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この半年で「FTTH」契約数が100万件増加、テレワークなどで需要が増加

FTTH契約数の半期ごとの純増数。2020年度下期はMM総研の予測

 株式会社MM総研は、9月末における「ブロードバンド回線事業者の加入件数調査」の結果を公表した。FTTH(光回線サービス)の契約数は3410.4万件で、3月末からの半年で103.6万件増加した。「新型コロナウイルスの影響でテレワークやウェブ会議などが普及する中、自宅やオフィスでのFTTHの需要が大幅に増加している」(MM総研)という。

 MM総研の調査によると、FTTHの半期ごとの純増数は、2011年度上期に100万件を超えていたが、その後は100万件弱から50万件前後の間で推移していたという。それが今期、9年ぶりに100万件超えとなった。なお、MM総研の調査では、フル光化されたCATVもFTTHに含んでいる。

 FTTHの回線事業者のシェア(9月末現在、以下同)は、NTT東日本、NTT西日本、KDDI、オプテージ、ソニーネットワークコミュニケーションズの順。

FTTHの回線事業者シェア

 NTT東西が提供する「フレッツ光」「コラボ光」は合計2214.4万件で、2020年度上期の純増数は48.6万件。FTTH全体におけるシェアは64.9%だ。このうちコラボ光は1460.1万件で、NTT東西のFTTHに占める割合は65.9%。FTTH全体の42.8%を占めている。

 このコラボ光を利用してFTTHサービスを提供している事業者の契約数シェアは、NTTドコモがトップで、次いでソフトバンクが多く、この2社で70%超を占めている。

 NTT東西に次いで純増数を伸ばしたのはソニーネットワークコミュニケーションズで、アルテリア・ネットワークスを抜き5位になった。ソニーネットワークコミュニケーションズは、特に最大2Gbpsの「NURO 光」が人気で、2020年度上期は20%以上の増加となった。

 FTTHのISPのシェアは、NTTコミュニケーションズ(OCN)、ソフトバンク、NTTぷらら、ビッグローブ、ソニーネットワークコミュニケーションズの順。NTTコミュニケーションズが首位を維持しているが、ソフトバンクとの差が徐々に縮まっているという。

FTTHのISPのシェア

 FTTHのほか、ADSL、CATV、ワイヤレス(無線を利用した宅内据え置き型の高速インターネットサービス)を合わせた固定ブロードバンドのISPのシェアは、ソフトバンク、NTTコミュニケーションズ、J:COM、NTTぷらら、ビッグローブ、ソニーネットワークコミュニケーションズの順だ。ソフトバンクは、スマートフォンとセットで訴求する「SoftBank 光」とワイヤレス接続の「SoftBank Air」が契約数を伸ばしており、2位のNTTコミュニケーションズとの差は徐々に開いているとしている。

固定ブロードバンドのISPのシェア

 固定ブロードバンド市場は今後、2023年以降にサービス終了予定のADSLなどが減少する一方で、FTTHとワイヤレスが増加。2020年度からの5年間、年平均成長率2.5%で継続的に拡大すると予測しており、2024年度末(2025年3月末)には5000万件を超える見込みとしている。

 FTTH市場については、2020年度末(2021年3月末)時点のFTTH契約数を3495万件と予測。2020年度通期の純増数は188万件となり、2019年度の134万件を大幅に上回る見込みとしている。また、以降5年間の年平均成長率を3.7%と予測している。

 ワイヤレス市場も拡大するとしており、2021年3月末には421万件となり、固定ブロードバンドの9.0%を占めるようになるとしている。また、5Gを利用したサービスが徐々に進むとみられ、2023年3月末には500万件、2025年3月末にはCATVインターネットを超える規模に拡大すると予測している。

固定ブロードバンド契約数の推移と予測