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NTT東日本とIPA、「シン・テレワークシステム」にHTML5版を追加、MacやChromebookからも接続可能に

 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、シンクライアント型VPNの実証実験「シン・テレワークシステム」において、ウェブブラウザーから接続できる「HTML5版」を追加したと発表した。これまでWindows OSのみの対応だったが、macOSやChromebookなど、幅広いOS環境からクライアントとして利用できるようになった。

macOS上で動作するウェブブラウザーからWindowsが遠隔操作できる
同様にChromebookで動作するウェブブラウザーからWindowsが遠隔操作できる

 シン・テレワークシステムは、インターネットに接続されたWindows PCが遠隔操作できる実証実験。例えばテレワーク時には、仕事場に設置したPCをサーバーとして、自宅のPCはクライアントとして設定することで、自宅のPCから仕事場のPCが遠隔操作できる。ファイアウォールやNATなどのネットワーク設定の変更は不要で、サーバーとクライアントにID・パスワードを入力すると利用できる点が特徴だ。

 このようなシン・テレワークシステムだが、これまでは仕事場に設置しているPCにはサーバー、自宅などのPCにはクライアントのソフトをインストールする必要があった。サーバーもクライアントもWindows 10/8.1/8/7/Vista/XP向けのため、ほかのOSの環境から利用はできなかった。

 今回、HTML5版が追加されたことで、クライアント側のソフトの代わりにウェブブラウザーを用いた接続も可能になった。これにより、Windows PCに加えて、MacやChromebookもクライアントとして利用できる。

 シン・テレワークシステムは、新型コロナウイルス感染症対策と事業継続を支援するために、2020年4月に実証実験として提供開始。NTT東日本コロナ対策プロジェクト特殊局(仮設)とIPA産業サイバーセキュリティセンターサイバー技術研究室が共同で構築し、筑波大学OPENプロジェクト、KADOKAWA Connected、ソフトイーサなどによって運営されている。

 事前の登録は不要で、無償で利用できる。今のところ、2022年3月31日までの提供が予定されている。