イベントレポート
CES 2021
Wi-Fi 6E対応ルーターをNETGEAR、LINKSYS、TP-Linkが発表
6GHz帯を追加し、より高速な通信を実現へ
2021年1月20日 17:50
新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったCES 2021。開催形式は大きく変わったものの、例年同様に多くの新製品が発表された。そういった中、Wi-Fi関連では、Wi-Fi 6の拡張規格である「Wi-Fi 6E」対応製品が多数発表されたのが大きなトピックとなった。
Wi-Fi 6Eでは、従来の5GHz帯と2.4GHz帯に加え、6GHz帯での通信を新たにサポートする。ほかの帯域よりも混雑が少なく安定した高速通信が可能で、遅延も低減されるという。OFDMAや4×4 MU-MIMO、1024QAMのサポートにより、データ通信効率を高めつつ複数機器の同時利用時の通信速度低下を防ぐ点は、従来のWi-Fi 6ことIEEE 802.11axと同じだ。
NETGEAR
NETGEARは、Wi-Fi 6Eに対応したNighthawkシリーズのWi-Fiルーター「Nighthawk RAXE500」を発表した。4ストリームの通信に対応し、最大通信速度は5GHz帯と6GHz帯がそれぞれ4.8Gbps、2.4GHz帯が1.2Gbps。
有線LANは、2.5GBASE-T×1、1000BASE-T×5の各ポート備え、前者はWAN/LANのいずれでも利用可能。後者は2つを束ねて2Gbpsの速度を実現するリンクアグリゲーションをサポートする。
このほか、1.8GHz動作のクアッドコアCPUと1GBメモリの搭載により、Wi-Fiやイーサネットの性能を最大限引き出すとしている。本体サイズ(幅×奥行×高さ)は298×78×211mm、重量は1.45kg。
北米では2021年第1四半期の発売を予定し、価格は599.99ドルの予定。なお、日本では6GHz帯の無免許利用が未承認でもあり、早期の発売は難しいだろう。
なお、日本ではWi-Fi 6対応のメッシュWi-Fiルーター「Orbi Pro WiFi 6 SXK80」と、ゲーミング向けWi-Fi 6ルーター「Nighthawk Pro Gaming XR1000」の発売も発表された。これらは海外ではすでに発売済みだが、Orbi Pro WiFi 6は1月18日発売、Nighthawk Pro Gaming XR1000は今後発売予定とのことだ。
LINKSYS
LINKSYSは、Wi-Fi 6E対応のメッシュWi-Fiルーター「AXE8400」を発表した。Quelcommのクアッドコアチップ「Networking Pro 1210」の採用で、競合製品に比べて2倍高速としている。
Networking Pro 1210は、2.2GHz動作のARM Cortex A53コアを4つ内蔵し、Wi-Fiは最大12ストリームに対応。最大速度は8.4Gbpsとされ、4K QAM、最大37ユーザーのOFDMA、8×8 MU-MIMOといった機能もサポートする。
LINKSYSは、現時点でAXE8400の6/5/2.4GHz帯それぞれのストリーム数や最大通信速度など詳細な仕様を公開していないが、おそらくNetworking Pro 1210に準じた仕様になると考えられる。
ルーター1台で3000平方フィート(約289平方メートル)の広範囲をカバーし、最大65デバイスの接続をサポートするほか、従来のLINKSYSメッシュルーターとの互換性が確保され、Wi-Fi 6E対応の有無に関係なくメッシュを組めるとしている。
有線LANは、5GBASE-T対応のWAN×1と、1000BASE-T対応のLAN×4の各ポートを装備する。北米では2021年夏の発売を予定しており、価格は単体で449.99ドル、2台パックが849.99ドル、3台パックが1199.99ドルを予定。なお、こちらも日本での発売は未定だ。
TP-Link
TP-Linkは、Wi-Fi 6E対応の3製品を発表した。いずれも発売時期は2021年内で、価格は未定。
「Archer AX206」は、TP-LinkのWi-Fi 6E対応ルーターでは最上位となる製品。最大通信速度は6GHz帯と5GHz帯が最大4804Mbps、2.4GHzが1148Mbps。
Wi-Fi 6Eへの対応に加えて、有線LANポートとして、10GbE対応のSFP+スロットと10GBASE-T対応ポート、2.5GBASE-T対応ポートを各1基ずつ備え、いずれもWAN/LANのどちらでも動作する。このほか1000BASE-T対応のLAN×4ポートも装備する。
クアッドコア、2GHzのCPUを採用し、最大限のスループットを引き出すとともに遅延も低減するとしている。サイズ(幅×奥行×高さ)は288×288×184mm。本体周囲に8本の外部アンテナを備える。
「Archer AX96」は、Wi-Fi 6E対応のミドルレンジモデル。5GHz帯が4ストリーム、6GHz帯と2.4GHzが2ストリームの8ストリーム仕様で、最大通信速度は5GHz帯が4804Mbps、6GHz帯が2402Mbps、2.4GHz帯が最大574Mbpsとなる。
有線LANは2.5GBASE-T対応WAN/LANを1ポート、1000BASE-T対応WAN/LANを1ポート、1000BASE-T対応LANを3ポート装備と、Archer AX206よりもやや抑えたスペックとなっている。
CPUはクアッドコア、1.7GHz。サイズ(幅×奥行×高さ)は311×207×174mm。こちらも8本の外部アンテナを備える。
「Deco X76 Plus」は、Wi-Fi 6E対応のメッシュWi-Fiルーターだ。最大通信速度は6/5GHz帯が2402Mbps、2.4GHz帯が574Mbps。総ストリーム数は8で、5GHz帯のみ160MHzで2402Mbpsとの表記があるため、2.4GHz帯域と5GHz帯域は2ストリーム、6GHz帯域は4ストリームだと思われる。
有線ポートはWAN/LAN自動認識でギガビット対応が3基。CPUははクアッドコア、1.5GHz駆動。サイズ(幅×奥行×高さ)は110×110×114mm。単体モデル、2台パックモデル、3台パックモデルが発売予定。