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Google、Chromeのサードパーティ製Cookie廃止を2023年後半に延期

代替手段となる「プライバシーサンドボックス」のスケジュールが見直しに

 米Googleは6月24日に、同社が推進するウェブビジネス用技術開発プロジェクト「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」のスケジュール見直しを発表。あわせて、Google Chromeにおけるサードパーティ製Cookieのサポート廃止を、2023年の後半に延期すると発表した。

 サードパーティ製Cookieとは、アクセスしたウェブサイト以外からウェブブラウザーに記録されるCookieのこと。アクセス状況の計測や広告の表示などの用途で幅広く利用されているが、ユーザーのウェブ上での行動が過度に収集されたり、ユーザーが想定する以上の範囲で利用されたりすることで、プライバシーが損なわれることへの懸念が高まっている。

 ユーザーのプライバシー保護のため、Firefox、Safariなどではデフォルトでサードパーティ製Cookieをブロック(無効化)するよう設定が変更された。このような動きを受け、Googleでは2020年1月に、Chromeでのサードパーティ製Cookieのサポート廃止を2年以内(2022年1月まで)に行うと発表していた。

 今回の発表により、スケジュールは当初の予定から2年近く延期される見通しとなる。なお、サポート廃止の実装方法がデフォルトでのブロックなのか、それ以外の方法となるのかは明らかにされていない。

 広告サービスなどの提供も行っている同社では、サードパーティCoookieの代替手段となる仕組みの策定にも着手していた。プライバシーサンドボックスはその1つだ。2019年8月、Chromiumプロジェクト(同名のウェブブラウザ—を開発しているオープンソースプロジェクト。ChromeはChromiumをもとに開発されている)によりプライバシーサンドボックスは提案され、ウェブ技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)で標準化のための議論が進められている。

 Googleではプライバシーサンドボックスの取り組みを進めていく中で、「この計画を正しく実施するためには、デジタル広告のエコシステム全体でさらに時間が必要なことがわかってきました」と述べ、スケジュールの見直しを表明。詳細に関しては近日中に発表するとしている。

 Chromeのサードパーティ製Cookieのサポート廃止は、2段階のステージに分けて行うスケジュールが発表された。ステージ1は2022年後半に、サードパーティ製Cookieの代替となる新しいツールの採用準備が完了し、ChromeでAPIがリリースされた後に開始。広告主やパブリッシャーが移行する時間を確保(9カ月間を想定)し、導入状況やフィードバックを確認する。

 ステージ2は2023年半ばに開始。2023年後半の3カ月間で、ChromeにおけるサードパーティCookieのサポートを段階的に廃止するとしている。

Privacy Sandboxのウェブサイト