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アバターによる仮想オフィス「FAMOffice」が6月からサービス開始、実際に体験してみた!
富士ソフト「FAMOffice体験会」より
2021年5月28日 11:07
以前にお伝えした富士ソフトのFAMOffice。社内ツールとして開発が進められていたが、6月15日よりサービスとして展開されることになった。FAMOffice上での発表会とともに、FAMOffice体験会が開催されたので、本稿では同サービスをレポートしていく。
FAMOfficeは、バーチャル空間上にオフィスを再現したもので「あつまる、つながる、ひろがるオフィス」をコンセプトとしている。
テレワークの浸透に伴い、これまで自然と発生していた雑談や声かけが難しくなった。またテレワーク下では、チームメンバーのステータスが分かりにくいほか、孤独感などによる作業パフォーマンスの低下も課題となっている。それらの解決に加えて、ビジネスツールとしての機能性を持たせたものがブラウザベースで動作するFAMOfficeだ。
アバターで接触するだけ!簡単にビデオ会議をスタート
ログインすると、俯瞰型RPGライクな視点になり、ログインユーザーそれぞれにアバターが割り振られ、ドラッグ&ドロップで自分の席や会議室などへ移動できる。アバターには名前だけでなく、任意のコメント表示やステータス表示機能があり、管理職であればチームメンバーの状態を把握しやすい。移動はドラッグ&ドロップで基本的に高速移動だ。
また、話しかけたい人のアバターに自分のアバターを接触させると、ビデオチャットがスタートする。ビデオチャット開始時にダイアログ表示なく、そのままスタートする仕様であり、また画面いっぱいにカメラ映像が表示されるのではなく、そのままの小さな映像表示。最小限の情報で済み、気楽に話しやすい雰囲気を作っている。
会議室に入るとビデオチャットに自動で参加
発表会会場には大型モニターがあり、これはYouTubeのストリーミング映像となっていたが、ZoomなどもOKとのことなので、映像ソース全般を流すことができるようだ。また指定区域に入ると、自動的にビデオと音声がオフになるような管理も可能だった。
FAMOfficeの機能は、アバターを着席させて、場合に応じて雑談するだけでなく、会議室もある。1フロアの最大収容数は150人。会議室は最大12人までで、会議室に指定された区域に入ると、自動的にビデオチャットがスタートする。URLを発行したり、招待したりする手間がなく、雑談時の仕様も踏まえて、徹底して面倒な操作を省き、実世界での雑談や会議に近づけようとしているのがよく分かる部分だった。感覚としては、DiscordでVOICE CHANNELに入るときの手軽さに近い。
またFAMOfficeは、同社が提供するmoreNOTEも利用しており、ビデオ会議や誰かと雑談中に、ファイル共有や資料表示、ホワイトボードなども使用でき、ログインするだけでいい点も利便性のひとつだろう。なお画面共有機能は実装予定とのことだ。
回線の負荷を軽減、Zoomとの併用も可能
開発を担当した松浦直樹氏によると、PCや回線への負荷の低さを重視したという。比較的PC性能を要求するサービスとしては、Teamsが脳裏をよぎる読者もいるかと思うが、FAMOfficeの動作はとても軽い。動作環境はカメラとマイクが接続されているメモリー4GB以上を搭載するPCで“4GBの呪縛”に対応しつつ、ZoomやTeamsなどを併用する際に邪魔にならないよう配慮したとのことだ。
また回線負荷は、夫婦でテレワークをしており、かつ子供も家にいる場合は、総じて回線リソースの奪い合いになりがち。社員からの意見もあり、画質や音質を維持しつつ、データ量を減らしているという。回線速度は下り10Mbps以上、上り5Mbps推奨とあるが、体験会中のデータ量を見るに、そこまで使用するシーンはなく、複数人が参加するビデオチャット時のデータ量を見ていたところ、おおむね500~700kbpsと軽いものだった。ホワイトボードや資料表示をした際も大きな変化はなく、出張先からテザリングで接続する場合も考慮しているようだ。
作業の邪魔にならず、かつパフォーマンスの低下を防ぐ。何気ない雑談の重要性が再認識されている昨今だが、FAMOfficeはそれに留まらず、使い勝手の良さにも注力している。サービスインは6月15日からで、無料トライアルも用意されるそうだ。興味のある企業はアクセスしてみてほしい。