急遽テレワーク導入!の顛末記

「モニターを買い増したので、マルチディスプレイ環境にしてみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(105)

多機能スタンドを購入してサブディスプレイを縦置きに

古いディスプレイを縦置きにすることで省スペース化

 テレワークが始まって以来、自宅のPC環境がどんどんビジネス向けへと進化し続けている。周辺機器などを購入するときも、つい作業での使い勝手を考えてしまいがちだ。

……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから102日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はモニターの新調に合わせて、マルチディスプレイ環境を構築してみた。

【今回のハイライト】
4Kモニターで作業領域がUP!
サブモニター用に多機能スタンドを購入
スタンドの台座はフラットがイイ!

5月16日(月): デルの4Kディスプレイが我が家に届いた!

デルの31.5型/4K/144Hzゲーミングモニター「G3223Q」

 今年の3月頃に“いきなり6万円台”で話題になった、デルの31.5型/4K/144Hzゲーミングモニター「G3223Q」。思わずポチッたものの、一気に注目を集めたせいか製造が追いついていなかったようで、5月に入ってようやく製品が届いた。

 “ゲーミングディスプレイとしての性能”については、すでに『PC Watch』などでも紹介されているので省略するが、テレワークで利用するにも4Kディスプレイはやはりイイ。フルHDと比べると、縦横の解像度が一気に2倍になったので、ウィンドウ3つぐらいまでなら同時に並べて表示できる。おかげで資料となるサイトを開きながら、エディタで原稿を書き、保存先のフォルダを開く……といった作業を、ウィンドウ同士が重なることなく行えた。

 とはいえ、これまで27型のディスプレイを使っていたので、文字などは以前より小さく表示されるようになった。ただ、31.5型ぐらいの画面サイズがあれば、ブラウザーやOfficeソフトなどの表示倍率が100%のままでも、文字が読みにくくて困ることはなさそうだ。

ウィンドウを3つ横に並べても、重なることなく作業ができる

 あとは、今どきのゲーミングディスプレイらしく、USBハブ機能がついているのもポイントが高い。さっそくゲームパッドを接続してみたが、ケーブルの取り回しに苦労しなくて良い感じだ。

 これでもう、古いディスプレイはお役御免……にしてもよいのだが、まだ普通に使えるだけに、処分するのはもったいない。とはいえ、机の上には2台並べて置くだけの余裕がないので、何か活用方法を考える必要がありそうだ。

USBハブを内蔵しており、キーボードやゲームパッドなどの接続に便利
さすがに2台並べて置くだけのスペースはなかった……

5月30日(月): サブディスプレイ用に多機能スタンドを買い増してみた

 あれから色々と考えるうちに、古いディスプレイを縦置きにして、2つ横に並べて配置することを思いついた。とはいえ、古いディスプレイのスタンドには画面を回転させる機能がないので、VESAマウント対応の多機能スタンドを新たに購入することになる。

 ちなみに、以前の記事でも書いたが、筆者の机はその構造上、モニターアームを設置できない。なので、多機能なモニタースタンドを探していたところ、Amazon限定ブランド「iggy」のスタンドに目を付けた。価格は4000円程度と安価で、32型までのディスプレイに対応している。これなら将来的に何かがあっても、「G3223Q」のスタンドとしても利用ができるだろう。

卓上モニターVESA規格スタンド「BS310」

 その製品が本日届いたので、さっそく中を開けてみた。Amazonの製品らしく外箱そのものは簡易なものだったが、中のパーツはしっかり梱包されていて、特に傷などはない。画面の角度固定の強度はボルトの締め方で調整するらしく、専用の六角棒レンチが付属していた。

まずは土台にアームをねじ止めして
ディスプレイのねじ穴に、VESA規格のプラケットを固定。これを、先ほどの土台に装着する
角度固定用のボルトは標準で固めに絞めてあり、自重で画面がお辞儀することはなかった

