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Trelloが大幅に機能を刷新! アトラシアン式ガントチャートとは?
「ATLASSIAN TEAM TOUR」で発表されたTrelloやConfluenceの新機能を紹介
2021年2月18日 06:55
「Trello(トレロ)」や「Confluence(コンフルエンス)」を提供するアトラシアンによるオンラインイベント、「ATLASSIAN TEAM TOUR」が2月17日に開催された。
ATLASSIAN TEAM TOURは、“チーム・コラボレーション”をテーマとしたイベントで、今回が4回目の開催となる。会場では「ワークマネジメント」や「ナレッジシェア」などをテーマに、多岐にわたったセッションが行われていたが、本誌でもこれまで何度か紹介したTrelloやConfluenceに関する新機能も紹介されたので、本稿ではそこを中心に紹介したい。
Trelloの新機能を紹介、5つの表示方法を追加
当日はCo-Founder and Head of Trelloのマイケル・プライアー氏より、Trelloの新機能などについての説明があった。
プライアー氏によると、新型コロナウイルスの影響から多くの企業がテレワークに移行したことで、ビジネスの現場ではGmailやSlackなどなど、非常に多くのツールを使うようになったとのこと。IDaaS大手のOkta社の調査によると、企業では平均129のツールを利用し、1日の36%をツール内での情報検索に費やしているという。
「この新しい働き方で成功を収めるために、我々はTrelloを変化させ、成長させます。新しいボードの機能や、新しいカード機能を追加し、Trelloでできることをマクロとミクロ両方のレベルで拡張させます」(プライアー氏)
具体的には各タスクを記録したカードについて、デフォルトの「かんばんビュー」のほかに、全部で5つの表示方法を追加するという。
新たな表示方法
- マップビュー
- タイムラインビュー
- カレンダービュー
- ダッシュボードビュー
- テーブルビュー
「マップビュー」はGoogleマップのような2D地図上に、カードを配置する表示方式。例えば、外出先で良さそうな物件を見つけた時、地図上にピンを配置。このピンにカードをひも付けるというものだ。
Trelloではこれによく似たものを拡張機能の「Power-Up」で提供していたが、今回のビューはそれを機能拡張したものとなる。オンライン/オフラインの両方に対応しており、通信環境に不具合がある場合でも、後にオンラインになった時に操作内容をクラウドと同期可能。ちなみにリリースは年内を予定しているようだ。
「現在このマップビューは一つのボードでしか使えませんが、将来的には複数のボードからこのビューにデータを集め、ボードを横断して情報を確認できるようになります」(プライアー氏)
「タイムラインビュー」はプライアー氏が「個人的にとてもワクワクする機能」と話していた表示方式。いわゆるガントチャートのように、各カードを時間軸に沿って配置するというものだ。カードを別のリスト移動させるのと同じ感覚で、各カードの配置、設定した期限などをドラッグ操作で調整可能となる。
「例えば、製品ローンチ時のように変化する情報、締め切りを追うようなときでも、誰が仕事を抱えすぎていて、何を調整すべきかを把握できます」(プライアー氏)
「カレンダービュー」もPower-Upで提供されていたものを、機能拡張したものとなる。登録した「開始日」と「期限」を参照して、カードを月間カレンダー上に配置。今日の予定を確認するときに使えそうだ。
「近い将来、1つ以上のボードを横断してみることができる機能を追加する予定です。これによりチームや企業を横断した施策の計画などに活用できるようになります」(プライアー氏)
「ダッシュボードビュー」は期日や担当しているカード、リストあたりのカード数などを、チャートとしてまとめたもの。カスタムレポートも作成でき、メンバーの作業負荷を確認するときなどに利用できる。
「このビューはチームが機能しているかを把握するのに役立ちます。プロジェクトに鳥観図を取り込むことで成功の指標を視覚化し、事前にボトルネックを防ぐことができます」(プライアー氏)
「テーブルビュー」ではデータをリストスタイルで整理できる。並べ替えやフィルタリングができるので、ボードが大量のカードで埋まった時にも、必要なカードをソートすることが可能。期限が近いカードがあり、それを誰が担当しているかも、見逃さずにチェックできる。
これにより、マネージャーやチームリーダーであれば、特定の個人の作業負荷、迫る期限、プロジェクトの進捗を把握できるようになるという。
「“企業を横断した取り組み”を“自分の取り組み”と一緒にトラッキングして、テーブル内で簡単に閲覧・整理できます。複数のプロジェクトを横断して自分の作業を確認できるので、適切に時間の優先順位がつけられます。このようにTrelloがボードを横断したビューを提供するのは、今回が初めてのことです」(プライアー氏)
