ニュース

ソフォス、リモート環境からデータに安全にアクセスできるソリューション「Sophos ZTNA」を発表

ネットワークスイッチ製品「Sophos Switch」も発表

 ソフォス株式会社は2月9日、最新ネットワークソリューションに関する記者説明会を開催。リモート環境からアプリやデータに安全にアクセスするためのソリューション「Sophos Zero Trust Network Access(ZTNA)」とネットワークスイッチ製品「Sophos Switch」の説明を行った。

ソフォス株式会社の鈴木貴彦氏(セールスエンジニアリング本部シニアセールスエンジニア)

 同社の鈴木貴彦氏(セールスエンジニアリング本部シニアセールスエンジニア)は、Sophos ZTNAの提供に至った市場背景を説明した。コロナ禍におけるリモートワークの拡大やワークスタイル変革によって企業ネットワークにも変化が訪れている。従来は企業内のみのオンプレミス環境で閉じていたが、現在はSaaSやIaaSのようなクラウド利用と自宅などの遠隔地からのリモートワークによって境界が曖昧になっている。

リモートワークとクラウドが当たり前になった今、古典的な境界モデルは崩れてしまった
ここ数年の報道を見てもわかる通り、ランサムウェアの被害は現実的な脅威となっている

 一方で外部にPCを持ち出してVPNを使用して内部に接続するのはリスクが高い。以前はメールを足掛かりに侵入攻撃を行うケースが多かったが、現在はVPNを足掛かりにした攻撃が増えている。昨年大手ゲーム会社がサイバー攻撃を受けたケースでは、侵入経路として(旧型の)VPN機器が原因だったという調査結果が出ているように、脆弱性対応がされていないVPN機器がサイバー犯罪者に狙われているのだ。そこでVPNに代わり必要なリソースのみ接続するZTNAが注目されている。

右の図は警視庁が発表したもので、RDPも合わせると75%以上がリモートアクセス経由でランサムウェアの被害があったという
VPNの認証を何らかの方法で突破すると「(適切なセグメンテーションがされていないと)社内ネットワークアクセスし放題」になりかねない。ZTNAの場合はマイクロセグメンテーションにより必要なアクセス範囲のみを狭めることが可能だ

 現在のSophos ZTNAはZNTAゲートウェイをクラウドや企業ネットワークに設置し、そこにZNTAクライアントソフトを使用して接続するエンドポイント起動型の形態となっている。ゲートウェイはソフトウェア/VMベースで提供され、AWSとVMware ESXiに対応する。クライアントソフトウェアはWindowsで提供され、クライアントレスの接続にも対応する。そして、認証基盤としてAzure ADとOktaを使用し、全体の管理を「Sophos Central」で行うという構成になっている。

Sophosがまず提供するのはエンドポイント起動型のZTNA。プロキシを介するサービス起動型に比べてパフォーマンスがよいと説明している
Sophos ZTNAはポリシー管理のコントロールプレーンを自社のSophos Centralで一元管理する。ゲートウェイはソフトウェアベースで初期段階ではAWS/VMware ESXi向けに提供
Sophos ZTNAの差別化要因としてSophos Centralによる一元管理と合わせ、シンプルで費用対効果に優れるライセンス体系を挙げている

 AWS以外のパブリッククラウド、Macとモバイルのクライアントソフト、その他の認証基盤に対しても今後対応を拡大するという(2022年中にAzure、GCP、Hyper-V、Nutanix、Android、Appleへの対応が加わる予定)。今後、ZTNAゲートウェイを使用したエンドポイント起動型に加え、Sophosクラウド上にZTNAゲートウェイ機能を持たせたサービス起動型のSohpos ZTNA as a Service(ZTNAaaS)も予定しているという。

 鈴木氏はSophos ZTNAの魅力として「Sophos Centralで一元管理し、ゲートウェイソフトウェアも無償で利用できるので、課金はユーザー数に応じたシンプルさ」と初期導入のハードルの低さを挙げていた。

Sophosのネットワーク戦略として、接続先に合わせZTNA/SWG/CASBで対処する
今回発表されたSophos ZTNAは初期段階で、今年中に三大パブリッククラウドにも対応。今後さらに発展する予定となっている
また、顧客に合わせてクライアント起動型に加え、プロキシ型のサービス起動型ZTNAをZTNAaaSとして提供するという

 Sophos Switchは、2シリーズ10製品を製品を予定しており、2月1日に8製品を受注開始した。

 Sophos Switchの「100シリーズ」はベースネットワークにGbE、「200シリーズ」は2.5GbEを採用しており、ポート数は8/24/48(とSFPまたはSFP+ポート)。これにPoEの能力で製品構成が異なる。200シリーズは、まず8ポート製品のみがリリースされ、5月をめどに24/48ポート製品が追加される予定となっている。

 製品の特長として、同社のSophos CentralでVLAN設定を含む一元的な設定管理が可能になっており、ファームウェアのアップデートも自動で行われる。競合製品とは異なり「クラウドだけでなくローカル設定も可能」という。

2月から発注可能となったSophos Switchは、ファイアウォールよりもユーザー側に近い製品となる。現在8製品がオーダー可能で、5月には上位2製品も注文可能。設定はローカル以外にSophos Centralからの一元管理にも対応する
製品はGbEベースの100シリーズと2.5GbEベースの200シリーズで、8/24/48ポート製品が提供される