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e-Taxソフトに代わってfreeeから確定申告書類をオンライン提出、「クラウド申告 freee」が一部始動

「クラウド申告 freee」の電子申告アプリ画面

 freee株式会社が提供するクラウド型会計ソフト「クラウド会計ソフト freee」の個人事業主向けプランにおいて、確定申告書類の電子申告機能がリリースされた。Windowsに対応する。確定申告書類の作成から提出までが、freeeのクラウドサービス上で完結するとしている。

 freeeで作成した確定申告書類を提出する方法としては従来、プリントアウトした紙の書類を税務署に持参または郵送する方法のほか、「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」でオンライン提出する方法があった。ただし、e-Taxによる電子申告においても、freeeからe-Tax専用のフォーマットで書類ファイルを出力し、e-Taxソフト(Windows版、ウェブ版)から送信する手間がかかっていたという。

 それが今回、新サービス「クラウド申告 freee」のうちの一部機能が実装され、確定申告シーズンを前に、個人事業主の確定申告(所得税申告)と消費税申告の電子申告をfreee上から直接行えるようになったかたちだ。なお、申告書類(青色決算書、確定申告書B、消費税申告書)の作成機能は従来よりfreeeに実装されている。

 freeeからの電子申告は、freeeの「確定申告」メニューの「確定申告書類の作成」で、提出方法として「電子申告(freee)」を選択することで利用できる。拡張機能としてダウンロード提供されているfreeeの電子申告アプリと連携し、同アプリがユーザーのマイナンバーカードや住民基本台帳カードなどに含まれている電子証明書を読み込み、申告書類データに電子署名を施してe-Taxのシステムに送信する仕組みだ。

 個人事業主本人が電子申告する場合のほか、税理士が顧問先の個人事業主に代わって電子申告する場合にも対応する。税理士は顧問先のマイナンバーを閲覧せずに申告できるため、マイナンバーの委託が発生せずに申告できるとしている。

 なお、freee上から直接行えるようになったのは、作成した申告書類をオンライン提出するプロセスの部分となる。e-Taxの利用開始の届け出や利用者識別番号の取得、ユーザーの電子証明書のe-Taxへの登録などの事前準備は別途行っておく必要がある。それらが済んでいないユーザーは、「公的個人認証サービス利用者クライアントソフト(JPKI利用者ソフト)」のインストールや、ルート証明書のインストールなどを含むe-Taxソフトのセットアップの作業が従来と同様に必要になる。

“3大申告”に段階的に対応、会計から電子申告までクラウドで一気通貫

 クラウド申告 freeeは、freeeが昨年10月に発表していた新サービス。今回実装した所得税(個人事業主の確定申告)と個人事業者における消費税に加えて、今年4月以降、法人税、法人における消費税についても順次対応する予定だ。

法人税申告画面

 また、「クラウド給与計算ソフト freee」と連携する年末調整の電子申告機能についても、税理士向け機能としてすでにリリースしており、さらに2017年度の申告に合わせるかたちで全体向けにリリース。そのほか、償却資産についても2017年度の申告に合わせて対応する予定だ。

「クラウド申告 freee」の全体像

 これにより所得税申告、法人税申告、年末調整申告という“3大申告”をクラウドで行えるようになり、会計から給与計算、税務申告までをfreeeのクラウドサービスで一気通貫で対応する体制が整う。申告書類を複数の役所へ持ち込みまたは郵送する手間もなくなり、業務の最適化を図れるとしている。