さらに、プライアー氏によると各カードについても、新たな機能の採用を予定しているという。その一つが、近日での実装を予定している「ミラーカード」だ。
「ミラーカード」はその名の通りに、別のボードなどにカードを複製する機能。ミラーカードは元のカードと同期しており、カード内の情報を変更すると、それがミラーカードにも反映されるという。
これにより、複数のボードで情報を更新する必要がなくなるとともに、常に最新情報をTrello上で確認できるように。単純にカードの表示場所が増えるので、情報のソートも楽になりそうだ。
これに加えて、「リンクカード」機能が実装されると、例えば「Google Drive」といったサードパーティのクラウドツールのURLを貼ることで、ファイルのプレビューをカードに表示できるようになる。
これは、様々なツールに分散している情報を集約するだけでなく、それをTrelloのスタイルで整理できることにもつながる。あらゆる情報をグラフィカルに一元管理することが可能に。例えば、インスタグラムの更新を、公開日ごとにカレンダービューで表示することも可能となるわけだ。
なお、Trelloではビューやカードのプラットフォームを、サードパーティの開発者向けに公開する予定とのこと。これによって、例えば“ボード上のDropboxファイルを表示するDropboxビュー”などが登場する可能性も、プライアー氏は示唆していた。さらには、カード上で“Slackメッセージに返信”するなど、Trelloから各サービスを操作できるようにもなるという。
Trelloの新機能について、平間愛氏が解説
続いて、会場ではアトラシアン営業促進プログラムマネージャー 平間愛氏によるセッション、「ニューノーマルな世界でチームワークを再定義する〜進化するワークマネージメント〜」が行われた。
このセッションでは、先に紹介されたTrelloの新機能について、補足的な説明があった。これらの機能は「Business Class」または「Enterprise」のユーザーが利用することが可能とのこと。その主な内容としては……
マップビュー
- リンクされた位置情報はGoogleマップで表示可能
- 複数のボードを横断したカードの表示機能も追加予定
タイムラインビュー
- 日付表示は日・週・月・四半期・年で切り替え可能
- リスト単位でカードをまとめて表示するだけでなく、メンバーやラベルごとに表示することも可能
- 「開始日」と「期限」が未指定のカードは、「未スケジュール」メニューから確認し、期限などを設定可能
- レーンをドラッグ操作で調整する機能、未スケジュールのカードをドラッグ操作でスケジューリングする機能、カードの絞り込み機能、特定のメンバーやラベルを非表示にする機能を追加予定
カレンダービュー
- カードの絞り込み機能、カードの素早い同期機能、週末を非表示にする機能などを追加予定
ダッシュボードビュー
- リスト、期限、メンバー、ラベルごとのカード数の統計を、棒グラフや円グラフで表示可能
- 統計情報は過去1か月分をさかのぼって表示
- グラフの内容を掘り下げて表示するドリルダウン機能を追加予定
テーブルビュー
- 期限が近いもの、期限切れのものから順にカードを表示することが可能
- カードの情報はテーブルビュー内で直接編集が可能
- 現在の表示条件をブックマーク登録して共有できる
Confluenceの最新機能を紹介
なお、アトラシアンではテレワークに伴う新しい働き方が、今後社会に定着すると考えているという。その中で生じるコミュニケーション不足を解消するものとして、同社が提供しているのがConfluenceだ。
セッションでは最近行われたConfluenceの機能改善についての紹介が行われた。Confluenceでは2019年に新しいエディタのリリースを開始しており、以下のような機能が新たに搭載されている。
- 画像の隅をドラッグ操作するリサイズ機能
- コマンドを「/〇〇〇」の形式に統一
- マクロのライブプレビュー
- マルチプラットフォーム対応で、スマホなどでもページを同じように表示
さらに、テンプレートにも力を入れており、新人研修やミーティング議事録など90種類以上を用意。リンク先の情報を表示する「スマートリンク機能」は、DropboxやGoogle Driveなど15種類のサービスに対応している。
これらの新機能の中でも、特にユーザーからのリクエストが多かったのが、編集時におけるインラインコメントの表示機能だ。これにより、インラインコメントを参照しながらページを修正し、その報告を1画面で行うことが可能となった。
その他にも、プロジェクトツール「Jira Core」の完全な刷新。プロジェクトステータスをメンバー間で共有するために、現在開発しているシンプルな週次報告ツールの情報など。会場ではアトラシアンが提供する各種サービスに関して、新たな情報が公開されていた。
テレワークが広まる中で、クラウドツールの使いこなしが、業務の進行を大きく左右するようになってきた。今後、TrelloやConfluenceがどのように進化していくのか、今後のリリース動向も引き続きチェックしていきたい。