 こうして作業は10分程度で完了。無事に2台のディスプレイを横に並べて置けるようになった。デスクライトを外せば2つのディスプレイを水平に並べることもできるが……、「G3223Q」のセンターがちょうど目の前に来た方が作業しやすいので、ひとまずこのレイアウトで使うことにしよう。

無事に2台のディスプレイを設置完了。古いディスプレイを斜めに置くことになったが、画面の見やすさなどに問題はない

 なお、今回はDisplayPortケーブルも4K/144Hz対応のものを購入しておいた。「G3223Q」にもHDMIケーブルとDisplayPortケーブルがそれぞれ1本ずつ付属していたのだが、ケーブルの素性までは公式サイトに載っていなかったので、ディスプレイの性能に合わせたものを買っておきたい。

 ちなみに、私物のデスクトップPCは最近、ビデオカードを新調したのだが、端子のラインアップが HDMI×1、DisplayPort×3というレイアウトだった。以前に使っていた方のディスプレイにはDisplayPort端子がなかったので、HDMIケーブルでPCと接続することになる。つまり、この環境だと高性能なものが必要なのはDisplayPortケーブルになるわけで、そのあたりも確認してからケーブルを購入するとよいだろう。今回、筆者はHDMIケーブルの方をうっかり新調するところだった。

「G3223Q」には HDMI端子が2つ、DisplayPort端子が1つ用意されているが……
デスクトップPCのビデオカードはHDMI端子が1つしかないので、「G3223Q」にはDisplayPortケーブルで接続することにした

5月31日(火):あとは Windowsの設定が終われば準備完了

 ディスプレイが1台増えたことで、縦置きしている方の画面にメーラーを常に表示させられるようになった。画面が縦だと受信メールの一覧を長く表示できるし、ほかのウィンドウに隠れないので重要なメールを見逃さなくて済む。

 ただ、Windowsの設定をミスしていたようで、右のメインディスプレイでマウスを画面の右端に移動させると、左のサブディスプレイの左端から出てくるようになった。要するに仮想的なディスプレイの配置が逆になっているので、何とかしたい。

 ディスプレイの仮想的な配置は、Windowsの「設定」画面から「システム」→「ディスプレイ」と操作すると変更できる。画面上に表示されている「1」「2」とナンバリングされた四角い枠が、それぞれ認識されたディスプレイを表しており、これをドラッグ&ドロップで移動させれば仮想的な配置を変更可能だ。

 さらに、「G3223Q」を選択した状態で、「これをメインディスプレイにする」のチェックをオンにすれば、セットアップは完了。これで、今日から自宅でも、マルチディスプレイ環境で仕事をすることができそうだ。

「2」と表示されたディスプレイを、ドラッグ&ドロップで左に移動させると……
サブディスプレイの仮想的な位置も左側に移動した

6月28日(金):マルチディスプレイ環境でテレワークしてから1カ月……

 あれから1カ月ほどマルチディスプレイ環境で作業をしてみたが、作業の効率は前より明らかに向上した。例えば、画像編集などではアプリをフルスクリーンに表示させながら、サブディスプレイにエクスプローラーを表示させることで、必要なファイルを確認したり、ドラッグ操作で読み込ませることができる。縦に長い資料用のウェブサイトはサブディスプレイ側に表示させておいて、それを見ながらメインディスプレイで原稿を書くのも、なかなかいい感じだ。

 なお、個人的には新調したモニタースタンドについて、台座がフラットなところが気に入っている。一般的なディスプレイのスタンドは台座が分厚く、斜めに傾いているものが多いが、ちょっとした小物を置くなら台座はフラットの方がよい。おかげで、マルチディスプレイにしたので机の上のスペースは減ったが、スマホ充電器などの置き場に困らずに済んだ。

フラットな台座は、ちょっとした物の置き場に使える

 今回は4Kディスプレイを新調したこともあり、画面上の作業領域が一気に広がった。テレワークによって自宅で仕事をする時間が増えているが、そんな作業の効率アップにマルチディスプレイはかなり有効といえるだろう。

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※編集部より
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飛田九十九