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「誹謗中傷ホットライン」立ち上げへ。被害者からの相談を受け付け、削除を要請~セーファーインターネット協会

一般社団法人セーファーインターネット協会

 一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は、インターネットにおける誹謗中傷に関する相談を受け付けるタスクフォース「誹謗中傷ホットライン」を6月末までに立ち上げると発表した。同時に、投稿の削除や発信者情報の開示の対応に苦慮している通信事業者らに対して、第三者の立場として相談に応じるという。

 最近、テレビ番組の出演者に対するSNSへの誹謗中傷の書き込みがきっけとなり、国や企業、支援団体などが再発防止に向けて取り込んでいる状態だ。

 SIAではこれまで、警察庁からの委託事業「ホットラインセンター」を立ち上げ、関係する省庁などと連携して児童ポルノ、リベンジポルノ、いじめなどの人権を侵害する投稿の対応を行ってきた。これらは主に、被害者からの相談を受け、該当する投稿がサービスの利用規約に抵触すると思われる場合は、SIAが削除の要請を行ってきた。今回の誹謗中傷ホットラインの対応も同様の流れで進められる。

 これらの削除要請が難しいのは、海外に拠点を持つSNSの場合だ。日本語で受け付けてくれる窓口もあるが、英語のみの場合もある。SIAではこれまでリベンジポルノなどの削除を要請した経験を生かし、今回の誹謗中傷ホットラインを運営する。

 一方で、通信事業者や誹謗中傷が投稿されたSNSも、対応に苦慮している。発信者情報開示は通信の秘密、投稿の削除は表現の自由を侵害する恐れがあるからだ。SIAでは、第三者機関として事業者の相談に応じて、「被害者の救済」と「表現の自由・通信の秘密」のバランスが保たれた誹謗中傷の投稿の削除や、任意開示を推進するとしている。