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“ワーケーション”普及へ、全国の受け入れ自治体で連合、長野・和歌山の両県知事が設立趣意書に署名・参加呼び掛け

 長野県の阿部守一知事と和歌山県の仁坂吉伸知事が18日、「ワーケーション自治体協議会(通称:ワーケーション・アライアンス・ジャパン:WAJ)」の設立に向けた協力確認書「ワーケーション・スタートアップ宣言」に署名した。ワーケーションとは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、リゾートなどで休暇を取りながらリモートワークを行うことを意味する。WAJは、ワーケーションのさらなる拡大のために、全国的な自治体間連合として設立するもの。

長野県・阿部守一知事(左)と和歌山県・仁坂吉伸知事(右)。ワーケーションの全国的な普及推進活動の第一歩となる全国フォーラム「ワーケーション・スタートアップ!」(主催:一般社団法人日本テレワーク協会)において、「ワーケーション・スタートアップ宣言」の署名式が行われた

 ワーケーション・スタートアップ宣言では、ワーケーションの意義として、「都市部の人口集中の緩和や地方への移住の促進」「異なる地域や企業間での協業を進めることでイノベーションを活発に創出」「人々の健康と生活の確保や雇用の促進などSDGs(持続的な開発目標)の実現」「長期滞在を通じた人口の創出・拡大」「オリパラなどの大規模イベントにおける地域への人の流れの促進」の5項目を挙げている。

 WAJは今秋にも設立される見込みで、全国のワーケーションに関する統一的な情報発信手段の検討や、情報交換会や会員自治体によるワーケーション体験会の開催、ワーケーションの円滑な実施に向けた支援の検討などの活動を進めていく予定だ。

 「働き方改革というと、『あまり多く働くのはやめよう』という姿勢になりがちですが、『どうやって働いたらいいか』という積極的なモデルを提示することも必要であり、ワーケーションはそのモデルの1つだと思います。また、東京一極集中を緩和し、東京が栄えながらも、その一部の機能を地方と協力しながら発揮していくためにも、ワーケーションという手法は最適ではないかと思います。」(和歌山県・仁坂知事)

和歌山県・仁坂吉伸知事

 「“働き方改革”とは、単に働く時間を短くするのでなく、本当の意味で生産性が上がり、意欲を持って仕事ができる環境作りが重要だと思っており、まさにワーケーションはそのような企業の取り組みに寄与するものだと思っています。今後はほかの自治体の皆様方としっかりタッグを組んで、受け入れ地域としての環境整備を進めていきたいと思います。」(長野県・阿部知事)

長野県・阿部守一知事

 また、一般社団法人日本テレワーク協会理事・名誉会長の宇治則孝氏は、「テレワークは生産性向上やワーク・ワイフ・バランスだけでなく、イノベーションや地方創生、新しい街作りにもつながります。そのような大きな目標の中で、日本テレワーク協会では今年から、ワーケーションやテレワークを活用してライフとワークを楽しむための『2019テレライフ部会』を開始しました。当部会はWAJとも連携して、ワーケーションのようなムーブメントをさらに拡大するように進めていきたいと考えています」と語った。

一般社団法人日本テレワーク協会理事・名誉会長の宇治則孝氏

 ワーケーション・スタートアップ宣言には、以下の自治体が賛同を表明している。

三重県、三重県志摩市
秋田県湯沢市
神奈川県鎌倉市
長野県上田市、茅野市、長野市、駒ヶ根市、白馬村
静岡県下田市、静岡市
和歌山県田辺市、白浜町、串本町
北海道北見市、斜里町
鹿児島県錦江町、伊仙町
岩手県八幡平市
広島県呉市
京都府舞鶴市
兵庫県新温泉町
福井県福井市
長崎県五島市
千葉県佐倉市
新潟県妙高市
鳥取県