自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第37回

Amazon「Fire TV Stick」をテレビに接続編

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで前回からは、自宅時間が長くなっていることで人気のAmazon Fire TV Stickを解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。セッティングから使い方のポイントまで、丁寧に一通り紹介していくので、これから使い始める人はぜひ参考にしていただきたい。

Amazon Fire TV Stickの使い方を解説していく

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 今回使っているのは、4K動画にも対応した上位モデルの「Fire TV Stick 4K」だが、基本的な使用方法は同じだ。

 パッケージを開封したら、まずはテレビの背面などにある外部入力用の「HDMI」端子を探そう。Fire TV Stickの端子と同じ形状の端子なので、すぐに見つかるはずだ。

テレビの横側や裏面などにある外部入力用のHDMI端子を探そう。Fire TV Stickの端子と同じ形状の端子だ

 HDMIでは、映像に加えて音声もデジタルで転送できる。Fire TV Stickを直接差し込めるならそのまま差し込めばいい。4Kテレビで4Kのコンテンツを楽しみたい場合には、HDCP 2.2[*1]に対応したHDMI入力にFire TV Stick 4Kを接続する必要がある。

 4KテレビのHDMI端子が全てHDCP 2.2対応しているわけではないので、テレビの取説をチェックして確実に行いたい。4Kコンテンツを見ない場合や、フルHDまでの再生なら、この手順は関係ないので無視していい。

[*1]……HDCP 2.2は、4Kコンテンツ向けの著作権保護機能。フルHDで使われているHDCP 1.4までにしか対応しないHDMI端子では、HDCP 2.2で保護された4Kコンテンツは表示できない

 Fire TV Stick自体の出っ張りが気になるようなら、付属のHDMI延長ケーブルを使えば少し曲げて設置できるし、1mほどの長いHDMI延長ケーブルを用意するという解決方法もある。

付属のHDMI延長ケーブルを使ってテレビ背面に接続した様子

 HDMI端子に接続したら、microUSBでACアダプターを接続する。ちょっと見分けにくいが、この電源への接続でオンになる。Fire TV Stick自体に電源スイッチはなく、電源は入れっぱなしで使う。

今回はテレビ横のHDMI端子に接続。ACアダプターも接続する

 リモコンに電源ボタンがあるが、これはテレビの電源を入れるボタンなので、間違わないようにしよう。常時電源オンのまま使わないでいるとスリープするので、そのときは決定やホームなどリモコンのボタンでオンにする使い方となる。

 Fire TV Stickのリモコンは、本体と無線でやり取りできるほか、テレビの電源オン/オフや音量を赤外線を使ってコントロールできる。つまり、Fire TV Stickの本体は、リモコンから見えないテレビの背面にあっても構わないわけだ。

 あとは、テレビ側でHDMI入力をFire TV Stickの接続先へ切り替えればいい。

テレビ側で入力を切り替える
Fire TV Stickの画面がテレビに表示された

 最初の起動時には、リモコンのペアリングが行われる。通常は何もせずに認識するが、もしリモコンの反応がなければ、ホームボタンを10秒ほど長押ししてみよう。

リモコンが認識される。反応がなければホームボタンを10秒ほど長押しする
リモコンを認識したら再生ボタンを押そう
続いて言語の設定で[日本語]を選ぶ。かなり下の方にあるので注意

 言語の設定をすると、すぐに自宅Wi-Fiへの接続に移る。ここでは、できる限り明示的に5GHz帯を選ぶようにするのがコツだ。そのため、ボタンプッシュで自動的にルーターに接続できるWPSの機能は利用しないことを推奨したい。もし2.4GHz帯と5GHz帯で同じSSIDとして設定している場合、判別できるようにあらかじめ別のSSID名へとネーミングを切り替えておくといい。速度の速いIEEE 802.11acは、5GHz帯でしか使えないからだ。

自宅Wi-FiのSSIDを選択する画面になる

 この自宅Wi-Fiの選択画面では、無印のFire TV Stickの場合、5GHz帯のSSIDが表示されないことがある。これは5GHz帯のうち特定のチャンネルにしかFire TV Stickが対応していないという仕様による。

 ここで2.4GHz帯へ取り急ぎ接続してお茶を濁すという考え方もあるが、フルHD映像を安定して鑑賞したいなら、がんばって11acの5GHz帯への接続を設定して欲しい。また、チャンネルを「自動」に設定していると、設定時には接続できても、チャンネルが移動して、ある日突然接続できなくなるトラブルが起こる可能性もある。

 上位版のFire TV Stick 4Kの方は、5GHz帯の全チャンネルに対応しているので、こうしたトラブルは起こらない。ただ、これはAmazon EchoやFire HDなども同様なので、知識として覚えておいてもいいだろう。Amazon Echoに関しては、本連載のこちらの回で触れている。

 次回はこの5GHz帯のWi-Fi設定を解決していこう。

今回の教訓(ポイント)

Amazon Fire TV Stickは外部入力用のHDMI端子でテレビに接続する
無印のFire TV Stickは5GHz帯の一部周波数に未対応

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。