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CEATEC、今年は幕張メッセとオンラインで開催 「両者の優位性を活かした革新的な展示会に」

デジタル庁との連携も

 CEATEC 2021の開催概要が発表された。幕張メッセ会場とオンライン会場の双方を組み合わせた内容になることがわかった。

 2021年3月17日午後2時から、オンラインで行われた「CEATEC 2021 開催概要説明会」には450人以上が参加し、業界関係者の関心の高さをうかがわせた。出展募集は、3月24日午前10時から開始する。

リアルとオンラインを統合した「CEATEC 2021」

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた2020年は、完全オンラインでの開催となったCEATECだが、今年は改めて、リアル会場である幕張メッセでの展示を行うとともに、オンライン企画を組み合わせ、それぞれの優位性をシームレスに統合した形での開催を予定している。

 会期は、2021年10月19日~22日の4日間で、オンライン企画を2021年5月~11月にかけて実施する予定だ。6月下旬から、来場者向けのレジストレーションサイトもオープンし、一度登録すれば、幕張メッセ会場とオンライン会場のいずれにも参加できる。

 開催テーマは、これまでと同様に、「つながる社会、共創する未来(Connecting Society, Co Creating the Future)」とし、推進スローガンも、昨年同様に「ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC(Cyber Physical Exhibition with/after COVID 19)」とした。

「サイバーとフィジカルの優位性を統合する革新的な展示会を目指す」

CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏

 CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は、「新型コロナウイルス感染症の脅威が続いており、今年10月の幕張メッセ会場での開催についても、予断を許さない状況にあるのは確かである」と前置きしながらも、「CEATEC 2020 ONLINEは完全オンラインで開催したが、好きな時間に、どこからでも来場ができ、会場のキャパシティに限定されないコンファレンスの聴講など、オンラインならではの優位性を確認することができた。その一方で、リアルの会場でしか実現できない新製品や新たな技術に触れることや、会場の熱気を感じたいといった声も多かった」とコメント。

 「2016年からはCPS/IoT総合展示会として、また、超スマート社会であるSociety 5.0の実現を目指す展示会として、そして、共創する場として、CEATECを開催し続けてきた。その使命はどのような社会環境や変化に直面しても変わることはない。そうした点からも、今年のCEATEC 2021のテーマは変えない。だが、このテーマを実現するには展示会の在り方を見直す必要がある。オンライン会場と幕張メッセ会場の特徴を生かし、サイバーとフィジカルのそれぞれの優位性をシームレスに統合する革新的な展示会を目指す」と宣言した。

 また、「これは、2022年以降にもつながる新たな展示会の姿を追求するものになる。5月下旬には、CEATECとしては初めてとなるプレイベントを開催し、会期中はリアル会場とオンライン会場での同時開催、会期後のアフターイベントの開催という3つのステップで、オンラインの優位性をフルに活用し、ニューノーマル社会における重要課題の解決に向けて、6カ月に渡り、連続したメッセージを発信することになる。出展者が、出展目標の達成に向けて、オンライン会場、幕張メッセ会場、さらには両会場といった最適な選択ができるようにメニューを用意している」と述べた。

 CEATEC 2021のロゴでは、2021の文字を二重にしており、「そこにサイバーとフィジカルの統合をイメージした」という。

開催団体は主催がJEITAに

 また、これまでは、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEIA)、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3団体で構成するCEATEC 実施協議会が主催していたが、今回は、JEITAの主催で開催する。CIAJとCSAJは共催団体となる。運営は、従来通り、一般社団法人日本エレクトロニクスショー協会(JESA)に設置されるCEATEC 運営事務局となる。

CEATEC運営事務局の菊嶋隆史事務局長

 CEATEC運営事務局の菊嶋隆史事務局長は、「20年目を迎えた2019年のCEATECでは共創を意識し、密接に関連する産業からの出展が増加。海外からの出展社も増加。来場者の目的も明確な方向に進み、滞在時間も増加した。構造変化が見られ、未来社会の実装につなげる業種を超えた共創の場に進展し、屋外を活用した体験要素の拡充、スタートアップ企業などの存在感が向上した。一方、2020年は、オンライン開催という新たな挑戦となったが、オンライン開催を行うことが、その後のDXの促進につながると考えた。世界中で感染が拡大するなか、社会に対してどんな貢献ができるのかを検討した結果、ニューノーマルをテーマとした各種テクノロジーを提案し、DXを加速させる展示会を目指し、同時に、オンラインならではの時間や場所にとらわれない展示会であること、来場者の興味などを把握し、チャットで来場者との交流が行える環境を実現した」と、これまでの2年間を振り返り、「これまでの実績とノウハウを結集し、新たな形で、CEATEC 2021を開催する。天候や感染症を心配することなく、遠距離の懸念を解消し、国境と時間を気にせずに情報の受発信を可能にするオンライン会場、展示内容に実際に触れたり、体験したりできるほか、対面によるコミュニケーションが活発に行われる幕張メッセ会場をシームレスに統合することで、コロナ後を見据えた革新的展示会を目指す」とした。

