ニュース
全国65自治体で“移住未満・観光以上”の受け入れ推進へ、「ワーケーション自治体協議会」設立
2019年11月19日 08:00
“ワーケーション”を受け入れる側の全国の自治体が集まって、「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」が18日、設立された。現時点で65の自治体(1道6県58市町村)が会員として参加している。
ワーケーションとは、“ワーク(仕事)”と“バケーション(休暇)”を合わせた造語。「テレワークを活用し、普段の職場や居住地から離れ、リゾート地や温泉地、さらには全国の地域で、仕事を継続しつつ、その地域ならではの活動を行う」(WAJの設立趣意より)ことを指す。企業がワーケーションを取り入れることで、オフィスとは異なる環境でリフレッシュしてモチベーションを高めて業務を行えたり、チームの結束を強くするといった効果が期待できるほか、従業員にとっては、長期休暇をとりつつ、重要な会議だけにテレビ会議で出席するといったような柔軟な働き方・休暇の取り方が可能になるといった利点が考えられる。
WAJでは、ワーケーションの全国的な普及・促進を図るため、1)WAJ主催の情報交換会や会員自治体によるワーケーション体験会の実施、2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や2015年日本国際博覧会等のメガイベントに向けた、地方でのワーケーションの共同PR、3)全国のワーケーションに関する統一的な情報発信手段の検討、4)そのほか、ワーケーションの普及・促進に向けた取り組みの検討――を行う。
18日にWAJの第1回総会が開催され、正式に設立。会長に和歌山県の仁坂吉伸知事、会長代行に長野県の阿部守一知事が選任された。両県はともにワーケーションの推進・受け入れに積極的に取り組んできており、今年7月、WAJの設立に向けた協力確認書を交わし、全国の自治体に向けて参加を呼び掛けていた。
総会に引き続き、一般社団法人日本テレワーク協会の主催によるイベント「ワーケーション・フェスタ in アキバ!」が開催され、仁坂知事があいさつ。ワーケーションは、労働時間の短縮とはまた別の側面で働き方改革を実現する手段の1つになり得ることをアピールした。また、ワーケーションの導入は企業や従業員にとって、支社の設立やオフィスの移転、Iターン/Uターンほどハードルが高くないことから、ワーケーションを“移住未満・観光以上”とも表現。一方、これを受け入れる自治体にとっては、単に観光だけにとどまらず、関係人口の創出や地域の活性化に繋げられる可能性もある。仁坂知事は会員自治体に向けて、イベントや情報の発信などを通じてワーケーションという言葉自体の認知を拡大していくことを含め、その普及・促進に向けた積極的な活動を呼び掛けた。
WAJに参加する自治体(1道6県58市町村)は、以下の通り。
- 北海道
- 群馬県
- 長野県
- 和歌山県
- 鳥取県
- 広島県
- 長崎県
- 北海道北見市、富良野市、ニセコ町、俱知安町、中頓別町、斜里町
- 岩手県八幡平市
- 秋田県湯沢市、にかほ市
- 埼玉県横瀬町
- 神奈川県鎌倉市、逗子市
- 新潟県妙高市、糸魚川市
- 石川県小松市
- 福井県福井市
- 山梨県甲州市
- 長野県長野市、松本市、上田市、諏訪市、小諸市、伊那市、駒ヶ根市、中野市、飯山市、茅野市、塩尻市、佐久市、千曲市、軽井沢町、立科町、下諏訪町、富士見町、山ノ内町、信濃町、原村、白馬村
- 静岡県静岡市、下田市、南伊豆町、
- 三重県志摩市
- 京都府舞鶴市
- 兵庫県新温泉町
- 和歌山県和歌山市、田辺市、紀の川市、印南町、白浜町、那智勝浦町、串本町
- 広島県呉市、福山市
- 長崎県五島市
- 鹿児島県錦江町、徳之島町、伊仙町
- 沖縄県名護市