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Sansanの名刺アプリ「Eight」、キャリア形成支援やスカウト情報の新機能で「キャリアプロフィール」を提案

 Sansan株式会社は、名刺アプリ「Eight」の新機能の追加などにより、名刺を起点とした「キャリアプロフィール」という新たな提案を行っていく姿勢を打ち出した。

 タグラインも変更し、従来の「名刺でつながる、ビジネスのためのSNS」から、「名刺管理に、転職に」へと刷新し、名刺管理だけでなく、キャリアアップやキャリアチェンジに活用する提案を行う。

キャリアにフォーカスし、キャリアアップへ貢献する新サービスも

 Sansan 取締役執行役員 Eight事業部の塩見賢治事業部長は、「Eightがビジネスパーソンのライフタイムに伴走し、キャリアの自律的な形成を後押しする存在であるために、新たにキャリアにもフォーカスする」とした。

Sansan 取締役執行役員 Eight事業部の塩見賢治事業部長

 また、名刺とEightとの関係について「名刺を捨てるのではなく、その価値を維持しながら、ビジネスパーソンが転職する際や、企業が人材にアプローチする際に、Eightを使ってもらえるようにする。人材と企業のマッチングを後押ししたい」のように述べた。

 また、2022年夏を目標に、企業向けの新たなサービスを実装する予定も明らかにした。

 Eightは、主に個人ユーザーを対象にした名刺アプリとして2012年から提供を開始。対面で交換した紙の名刺を取り込んだり、オンライン名刺の活用などに利用できたりするほか、自分の名刺を登録し、更新することで、キャリアのあゆみを記録。名刺に記載されないキャリア情報もEightに蓄積し、つながりのある知人との交流にも活用できる。

 現在、300万人以上のユーザーが利用しており、中小企業向けの名刺管理サービスであるEight Teamsの導入社数は2000社以上になっている。

 また、プロフェッショナルリクルーティングのEight Career Designを通じて、ユーザーと企業との出会いを支援。Eightで「転職意向度」を登録することで、企業からのコンタクトを得ることができる。

 さらに、名刺のつながりから、ビジネスイベントと出会えるEight ONAIRでは、2021年5月のサービス開始から、累計で約5500件のオンラインイベントが提供されており、スキルアップや学習の機会を得ることができるようになっている。

「キャリアタブ」からスカウト情報などが入手可能に

 今回は、Eightの新機能として、キャリア情報を集約した「キャリアタブ」を実装した。これにより利用者は、Eight上でキャリア形成に役立つ情報を、効率的に入手できるようになる。

 Sansan 執行役員 Eight事業部Eightキャリア&ソリューション部の小川泰正部長は、「自分磨きに役立つ情報や、知らなかった企業の情報、求人情報を収集することができる」とする。

Sansan 執行役員 Eight事業部Eightキャリア&ソリューション部の小川泰正部長

 今回のEightの進化によって、「プロフィールを自動作成」「名刺情報を管理・検索」「近況情報が届く」「キャリア情報に出会える」「企業からスカウトが届く」という5つの特徴を持つことができるようになったという。

 「プロフィールを自動作成」では、自分の名刺を登録することで、正確な所属や肩書をEightに蓄積。名刺にはない情報を含んだオリジナルのキャリアプロフィールが作成できる。また、異動や昇格、転職などの際に更新することで、ユーザー自身のキャリア形成の歩みを記録できる。今回の機能強化では、プロフィールページにアクセスしやすいようにタブを画面下部に配置。「日ごろから自らのキャリアを意識してもらいたいと考えている」とした。

 「名刺情報を管理・検索」では、名刺交換した相手の名刺をEightに取り込む際に、AIと手入力を組み合わせて、名刺を素早くデータ化。これまで培ってきた人脈を管理できる。氏名や電話番号、メールアドレスに加えて、ユーザーがタグを自由に設定できるほか、アップデートにより、業種やエリア、役職、スキルといった詳細な情報から絞り込むことができるようにした。

