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停電時もフリーWi-Fi利用可能に、アクセスポイントに非常用電源を設置する実証実験、静岡県袋井市でスタート

実証実験の実施場所と、非常電源を設置した公衆電話ボックスの概要

 静岡県袋井市、日本電信電話株式会社(NTT)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は、公衆電話に設置されているWi-Fiのアクセスポイントに非常用電源を設置する実証実験を開始した。

 近年、日本では台風や豪雨、地震などの自然災害が多発。これにより、増加しつつある訪日外国人向けの災害対策が課題になっている。このような状態のため、防災関係機関には「訪日外国人にとって被災時にWi-Fiを利用した情報収集が重要」という意見がある。

 これを受けてNTTグループは、公衆電話ボックスを利用しているWi-Fiアクセスポイントを停電時に運用することを検討している。実証実験では、公衆電話ボックスにリチウムイオン電池を用いた非常用電源を設置し、耐候性や運用性について検討を行う。期間は3カ月程度。

 実証実験は、袋井市内の愛野駅南口駅前広場に設置された公衆電話ボックスを利用。愛野駅は、ラグビーワールドカップの会場であるエコパスタジアムの最寄り駅。そのため、多くの訪日外国人が訪れており、実証実験の目的に適した場所だ。

 この実証実験では、袋井市は無料で利用できるWi-Fi接続サービス「FUKUROI Free Wi-Fi」、NTTは非常用電源の設置と実証実験の取りまとめ、NTT西日本は公衆電話ボックスを提供する。

 NTT西日本では「今後、他の自治体と連携した導入拡大を検討していき、災害時における通信手段の確保に努めていく」としている。