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NEC、IPv6高速化Wi-Fiルーターの新製品、市場価格1万1000円の「Aterm WG2600HS」発売

「Aterm WG2600HS」

 NECプラットフォームズ株式会社は、家庭用Wi-Fiルーターの新機種「Aterm WG2600HS」を1月24日に発売すると発表した。インターネット光回線で混雑する箇所を回避する経路で接続することで高速通信が期待できる方式「IPv6 IPoE」と、そのIPv6 IPoEネットワーク上でIPv4通信も行える「IPv4 over IPv6」に対応。あわせて、内部のパケット転送を高速処理することでIPv6通信をさらに高速化するという「IPv6 High Speed」というNECの独自技術も搭載しているのが特徴。オープン価格だが、市場想定価格は1万1000円(税別)。

 無線LAN(Wi-Fi)規格は、IEEE 802.11ac/n/g/a/bに準拠。4ストリーム(4×4)に対応しており、5GHz帯を使う11ac規格での最大通信速度は1733Mbps、2.4GHz帯の11n規格で最大800Mbpsとなる。なお、11nによる最大800Mbpsは、無線LAN子機側も256QAMというデジタル変調方式に対応している必要がある。有線インターフェースは、LAN×4ポート、WAN×1ポートで、いずれもギガビット対応。

 Atermシリーズの家庭用Wi-Fiルーターにおいて、無線LANおよび有線LAN/WANのスペックがこれと同等で、IPv6 IPoEおよびIPv4 over IPv6に対応し、IPv6 High Speedを装備している機種としては、最上位機種の「WG2600HP3」がすでに発売されている。そのWG2600HP3が“プレミアムモデル”という位置付けなのに対し、新機種のWG2600HSは“スタンダードモデル”の位置付け。WG2600HP3が備えている機能の一部が省かれているが、その分、安価に設定されている。

 具体的には、5GHz帯と2.4GHz帯の混雑していない周波数帯へ自動で振り分ける「バンドステアリング」機能が省かれている。また、電波状況の良いチャネルへ自動的に切り替える「オートチャネルセレクト」機能については、WG2600HP3では動作中のチャネル切り替え(5GHz帯+2.4GHz帯)に対応しているのに対し、WG2600HSでは起動時のみの動作となっている。

 一方、無線LAN子機に向けて電波を集中的に送信し、高速通信を実現する「ビームフォーミング」機能を装備しているのは上記機種と同様。また、空間分割多重によって4台までの複数子機で同時に、かつ快適に接続できる「MU-MIMO」も装備している。

 このほか、無線回路・無線制御などの設計の見直しにより無線性能を大幅に向上させた「ハイパワーシステム」も搭載。通信が安定する一定の電波強度以上のエリアは、下位機種の「Aterm WG2200HP」と比べて最大で約18%拡大。動画などを快適に視聴できるエリアが広がるとしている。

 WG2600HS本体の大きさは約38×129.5×170mm(幅×奥行×高さ、突起部を除く)、重さは約0.5kg。プロセッサはデュアルコアCPUを採用し、さらに5GHz帯と2.4GHz帯それぞれの無線用CPUを搭載することで、両方の電波を同時に利用した場合にさらなる高速化を実現するとしている。