴」として認識されるので、この通信を優先させたいだけなら、アドバンスドQoSを使えば特に問題はないはずだ。
通信データの種別が思ったようにルーターで認識されなかったり、スマホやタブレット別に通信の優先度をコントロールしたい場合などに、デバイスコントロールの機能をを使うのがいいだろう。
使用しているのがモバイルWi-Fiルーターで、(残念ながらそうした製品は少ないものの)同様の機能が付いているなら、通信容量が制限されないように、帯域を絞る目的に優先度を下げるために活用することができる。
なお、デバイスコントロールの機能を一時的にオフにしたいときは、設定画面のホームで「アドバンスドQoS」のスイッチをオフすればいい。また、そもそも複数端末で同時に通信することがなければ、こうしたQoS関連の設定は不要だ。
今回の教訓(ポイント)
デバイスコントロールの機能では、指定したデバイスに対して通信の優先順位が付けられる
通信を優先/制限させるデバイスはIPアドレスで指定する
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