ニュース
集合住宅にIoT見守り環境を構築、シャープら4社がデベロッパー向けに「つたえるーむ」展開
2017年7月5日 17:58
シャープ株式会社、アルテリア・ネットワークス株式会社、アイホン株式会社、株式会社アッサアブロイジャパンは、マンションデベロッパー向けのIoTソリューション「つたえるーむ」の販売を7月5日に開始した。新築分譲マンションが対象に、2018年春からの提供を見込む。初期費用は各戸あたり約15万円、月額費用は約380円を予定。アルトリア・ネットワークスが販売を担当する。
つたえるーむでは、シャープが開発し、クラウド上に提供するAIoTプラットフォームとAPIなどを介して、同社が提供するAndroid/iOSアプリ「ココロボ~ド」とアイホンのインターホンやアッサアブロイジャパンの電子錠システムが連携。マンションにおける見守りサービスを実現する。
例えば、共有部に設置したデジタルドアをカードキー所持者が通過すると、帰宅・外出情報がココロボ~ドに通知される。また、各戸専有部のドアロック解錠時に通知を行ったり、アプリから鍵の解錠・施錠操作ができる。
ココロボ~ドに表示される通知内容は、各戸専有部に設置されたモニター付きインターホンでも確認可能。子どもにスマートフォンやタブレットを持たせたくない場合でも、インターホンを通じて、通知内容の確認や、定型文を使った簡易的な連絡のやり取りができるとしている。
オプションとして、インターホンと人感センサーを連携させた見守りサービス「みまもリズム」も用意。入居者の動きを人感センサーで検知し、一定時間動作を感知しない場合は同居者へ通知する。
ラウンジや来客者用駐車場などの共有施設を専用のポータルサイトから利用予約できるマンションコンシェルジュサービスも備える。共有部のデジタルドアロックは予約した時間のみ自宅用のカードキーで解錠できるため、共有部の鍵を貸し借りする手間を省けるほか、鍵の紛失も防ぐことができる。ココロボ~ドのカレンダーとも連携しており、予約時間が近づくと通知するようになっている。
アルテリア・ネットワークス取締役常務執行役員兼事業戦略本部長の大橋一登氏によると、共働き世帯の増加と家族の見守りサービスへの需要が高まっていることから、「マンションがIoTサービスを推進するための1つの大きな市場になる」という。また、これまでマンション向けのサービス・製品を展開してきた4社が連携することで、「家族がより安心できるマンションライフをIoTサービスで実現できる」としている。
同社事業戦略本部レジデンシャルサービス部長の川原久幸氏は、従来のサービスでは共有部のみの利用に限られたものが多かったため、つたえるーむが専有部での利用に対応したことを特徴として挙げる。これにより、「より安心・安全な暮らしを提供できる」と語る。
2018年度は50棟・約4700戸、3年間で175棟・1万6000戸への販売を目指す。