メイン会場は「10月中旬の幕張メッセ」と「9月下旬~11月末のオンライン」5月~10月の「プレ」、10月~11月末の「アフター」も実施

 CEATEC 2021では、10月19日~22日に開催される幕張メッセ会場での展示と、9月28日~11月30日まで開催されるオンライン会場での展示をメインイベントとし、5月下旬~10月18日までをプレイベント、10月23日~11月30日までをアフターイベントと位置づける。

幕張メッセは4エリア、「密」に配慮した小間配置

 幕張メッセの会場では、Society 5.0の実現に向けて、あらゆるソリューションや製品全般を展開する「トータルソリューションエリア」、Society 5.0の実現を支える電子部品や電子デバイス、ソフトウェアなどのテクノロジーを展示する「デバイス&テクノロジーエリア」、次世代モビリティやスマートファクトリー、スマートホームなどにおいて、複数の企業による共創を訴求する「テーマエリア」、未来を担う国内外のスタートアップ企業および海外諸機関のパビリオンを複合的に展開する企画エリアの「Co-Creation PARK」の4つの展示エリアで構成する。

 そのほかに、スーパーシティやスマートシティ、5Gオープンラボなどの特別企画が予定されており、これらは4月に詳細が発表されることになる。

 出展スペースは、135平方メートル以上のプレミアム、54平方メートルのスタンダード、27平方メートルのベーシック、9平方メートルのシンプル、4平方メートルのスタートアップを用意。「通路における密の環境を整備すべく、4方向を通路とした小間を増やすことや、通路幅をできる限り拡張することを目指す」という。

 出展募集受付は、3月24日午前10時から開始。5月31日に優先出展の申し込みを締め切る。7月上旬にブース選択用図面を配布し、7月15日にオンラインで開催する出展者説明会で、ブース位置の選択を行う。

 なお、幕張メッセ会場では、新型コロナウイルスの感染防止対策を、来場者や出展者、運営関係者などに徹底。非接触による入退場の確立なども行う。ブース内などでの感染症対策のガイドラインなどについては、7月15日に予定されている出展者説明会で示すことになるという。

オンラインはCEATEC 2020 ONLINEがベース

 一方、オンライン会場では、CEATEC 2020 ONLINEでも好評だったツールを採用。ブース管理コンソールを各社へ提供し、指定の画像や文章を用意すれば、HTMLなどの知識がなくても、リッチなブースを作成することができるようにする。

 2製品を展示できるスタンダードと、1製品を展示できるスタートアップを用意。コンテンツは、会期中も容易にリアルタイムに変更、追加することが可能だという。また、独自のオンラインブースを構築したいといった要望にも対応する。

 また、プレイベントとして、「CEATEC Channel ONLINEセミナー」を開催すること明らかにした。6月22日~25日の講演テーマは、「カーボンニュートラル(グリーン×デジタル)」となっており、7月13日~16日は「5G」、8月24日~27日は「モビリティ」、9月14日~17日は「スーパーシティ/スマートシティ」となっている。

 視聴者は、CEATEC公式Webサイトで事前に登録する必要がある。

デジタル庁との連携も

 さらに、CEATEC AWARD 2021も開催することを発表した。「11回目となる今回は、注目度と期待値が高まるように、参加者の価値向上につなげる活動を実施。今回からは申し込みを有料化する」とした。

 なお、主催者のJEITAは、「デジタルの日」の趣旨に賛同しており、9月に発足する予定のデジタル庁と連携しながら、会期前、会期中、会期後に関連活動を行っていくことになる。

 今後、アフターイベントやカンファレンスなどの情報が、決定次第、明らかにされていくことになる。

 リアル開催とオンライン開催をシームレスに統合した、新たな展示会の実現に向けて、いよいよ動き出したCEATEC。今年は、どんなCEATECが開催されるのかが楽しみだ。