 新たに設定したタグは、PCから利用できる機能として提供している。また、Eight Premiumのユーザーであれば、共通の知り合いを可視化するといった機能も提供する。「行動制限により対面での新たな出会いの機会が減少したビジネスパーソンに対して、新たな人脈形成の機会を提供できる」としている。

 「近況情報が届く」では、出会った相手が、転職や昇進、異動などにより、名刺が変更した場合に通知が届く機能を提供。知人が投稿した近況についてもコメントなどをつけることができ、交流が図れる。「名刺交換のタイミングだけのつながりではなく、名刺交換後のつながりもサポートする」と述べた。

Eightのプロフィール画面
コメント機能

 「キャリア情報に出会える」では、。新たな機能として提供する「キャリアタブ」により、自分磨きに役立つ情報や知らなかった企業の情報、求人情報を効率的に収集できる。画面下部にある「キャリアタブ」を押すと、キャリア情報を集約したページを表示。職種ごとに分類されたタグから目的の職種にたどり着くことができる。

 現時点では表示されるタグは「営業」だけだが、今後、新たな職種を順次追加していくという。「名刺交換を行う機会が多いのは営業職であり、その観点からまずは営業職にフォーカスした。利用者の声を聞き、検証しながら、第2弾、第3弾の職種を追加していく」と述べた。

 また、キャリアアップに役立つスキルを好きな時に、好きな場所で学ぶことができる「スキルレポート」、Eightがあらゆる企業にインタビューし、レポートと動画で紹介する「企業レポート」、ユーザーの属性に合わせて、Eight Career Designの利用企業の求人情報が表示される「求人情報」、スキルアップやキャリアアップに役立つリアルタイムで参加可能なイベントを表示する「オンラインイベント」の機能も提供する。

スキルレポート
企業レポート

 「企業からスカウトが届く」では、4段階に分類された転職意向度の設定をもとに、企業案内やスカウト情報が届くようになり、接点がなかった企業との出会い、キャリアチェンジのきっかけを得ることができるという。

スカウト情報

 なお、これらの機能は、一部を除いてEightユーザーには無料で提供する。

「働き手の自律性を重視したキャリア形成」を後押しし、日本経済に活気を

 Sansan 執行役員 Eight事業部Eightキャリア&ソリューション部の小川泰正部長は、「キャリアプロフィールとしてのEightの進化はこれで完成ではなく、今回の進化を起点として、ユーザーが真に求める機能を実装していく」と述べた。

 名刺がなくてもEightに新規登録できる機能も開発中であり、2022年夏を目標に提供するという。小川部長は、名刺を持っている人に留まらず、より多くのビジネスパーソンに役立つサービスにしたいとし、「Eightにより、キャリアチェンジやキャリアアップに踏み出したビジネスパーソンをサポートする施策も考えている」とも述べた。

 Sansan 取締役執行役員 Eight事業部の塩見賢治事業部長は、「コロナ禍における急激な市場変化により、ビジネスパーソンの働き方は大きく変化している。オンラインシフトするなかで、Eightは、課題となっていた出会いやつながりを後押しするための機能強化を続けてきた。また、コロナ禍における環境変化は、ビジネスパーソンが自らの働き方やキャリアを見直す機会にもなっている点も見逃せない」と、今の時代にサービスを提供する意義を語った。

 また、「キャリア形成においては、ビジネスパーソン自らが主導し、キャリア開発をしていく『キャリア自律』が注目されており、終身雇用の考え方が薄れ、ジョブ型雇用を導入する企業が増加していることで、必要とされる知識やスキルを持つことが求められている」と、キャリアへの意識の変化にも言及した。

 このような中、経団連の調査では、社員が自律的にキャリアを形成していると回答した人は約2割に留まっているという。働き手の自律性を重視したキャリア形成への転換が、今後の日本においては重要な課題だとして、塩見事業部長は「Eightは、こうしたビジネスパーソンを取り巻く新たな課題を解決し、ビジネスを後押ししていくために進化した」とも述べた。

 ビジネスパーソンのキャリア探しを支援し、企業は優秀な人材を獲得し、事業成長につなげ、日本の経済が盛り上がるといった波を、Eightで起こしたい、とも塩見事業部長は語っている。