自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第56回

iPhoneやMacの画面をFire TV Stickにミラーリングしてみる

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

今回は「Fire TV Stick」にAppleのiPhoneやMacの画面をミラーリングしてみる

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 前回までで、Fire TV StickにAndroidスマホとWindows PCの画面をミラーリングしてみたので、今回はiPhoneやiPad、Macのミラーリングを試してみよう。

Fire TV StickでAirPlay! iPhoneやMacでミラーリングを試してみよう

 Apple製品の画面をミラーリングするには、「AirPlay」という技術に対応させる必要がある。Fire TV Stickは標準では対応していないため、アプリの導入が必要だ[*1]

[*1]……Appleの「Apple TV 4K」では、標準でAirPlayに対応している。

 ここでは「AirScreen」というアプリを利用してみる。ミラーリング終了時に広告が表示されることと、詳細設定ができない点をガマンすれば、無料で利用できる。

Fire TV Stickの検索画面で「AIR」と入力すると検索候補に表示される「Airscreen」を選ぶ
「AirScreen」[*2]をインストールしよう

[*2]……隣に表示された「AirReceiver(AirPlay&UPnP)」は有料(305円)ながら同様にAirPlayのミラーリングが可能だが、無料で試用ができない

 インストールしたAirScreenを起動したら、以下の操作を進めてみよう。なお、Apple製品の画面をミラーリングする際には、AndroidスマホやWindows PCのときと同じで、同一のWi-Fiに繋いでおく必要がある。

AirScreenを起動すると、初回は「ようこそ」画面が表示される。起動時に課金が促されることもあるが、その場合は「戻る」ボタンで戻って「開始」を選ぶ
さらに「開始」を選ぶと、ミラーリングの待ち受け画面になる
「接続を待っています」と表示されるまで待つ

 今回はiPhoneの画面をFire TV StickのAirScreenアプリへミラーリングするが、ここからiPhone側で操作を行う。

下もしくは右上から画面をスワイプしてコントロールセンターを表示し、「画面ミラーリング」をタップ
Fire TV Stickが表示されるのでタップする

 iPhone側で操作すると、待ち受けにしておいたAirScreenの画面が切り替わるので、再びFire TV Stickを操作しよう。

Fire TV Stickで待ち受けにしておいたAirScreenの画面が切り替わる
機能の紹介画面が表示されるので[了解]を選んで進める

 機能の紹介画面に記されているように、選択ボタンを長押しすれば、ミラーリングした画面を動画でキャプチャすることも可能だ。キャプチャされた動画ファイルは、[収録]―[動画]に保存される[*3]

[*3]……Fire TV Stickの内蔵ストレージで使用できるのは4.5GBなので注意

変な感じだが、この画面はミラーリングされたFire TV Stick側。ミラーリングを終了するときは、iPhoneで「ミラーリング停止」をタップするか、Fire TV Stickのリモコンで「戻る」ボタンを押す

 ミラーリングが禁止されているアプリで画面が再生ができないのは、AirPlayでもAndroidと同様だ。うまく使いこなして欲しい。

AirPlayでもニコニコ動画アプリはミラーリングできた。
iOS標準の[写真]アプリの画面。「For You」の「メモリー」で再生ボタンを押すと、スライドショーが楽しめる

 iOSでは、標準の「写真」アプリにあるスライドショーが意外と便利だ。「For You」の「メモリー」で再生ボタンを押したり、「お気に入り」で「…」から「スライドショー」を選ぶと再生できる。

[お気に入り]で右上の「…」を選んでメニューを表示
表示されたメニューで[スライドショー]を選ぶ
写真を自動でレイアウトして見せてくれる
macOSでは、メニューバーにAirPlayアイコンが表示されるので、Fire TV Stickを選ぶ

 macOSの場合も、手順はほぼ同じだ。AirScreen側を待ち受け状態にしておくと、メニューバーに表示されるAirPlayアイコンをクリックする。後は表示されるメニューからFire TV Stickを選ぶだけだ。

 画面の解像度は、デフォルトでは[デスクトップをミラーリング]に設定されていて、Mac側の画面がテレビ側の解像度に応じて変更される。[デスクトップを拡張]に変更すれば、それぞれの画面を別の解像度にも設定できる。

デスクトップのミラーリングと拡張は、タッチバーから選択できる
AirPlayで画面をミラーリングした後は、メニューから停止できる。タッチバーがないMacでも、ここから設定できる

今回の教訓(ポイント)

「AirScreen」アプリでApple製品の画面をFire TV Stickへミラーリングできる
アプリを入れれば、AndroidのMiracastよりAirPlayの方がスムーズ

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。