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在宅勤務で「光回線」新規契約した人も。工事不要ですぐに使える「ホームルーター」「モバイルルーター」という選択肢も
2020年6月19日 06:00
MMDLabo株式会社のMMD研究所が「在宅勤務における自宅のインターネット通信回線の実態調査」の結果を発表した。「在宅勤務者」における回線の種別は現在、「光回線」が6649人、SoftBank AirやWiMAX HOMEなどの「ホームルーター」が666人、「モバイルルーター」が994人で、光回線の利用者が圧倒的に多かった。一方で、新型コロナウイルスの影響による在宅勤務で新たに自宅の回線として契約した割合は、「光回線」で7.3%だったのに対し、「ホームルーター」は15.0%、「モバイルルーター」は14.3%に上った。
調査は5月19日~22日、スマートフォンを保有する全国の20~69歳の3万4994人を対象に実施した。
新型コロナウイルスの影響による在宅勤務状況は、「在宅勤務を行っている」が18.9%、「時差出勤と在宅勤務を並行して行っている」が12.0%、「時差出勤を行っている」が5.7%、「もともと在宅勤務を行っている」が5.6%、「過去に在宅勤務を行っていた」が2.8%だった。しかし、約半数の49.4%は「通常出勤を行っている」という状況だ。
このうち「在宅勤務を行っている」「時差出勤と在宅勤務を並行して行っている」「過去に在宅勤務を行っていた」と回答した「在宅勤務者」(1万1781人)を対象に、在宅勤務の前後でインターネット回線の契約や変更を行ったかどうかについて聞いたところ、光回線の利用者(6649人)では、「在宅勤務となり自宅のインターネット回線を新たに契約した」が7.3%、「在宅勤務となり自宅のインターネット回線の契約プランの変更をした」が4.7%、「在宅勤務となるため、インターネット回線の契約や変更を検討している」が3.6%、「以前と変わらずインターネット回線は変えていない」が84.4%だった。
ホームルーターの利用者(666人)では、「在宅勤務となり自宅のインターネット回線を新たに契約した」が15.0%、「在宅勤務となり自宅のインターネット回線の契約プランの変更をした」が8.6%、「在宅勤務となるため、インターネット回線の契約や変更を検討している」が4.1%、「以前と変わらずインターネット回線は変えていない」が72.2%。
モバイルルーターの利用者(994人)では、「在宅勤務となり自宅のインターネット回線を新たに契約した」が14.3%、「在宅勤務となり自宅のインターネット回線の契約プランの変更をした」が7.3%、「在宅勤務となるため、インターネット回線の契約や変更を検討している」が10.3%、「以前と変わらずインターネット回線は変えていない」が68.2%。
光回線の満足点は「通信が速い・安定している」、不満点は「通信速度が遅い、安定性が悪い」
光回線、ホームルーター、モバイルルーターの利用者のうち500人ずつ計1500人を対象とした調査も行われている。
「自宅のインターネット回線の満足度」は、光回線が87.6%、ホームルーターが80.2%、モバイルルーターが76.2%となっている(「満足している」「やや満足している」の合計)。
満足しているとした利用者における「契約しているインターネット回線の満足点」(複数回答可)については、光回線(438人)では「通信が速い・安定している」が39.7%、「データ容量が無制限」が30.4%、ホームルーター(401人)では「工事が不要」が53.1%、「ネットがすぐに使える」が47.4%、モバイルルーター(381人)では「ネットがすぐに使える」が46.5%、「工事が不要」が42.5%だった。
一方、満足していないとした利用者における「契約しているインターネット回線の不満点」(複数回答可)については、光回線(62人)では「通信速度が遅い、安定性が悪い」が50.0%、「月々の通信料が高い」が38.7%、ホームルーター(99人)では「通信速度が遅い、安定性が悪い」が67.7%、「月々の通信料が高い」が28.3%、モバイルルーター(119人)では「通信速度が遅い、安定性が悪い」が55.5%、「データ容量に制限(速度制限)がある」が49.6%となっている。
ホームルーターとモバイルルーターは、各通信会社のワイヤレス回線を利用しているため工事が不要で、契約するとすぐに使えるという点が評価されている。一方、不満点としては、3種類の回線で共通して「通信速度が遅い、安定性が悪い」が最多となっている。
また、光回線に満足している理由として「通信が速い・安定している」が最多であるにも関わらず、不満な点でも「通信速度が遅い、安定性が悪い」が最多という相反する結果となっている。比較対象が職場のネットワークだったり、利用する光回線やISPによって回線の品質に差があったりすることが考えられる。
ビデオ通話(オンライン会議)の利用が増加、「Zoom」48.9%、「Skype」31.8%など
「在宅勤務で利用しているビジネスツール」(複数回答可)として、「ビデオ通話/WEB通話」を挙げたのは56.5%、「スケジュール共有」は29.8%、「チャット」は25.0%、「ファイル共有」は23.7%、「タスク管理」は10.5%、「名刺管理」は7.7%となっている。
「在宅勤務で利用が増えたビジネスツール」(複数回答可)としては、「ビデオ通話/WEB通話」が48.6%、「スケジュール共有」が9.7%、「チャット」が13.9%、「ファイル共有」が9.9%、「タスク管理」が4.9%、「名刺管理」が1.3%だった。在宅勤務により「ビデオ通話/WEB通話」の利用が増えたことが、改めて分かった。
「ビデオ通話/WEB通話」の利用者(847人)に「使用しているビデオ通話(オンライン会議)サービス」(複数回答可)を聞いたところ、Zoomが48.9%、Skypeが31.8%、Microsoft Teamsが25.3%、LINEが18.8%、Google Meetが10.7%、Google ハングアウトが7.8%、Cisco Webex Meetingsが7.7%、Slackが5.2%、Cisco Webex Tearmsが5.2%だった。