イベントレポート
CEATEC 2024
GPUなどにある「基板裏側のチップコンデンサ群」を集約、省電力・省スペース化を実現する村田製作所「iPaS」
コンデンサやインダクタを「チップ内蔵」に
2024年10月15日 14:59
10月15日~18日に幕張メッセで「CEATEC 2024」が開催中。今年はAIをテーマとしているが、AIを支える周辺技術も豊富に展示。なかでも村田製作所は、コンデンサとインダクタを内蔵して一体化した基板「iPaS(アイパス)」を展示、CEATEC AWARD 2024のイノベーション部門賞をした。
iPaSは、基板内にコンデンサやインダクタを内蔵させた基板製品。主に電源供給ラインや高性能半導体パッケージ内での利用を想定したものとなる。電源回路で多く使われるコンデンサやインダクタは村田製作所がiPaSに向けたものを開発して基板まで一体化して提供する。
こうしたコンデンサやインダクタは現在、基板表面に実装しているが、部品内蔵基板に置き換えることで、これをチップのパッケージ内に配置。その結果、設計にもよるが、これまで数cmあった配線長を数mmまで短くでき「垂直電力供給」にも適している。消費電力についても最大で5分の1程度まで減少されることが可能になるという。また、部品内蔵基板とすることで、基板の実装密度を上げて省スペース化にもつながる。
AI活用の発展にともなうことで、この部品を搭載した機器が省スペース化、省電力化がされ、高機能化すること貢献することが期待されるという。
なお、部品内蔵基板を検討することは現在のトレンドでもあるが、村田製作所のiPaSはそう遠くない時期に量産を開始できる段階にあるという。
また村田製作所では、そのほかにも得意の電子部品や部品技術を活かしたソリューションを多く展示。5Gのミリ波モジュールのほか、発表したばかりの世界最小だという016008Mサイズ(0.16mm×0.08mm)のセラミックコンデンサを顕微鏡を使って展示するなど、同社の技術を紹介した。