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「自由なホームオートメーション」を目指す、照明/エアコン/鍵などの制御向けユニット5製品、クリティカが発売
2019年5月30日 15:13
クリティカは、「クラウドや特定企業に依存しない、真に自由なホームオートメーションを実現」(有限会社クリティカ取締役 川畑善之氏)するホームオートメーション(HA)向けシステム「CL-SYSTEM」の第1弾となる5製品を発売した。
CL-SYSTEMは、照明や鍵、エアコンといった電気機器を、HAのためのオープンプラットフォームのサーバーである「openHAB 2」や「Home Assistant」で、容易にコントロールできるようにするシステム。
システムの構成要素は、ネットワークへの窓口となるコントローラー、コントローラーとI2Cで接続し、機器を直接制御するターミナル、openHAB 2を動作させるLinuxやWindows、MacOS、Raspberry Piなどのサーバー(PCなど)を組み合わせることでシステムとして利用可能になる。コントローラーについては、市販の「M5Stack」を活用する前提となっていて、クリティカからは主にターミナルや関連周辺機器が発売される。
今回発売されるのは、照明器具などのオンオフを制御する「リレーターミナル」、LEDを含む照明器具の調光を制御する「ディマーターミナル」、JEM-A規格に準拠し、鍵の開閉やエアコンのオン/オフなどを制御する「JEMターミナル」、これらの機器をWi-Fi経由で操作する「LCDスイッチ」、鍵の制御基板などと接続するか「CL-SYSTEM」経由で接続することで鍵を制御する非接触式鍵の「RFIDキー」の5製品で、価格は以下の通り。
製品 | 価格(税込) |
CL-SYSTEM リレーターミナル | 2万9000円 |
CL-SYSTEM ディマーターミナル | 3万1000円 |
CL-SYSTEM JEMターミナル | 3万2000円 |
CL-SYSTEM LCDスイッチ | 1万9000円 |
CL-SYSTEM RFIDキー | 1万9000円 |
リレー、ディマー、JEMのターミナル3製品は、6~8VのACアダプタまたはUSBバスパワーで動作。コントローラーとはI2Cで接続し、100V/3Aまでの機器を8つまで、オンオフや調光の制御が行える。
LCDスイッチとRFIDキーは、Wi-Fiでネットワークに接続し、「MQTT」プロトコルで通信が行える製品。LCDスイッチは最大9までの機器を制御するスイッチを最大8ページまで設定可能。一方のRFIDキーは、鍵1つ開閉動作を制御できる。また、5つの製品とも、PCとUSB 2.0で接続してプログラミングが行える。
コントローラーに用いるM5Stackは、スイッチサイエンスなどが販売しており、Wi-Fi/Bluetooth対応のESP32チップを搭載するほか、ディスプレイ、microSDカードスロット、USB-type C コネクタ、Groveコネクター、さらにバッテリーなどをケースに収めたArduino環境などの開発用モジュール。
なお、クリティカのウェブページ「CL-SYSTEM導入のための資料」には、CL-SYSTEMを実際に利用するための手順がまとめられている。
具体的には、「Windows Subsystem for Linux」への「Ubuntu 18.04 TLS」のインストール、UbuntuへのopenHAB 2と、MQTT Broker (サーバー)であるの「mosquitto」のインストールと連携を含む設定の方法、シリアル通信で各機器を設定を可能にするとともに、シリアルポートの検出を容易にする「Tera Term」のインストール方法、ファームウェアの書き込み手順などがまとめられている。
クリティカでは、IoTに興味を持ち、家庭の電気器具制御の実験をしたいユーザーや、中小規模店舗の照明や鍵のコントロールを自動化したい電気工事関係者などを販売ターゲットに挙げている。
また今後は、出力電流の弱いJEM-A機器を「JEMターミナル」から制御するための「JEMリレーユニット」を6月に、CL-SYSTEMの制御をタッチパネルでコントロールする「LCDコントローラー」を7月に発売予定。
これら製品のコンセプトや用途については、別途掲載しているインタビュー記事も参照のこと(後編も近日掲載予定)。