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バッファロー、リモート管理可能な法人向けWi-Fi 6アクセスポイント「WAPM-AX4R」

2022年末には6GHz帯の使えるWi-Fi 6E対応モデルも予定

 株式会社バッファローは、Wi-Fi 6に対応する法人向けのWi-Fiアクセスポイント「WAPM-AX4R」を8月上旬に出荷する。価格は5万4780円。

 Wi-Fi 6こと「IEEE 802.11ax」に対応し、最大通信速度は5GHz帯が1201Mbps、2.4GHz帯が574Mbps。また、有線LANはIEEE 802.3at準拠のPoE受電に対応する1000BASE-T×1も搭載する。最大接続可能台数は256台。

法人向けのWi-Fi 6アクセスポイント「WAPM-AX4R」

 レーダー波の検知時に干渉しないチャンネルへ瞬時にチャンネルを自動で切り替える「DFS障害回避機能」や、多台数接続時に速度のばらつきを抑える「公平通信制御」の機能により、安定した通信を実現するという。

 また、来客用Wi-Fiを提供する「ゲストポート機能」では、VLANを設定することなく、端末間通信が停止できるという。

 インターネット経由で対応機器をリモートから無料で集中管理できる「キキNavi」に対応しているほか、別売りのネットワーク管理ソフトウェア「WLS-ADT」「WLS-ADT/LW」にも対応。管理者の負担を大きく軽減できる。

 オプションアンテナも利用可能なほか、専用のセキュリティカバー「WLE-OP-SCD」も4180円で併せて発売するという。

専用セキュリティカバー「WLE-OP-SCD」
WLE-OP-SCDを装着したWAPM-AX4R
株式会社バッファロー富山強氏(事業本部 法人マーケティング部長)

 株式会社バッファローの富山強氏(事業本部 法人マーケティング部長)は「すでに、出荷されているPCの6割がWi-Fi 6に対応している状況だが、これまでの経験から(Wi-Fiの新規格は)コンシューマー市場での普及から半年から1年後に、法人市場での普及が進むと考えている」という。

 そして、国内でも6GHz帯の法改正が行われる見込みで、これをにらんで6GHz帯を用いたWi-Fi 6Eに対応する新モデル「WAPM-AXETR」を2022年末にも発売予定とした。

 製品発表会では、バッファローの法人向け事業戦略についても紹介された。

 株式会社バッファローの横井一紀氏(常務取締役)は、全国に拠点展開している企業向けの広域営業部や東日本・西日本のエリアごとの営業部が全国に広くサポートを提供していることに触れつつ、2012年より始めた販売パートナー支援プログラムは現在、4000社・1万ユーザーに拡大。ここから、さまざまな要望を吸い上げて製品やサポートに反映していることを紹介した。

株式会社バッファロー横井一紀氏(常務取締役)

 続いて、株式会社バッファローの石丸正弥氏(取締役)は法人向けの製品について「企業規模ごとに求められるスペックや要望が異なるため、これらをカバーするラインアップを展開している」とし、「いくらいい商品を出しても中小企業に多く見られる“一人情シス”では、すべきことが多くあり、なかなか手が回らない。こうした状況を受け、システム設計と施工、保守サポートまでを一貫して幅広く手掛け、商品とサービス、パートナー向け販売支援を含めた“丸ごとバッファロー”で支援して、事業をさらに拡大していく」とした。

株式会社バッファロー石丸正弥氏(取締役)

 さらに、電子帳簿保存法などの新たな法律への取り組みや、「30年でこれほど物が入らない経験は初めて」だという半導体不足など、さまざまな状況へ企業が対応できるよう、自社開発の製品の機能や品質をブラッシュアップし続けることで支援を進めていくとした。

 そして、「ネットワークは入れてからが本番で、止まってもいけない。復旧、解決をしなければいけない」と述べ、クラウドを使った支援ツール「キキNavi」を無償で提供していることに触れつつ、Wi-Fiアクセスポイント「AirStation Pro」については145万台を出荷していることも紹介した。

 株式会社バッファローの富山強氏(事業本部 法人マーケティング部長)は、IT人材不足への対策として作業管理の負担軽減、BCP対策として事業継続へ向けた取り組みへの支援、テレワークを筆頭に業務デジタル化への(ネットワーク構築をはじめとした)インフラ支援の3つを事業戦略の軸としていることに触れた。

 これに基づいて、販売店などがキキNavi上に機器情報を事前に登録してユーザー企業に送れば、開梱してセットアップするだけでリモート管理が行える「キキNaviクラウドゼロタッチ」について、2022年冬からサービスを開始するとした。

 また、バッファローでは、設計・施工・保守の各種サービスをグループ会社通じて提供しているが、このうち、Wi-Fiの現地調査を教育機関や法人に対して無料で提供するキャンペーンを4月から開始していることも紹介した。

 一方、NASは「データの一生を守る」というコンセプトにより、ワンストップでサービスを提供しており、その一環として2月には、データに加え設定情報までをクラウドへバックアップでき、進捗も確認できる「キキNaviクラウドバックアップ」のサービス提供を開始している。

 2022年冬にはこれに加え、販売店などがキキNaviで設定管理可能なサブスクリプションメニューを提供するとした。

 このほか、バッファローでは、5月にリリースしている法人向けのVPNルーター2製品向けに、L2TP over IPsec対応ファームウェアを7月にリリース予定とのことだ。

 また、薬局や医療施設でマイナンバーカードのICチップなどの資格情報をオンラインで確認できるシステムの要求仕様にも対応していることにも触れた。