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法人並みのデータ保護を個人にも――セキュリティ機能が強化されたバックアップソフト「Acronis True Image 2021」発売

「Zoom」などオンライン会議ツールを保護する機能も

「Acronis True Image 2021」パッケージ版

 アクロニス・ジャパン株式会社は、バックアップソフトの最新バージョン「Acronis True Image 2021」(パッケージ/ダウンロード版)を発表した。ウェブ直販では8月21日に販売開始、パートナー販売店および量販店では9月18日に発売される。

 Acronis True Image 2021は、個人ユーザーや個人事業主、小規模事業者を対象とした製品。バックアップ機能とセキュリティ機能を1つのソリューションとして提供することで、保護対象となるデータの管理が容易になり、費用面でも安価に抑えられることをメリットとして挙げる。

 製品ラインアップは、買い切り型の永続ライセンスのほか、年間サブスクリプションの「Essential」「Advanced」「Premium」があり、各1/3/5台版が提供される(AdvancedおよびPremiumはダウンロード版のみ)。また、Advanced版は500GB、Premium版は1TBのクラウドストレージが付属する。なお、クラウドストレージ付きの永続ライセンスを量販店向けに2020年内に発売する予定。

買い切り型の永続ライセンスのほか、年間サブスクリプションの「Essential」「Advanced」「Premium」をラインアップ
アクロニス・ジャパン株式会社の夏秋朋史氏(マーケティング統括部統括部長)

 価格(税別)は永続ライセンスが5982円、Essentialが年額5580円、Advanceが年額5074円、Premiumが年額1万167円から。Essentialより上位版のAdvancedが安価になっているが、前者はウェブ直販のみでの取り扱いとなるのに対して、後者はウェブ直販以外でも購入できるため、「できるだけ多くのユーザーに手を取ってもらうため価格を抑えた」と同社の夏秋朋史氏(マーケティング統括部統括部長)は新製品発表会にてコメントした。

 年間サブスクリプションを契約しているユーザーは、ライセンスの有効期間内であれば追加費用なしでバージョンアップができる。また、2020年7月20日以降に「Acronis True Image 2020」永続ライセンスをアクティベートしたユーザーについても、無償で最新版にバージョンアップ可能だ。

 対応OSは、Windows 10/8.1/8/7 SP1、Windows Home Server 2011、OS X 10.11以降、Android 5.0以降、iOS 10.3以降。

リアルタイム保護機能やウイルススキャン機能を追加「Zoom」などのオンライン会議ツールを安全に使うための機能も

 Acronis True Image 2021では、新たにマルウェア対策機能が追加された。従来版ではランサムウェアやクリプトマイニングから保護する機能「Active Protection」を搭載しているが、さらにリアルタイム保護やオンデマンドのウイルススキャンなどの機能を加えた。

 リアルタイム保護機能はシグネチャベースの駆除機能のほか、Windows版では振る舞い分析エンジンを搭載する。また、ウイルススキャン機能はバックアップの実行中でも同時に利用することができ、CPU負荷を分散するための機能もある。

 なお、これらの保護機能はAdvancedおよびPremiumで提供されるが、永続ライセンスおよびEssentialでは90日間の無償トライアルで利用できる。

バックアップ機能だけでなく、マルウェア対策などのセキュリティ機能が追加された

 脅威データベースや行動アルゴリズムは手動/自動で更新される。パターンファイルの更新は5分ごとに、検出ロジックを含む更新は1日1回行われる。

 また、Windows版ではウェブフィルタリング機能や、オンライン会議ツール「Zoom」「Cisco Webex」「Microsoft Teams」について、コードインジェクションからアプリを保護する機能や不審な挙動を監視する機能を備える。ユーザーの連絡先情報やチャットのデータ漏えいも防ぐとしている。

「Zoom」などのオンライン会議ツールを保護。現在は3種類のツールが対象となるが、ユーザーの要望などに応じて対象ツールを増やす可能性もあるという

 さらに、「Windows Security Center」と統合することでWindowsのガイドラインを順守し、サードパーティのウイルス対策ソリューションとの互換性も確保した。

 なお、Mac版ではユーザーから要望の多かったダークモードに対応した。

「Windows Security Center」と統合
Mac版はダークモードに対応

 バックアップ機能については、クラウドデータへのリモートアクセスが高速化されたほか、レプリケーションプロセスを中断時点から再開できる機能、バックアップの最新バージョンのみを検証する「クイックバックアップベリファイ」、バックアップ形式「.tibx」について、アーカイブのマウント/移動/名前変更や「.vhd」形式への変換の各機能を追加した。

バックアップのパフォーマンスが向上したほか、レプリケーションプロセスを中断時点から再開できる機能などを追加

個人にも「法人並みのデータ保護」をオールインワンで提供

 アクロニス・ジャパンではSAPAS(Safety、Accessibility、Privacy、Authenticity、Security)の5つのベクトルによる「サイバープロテクション」をポリシーとして掲げている。

アクロニス・ジャパン株式会社代表取締役の嘉規邦伸氏

 オンラインショッピングやネットバンキングなど、さまざまなサービスのデジタル化により、スマートフォンやPCなど個人所有のデバイスにも重要な情報が多数格納されるようになったが、サイバー攻撃などの脅威が深刻化する昨今の状況では、「十分なセキュリティ対策を個人で行うことがより困難になった」と同社代表取締役の嘉規邦伸氏は指摘する。

 また、洪水などの自然災害からデータを保護することの重要性が増したほか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止策として実施されるテレワーク/在宅勤務によってホームネットワークが標的にされやすくなり、「個人にも法人並みのデータ保護が必要な時代になった」と述べる。

 そこで、Acronis True Image 2021では、強化されたバックアップ機能とセキュリティ機能を1つのソリューションとして提供することで、個人や小規模事業者でも高水準のデータ保護とセキュリティ対策を実現できるとしている。