急遽テレワーク導入!の顛末記

「『アレクサ、パソコンつけて』ができるスキルを導入してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(148)

ルーターの設定不要! PCを個別に遠隔起動できるようになった

「Wake-on-LAN」という、そのままズバリな名前のスキルを実際に導入してみた

 外出先から自宅や会社にあるPCを利用する際、これまで筆者はWake On Lanスマートプラグ、「インテル vPro プラットフォーム」などを使って、遠隔操作で電源を入れてきた。ただ、これらの方法はルーターの設定変更や専用の機材を必要とするなど、一長一短なところがある。

……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて47日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はこれまでとは違う方法で、PCの電源を遠隔操作でONにしてみた。

【今回のハイライト】
もうMagicPacketを送らなくても大丈夫!?
自宅のPCを外出先から声で起動
指定時間での自動起動も可能に

6月19日(月):外出先からだと、自宅のPCを個別に遠隔起動できない……

 今日は取材のために1日外出することに。休憩中に急ぎの案件が入ったため、急遽ノートPCで作業をすることにした。

 筆者は自宅のPCはWake On Lanを、会社のPCはスマートプラグを使って、電源を遠隔操作で入れられるようにしている。作業中に必要なファイルが出てきたため、さっそく自宅のPCを遠隔操作することにしたのだが……、このファイルが自宅のサブPCに保存されていることに気が付いた。

自宅のメインPCは、スマホからMagicPacketを送信することで、遠隔起動できるように設定してある

 自宅のPCをWake On Lanで起動させるにあたり、ルーターではポートマッピングの設定について、MagicPacketを受信するポートに対するIPアドレスの末尾に255を指定している。これは、PCをシャットダウンしてからある程度の時間が過ぎると、ルーターがPCを認識できなくなくなるため、その対策として行ったもの。これにより、指定のポートにMagicPacketが届いた場合、それがネットワーク上にある全PCへと送られるようになっている。

 ただ、この環境ではMagicPacketを送信すると、遠隔起動したいマシン以外のPCの電源も入ってしまう。そのため、自宅ではメインPC以外について、あえてWake On Lanで起動しないように、ネットワークアダプターなどの設定を変更してあったのだが……、今回はそれがあだになってしまった。

自宅のルーターではポートマッピングの設定で、LAN側ホストを「192.168.0.255」に設定している

 サブPCは古いデータのバックアップ先に使っているため、今回のように遠隔起動したいケースが出てくるかもしれない。ここは、何らかの対策をしておくべきだろう。

6月20日(火):「Wake-on-LAN」というスキルを試してみることに

 外出先から自宅PCの電源を遠隔操作する方法を探していたところ、Amazon Alexaで「Wake-on-LAN」というスキルが見つかった。どうやら、Echo DotなどのAlexa搭載デバイスから、同じネットワーク内にある機器へと、個別にMagicPacketが送信できるらしい。

 ただ、このスキルを利用するには、事前にAlexa搭載デバイスで使用しているAmazonのアカウント(=購入したアカウント)を、同スキルと連携させることになる。その際には遠隔起動させるPCのMACアドレスが必要。さらに、遠隔起動させるPCでは、あらかじめWake On Lanのための設定(※)が必要となるので、事前に準備しておきたい。

※Wake On Lanのための設定については過去にも紹介しているので、詳しくは同記事を参照のこと

Amazonの公式サイトで、「Alexaスキル」の「Wake-on-LAN」を検索。詳細画面の【使い方】に記載の管理ポータルにアクセスする
「Login with Amazon」をクリックし、Alexa搭載デバイスで利用しているアカウントでログイン。「許可」→「+新しいパソコンを登録する」と操作する
「名前」欄にAlexa搭載デバイスでの音声操作の際に利用する名前を、「MACアドレス」に操作するPCのMACアドレスを入力。「+登録する」をクリックする
MACアドレスはWindowsの「設定」画面で、「ネットワークとインターネット」→「プロパティ」と操作すると、「物理アドレス(MAC)」欄で確認できる

 なお、PCの情報を登録した後で、Amazonアカウントのパスワードを変更しても、同スキルをそのまま利用することができた。Amazonアカウントの情報を登録するのが「何となく嫌だ」という人は、一通りの作業が終わった後でパスワードを変更しておくとよいかもしれない。

6月21日(水):「アレクサ、パソコンつけて」で起動ができるようになった!

