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“ゲーマー”がサイバー攻撃対応の担い手に! セキュリティ業界の人材不足で注目集まる?
2018年8月6日 13:22
サイバー犯罪の脅威が増す一方で、それらに対抗するためのセキュリティ専門の人材が不足しているとして、米McAfeeのギャリー・デイビス氏(チーフコンシューマセキュリティエヴァンジェリスト)は警鐘を鳴らす。そこで今、セキュリティ業界が注目しているのが“オンラインゲーマー”だという。
オンラインゲーマーの持つ素質がセキュリティ専門家としてふさわしい?
英国では2016年に全犯罪の53%をサイバー犯罪が占めるようになったそうだが、一方で世界におけるセキュリティ専門の人材は2021年に200万人不足する状況になるという。
デイビス氏によれば、セキュリティ業界的には米国や日本の教育現場で今後力を入れるとされているSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育を受けた生徒・学生の将来性に期待をしているそうだが、サイバー攻撃の対応への担い手候補として、オンラインゲーマーが近頃、注目を集めているという。
300人のシニアセキュリティマネージャーと650人のセキュリティ専門家を対象としたアンケート調査では、回答者の92%が、オンラインバトルゲームをプレ-するゲーマーは、論理的で粘り強く、飲み込みが早い特徴があるなど、従来のセキュリティ専門家にはない新しい視点を持ち合わせており、脅威ハンティングに不可欠なプレーヤー体験とスキルを獲得できていると答えている。
オンラインゲーマーの中には犯罪行為と認識せずに、対戦相手にDDoS攻撃やチート行為などの不正を働く者も存在するため、一概には言えないとしているが、目的を達成するためにあらゆる手段を考慮して行動するという素質が、セキュリティ専門家として向いているという。
デイビス氏は「我々はセキュリティ業界に入ってくる人材をどうやって増やすか、この課題にどう立ち向かうか考える必要が出てきた。オンラインゲーマーが本当にセキュリティ専門家として活動できるかという疑問もあるし、彼らを教育することが難しいことは分かっている。しかし、ここまで人材不足になると、業界としては普通ではない考え方でやっていかなければいけない。今まで行ってきたことだけでは人材不足の問題は止められない」と危機感を募らせる。