自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第65回

Fire TV Stickを繋いだテレビをスマートリモコンで音声コントロール

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回からは、「Fire TV Stick」を繋いだテレビを、スマートリモコンとAlexaによって音声でコントロールできるように設定してみる

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スマートリモコンを追加して音声のみで電源オン/オフしてみる

 Fire TV StickとEchoデバイスをリンクし、ウェイクワードでテレビの電源をオンにできるようにする方法を「第58回 Fire TV StickとEchoデバイスをリンクさせる準備」と「第59回 Fire TV StickとEchoデバイスをリンクし、発話で動画を再生しよう」で紹介した。

 このときは、コンテンツを再生することでテレビの電源をオンできたが、「テレビを点けて(消して)」との発話などで、テレビの電源をオン/オフする操作はできなかった。

 そこで今回からは、赤外線リモコンを使った機器のコントロールができるようになる「スマートリモコン」を追加することで、この操作を音声でできるように設定してみよう。スマートリモコンを使えば、レコーダーやエアコン、扇風機やサーキュレーター、照明など、テレビ以外にさまざまな機器のリモコンを集約できる。

 スマートリモコンには、各機器のリモコンを向けて操作しながら登録を行うので、赤外線を使うリモコンなら、たいていは使えるはずだ。ちなみに、Fire TV Stickのリモコンは、テレビの操作以外はBluetoothを使っているので、登録することはできない。

音声で赤外線リモコンを操作するなら「Nature Remo mini 2」

 用意したのは「Nature Remo mini 2」というスマートリモコン。

 上位の「Nature Remo 3」は、Remo mini 2の温度センサーに加えて湿度・照度・人感の各センサーを搭載するほか、BLE(Bluetooth Low Energy)に対応したIoT機器のコントロールもできる。こうした機能が不要で、赤外線リモコンでの利用が主であれば、Remo mini 2で十分だ。

 どちらもWi-Fiへの対応は2.4GHz帯のみとなるが、Amazon Alexaを含め、各種スマートスピーカーと連携して音声によるコントロールが可能になる。セットアップ方法はどちらも共通なので、参考にして欲しい。

今回用意したスマートリモコン「Nature Remo mini 2」
セットアップ時のみ点滅するインジケーターがある。電源共有用のmicroUSBケーブルは付属するが、USBのACアダプターは自前で用意しよう

 赤外線センサーは本体の上面側にあるので、コントロールするテレビやエアコン、照明などの機器との間に遮へい物のない壁面などへの取り付けが推奨されている。

 このRemo mini 2は、前モデルより赤外線の出力を上げているようで、ラフに設置しても正常に動作している。筆者宅のダイニングは8畳程度なのだが、その中央の机へ上向きに置いただけで、部屋の両端にあるテレビやレコーダー、エアコンで受信できている。設置にはそれほど神経を使わなくてもいいようだ。

赤外線センサーは上面にある。とても軽量なので壁掛けや貼り付けも簡単だが、この部屋では棚に置いた状態でテレビやエアコンも反応した

 Remo単体で使うときは、「Nature Remo」アプリで家電のリモコンを登録することで、スマホがリモコン代わりとして使えるようになる。Amazon Alexaで使う場合も、まずはこの状態にしてからAlexaアプリと連携することで、ウェイクワードを使った音声でのコントロールができるようになる。

「Nature Remo」アプリをインストールし、Remoをスマホで使えるようにセットアップ

 ではまず、Nature Remoアプリをスマホへインストールしよう。取扱説明書にアプリへのリンク用QRコードがあるので、iPhoneでは標準のカメラアプリ、Androidでは「Googleレンズ」アプリでスキャンするといい。

 利用に必要となるので、画面の指示に従ってメールアドレスを登録しよう。登録後のセットアップ画面ではモデル(今回はNature Remo mini 2)を選び、USBの電源コードを接続する。

Nature Remoアプリの利用には登録が必要。最初は[アカウントを作る]から進める
メールアドレスと名前を登録する。続けて[セットアップ]をタップ
国を選択後、モデルを選択する。Remo mini 2は、「Remo-2W2」という型番
USBケーブルでACアダプターと繋ぎ、電源を入れる

 続いてBluetoothの利用をアプリに許可し、Remoとスマホが繋がったら、Wi-Fiの設定を行うと利用可能になる。Remoには名前を付けておくといい。

デバイスの設定にBluetoothを使う。[OK]で許可
自宅のWi-Fiを選択し、暗号化キーを[パスワード]に設定。利用できるのは2.4GHz帯のみだ
Wi-Fiに繋がると「おめでとうございます!」と表示される
デバイスに名前を付ける。設置場所を付けると判別しやすい。[保存]で設定は完了だ

 この流れから分かるように、操作時にはWi-Fiを経由してサーバーとも通信しながら動作する。そのため、回線やサーバー、ネットワーク関連にトラブルがあると、Remoシリーズのスマートリモコンは操作不能になる。もちろんAlexaも同様だ。

 こういったトラブル時の対応を考えると、登録したリモコンは片付けてもいいが、捨てずに分かりやすいところへ置いておくようにしよう。次回は、続けてNature Remo mini 2でテレビをコントロールできるように設定していく。

今回の教訓(ポイント)

スマートリモコンとAlexaを連携させると音声でテレビの電源をオンにできる
Nature Remo mini 2は赤外線の出力が高く、機器の反応がいい。

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。