 Amazonのアカウントとスキルの連携が終わったので、いよいよ「Wake-on-LAN」スキルの導入を行っていきたい。

 とはいえ、ここまでの操作が終わっていれば、あとはiPhoneの「Amazon Alexa」アプリで、「Wake-on-LAN」スキルを有効にすればOK。操作を行うとデバイス一覧にPCが自動で追加され、「アレクサ、パソコンをつけて」と呼び掛けると、PCの電源を入れられるようになった。

「Amazon Alexa」アプリを起動したら、下のメニューで「その他」を選択し、「スキル・ゲーム」をタップ
検索ボックスに「wake」などと入力して、「Wake-on-LAN」スキルを表示。「有効にして使用する」をタップする
「アカウントをリンク」画面が表示されたら、「Login with Amazon」ボタンをタップして、PCの登録に使用したAmazonアカウントでログインする
アカウントとのリンクが行われたら、「次へ」ボタンをタップすると…
あらかじめ登録しておいたPCが、デバイスとしてAlexaに検出・接続された
デバイスの一覧を見ると、登録しておいた「パソコン」が追加されていた

 これに以前にも紹介した「SwitchBot Hub Mini」やPC用リモコンと組み合わせれば、シャットダウンやミュートまで、PCを声である程度まで操作できるようになった。朝にアレクサのアラームで起こされたら、一声かけてPCの電源をONにする……など、これでまたPCのある部屋での生活がちょっと便利になりそうだ。

6月22日(木):外出先から家のPCを起動、さらにスケジュールでの管理も

 今日は朝から外出の予定があったので、途中で「Amazon Alexa」アプリを起動。「アレクサ、パソコンをつけて」と声をかけた後、しばらく経ってからChromeリモートデスクトップを起動すると、自宅のPCを遠隔操作できた。どうやら家の中からだけでなく、外出先からでも、自宅のPCを問題なく遠隔起動できたらしい。

「Amazon Alexa」アプリで音声入力画面を表示。「アレクサ、パソコンつけて」と話しかけると、PCを遠隔起動できた

 ちなみに、以前にPCを声で起動させたり、アラームと同時にPCを起動させた際には、iPhoneアプリの「WolowーWake on LAN」と、iPhoneのオートメーション機能を組み合わせたが、「Wake-on-LAN」スキルならもっと簡単に設定ができる。「Amazon Alexa」アプリで定型アクションの作成画面を開いたら、時刻や曜日などを設定するだけでOK。ちなみに、このアクションを画面から手動実行することでも、PCを遠隔起動できるので、声を出せない場所にいるときなどにも便利に使えそうだ。

「Amazon Alexa」アプリの下のメニューで、「その他」を選択し、「その他」画面で「定型アクション」をタップ。「定型アクション」画面が表示されたら、右上の「+」アイコンをタップする
定型アクションの作成画面が表示されるので、「定型アクション名を入力」の「+」からアクション名を入力。さらに、「実行条件を設定」の「+」をタップする
アクションの実行条件を指定。今回は「スケジュール」→「時間指定」を選択した
「時間を設定」画面が表示されたら、「繰り返し」と「時刻」をタップして、それぞれアクションを実行させるタイミングを指定。「次へ」をタップする
もとの画面に戻ったら、「アクションを追加」の「+」をタップして、「スマートホーム」を選択
「スマートホーム」画面では、「コンピューター」もしくは「全てのデバイス」をタップして、次の画面で起動させるPCを選択する
「電源」で「オン」を選択して、「次へ」をタップ
アクションの登録内容を確認したら、「保存」をタップ
新しいアクションが作成され、指定時刻に自動でPCが起動するようになった。この画面の「▶」をタップすることで、PCを遠隔起動させることもできる

 これで、ルーターの設定を行ったり、外出先からMagicPacketを送信しなくても、Alexa搭載デバイスを直接操作して、PCを遠隔起動できるようになった。サブPCも「サブパソコン」という名前で登録しておけば、「アレクサ、サブパソコンをつけて」というように、個別にPCを起動できるので、外出先からのリモートデスクトップもさらにはかどりそうだ。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九