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「Interop Tokyo 2022」が幕張メッセで6月15日に開幕、3年ぶりにカンファレンスもリアル開催

「Interop Tokyo 2022」公式サイト

 ネットワーク技術のイベント「Interop Tokyo 2022」が6月15日より開催される。2部構成となっており、「フェーズ01」として6月15日~17日にリアルイベントを幕張メッセ(千葉市美浜区)にて開催。その後、「フェーズ02」として6月20日~7月1日にオンラインセミナーを配信する。

 今回のテーマは「インターネットによる、人々のための革新と信頼」で、393の企業・団体が展示会・カンファレンスに参加。フェーズ01では、リアル開催の基調講演、展示会、「Interop Tokyo カンファレンス」が行なわれる。

 Interop Tokyoは、コロナ禍により2020年はリアルイベントが中止され、予定されていたセミナーをInterop Tokyo カンファレンスとしてオンラインで配信した。2021年は展示会がリアル開催されたが、カンファレンスは前年同様、オンラインでの配信となった。しかし今年はカンファレンスもリアル開催となり、コロナ禍前の形態に戻った。

基調講演(幕張メッセ 国際会議場)

 基調講演は「Starlink -Connecting the World」と題して、Jonathan Hofeller氏(SpaceX Vice President of Starlink Commercial Sales)が登場。

 人工衛星を用いたネットワーク接続の事業を準備している「Space Compass」について、村井純氏(慶應義塾大学 教授)がモデレーターとなり、松藤浩一郎氏(株式会社Space Compass 代表取締役Co-CEO就任予定/スカパーJSAT株式会社 執行役員 宇宙事業部門)、堀茂弘氏(株式会社Space Compass 代表取締役Co-CEO就任予定/日本電信電話株式会社 研究企画部門 R&Dビジョン担当 担当部長)が「Space Compassが拓く新たな宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」と題して講演を行う。

 ローカル5G関連では、渡辺克也氏(株式会社インターネット総合研究所 顧問/元総務審議官)のモデレーターによる「Local 5G Summit ~ローカル5Gは変わった!~」にて、翁長久氏(総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課長)、五十嵐大和氏(東北大学 電気通信研究所 特任教授)、藤本幸一郎氏(日本電気株式会社 デジタルネットワーク事業部門 上席テクノロジー・エバンジェリスト)、文字勇氏(シスコシステムズ合同会社 業務執行役員情報通信産業事業 プリンシパルアーキテクト)が登壇する。

 クラウドサービスを提供しているAmazon、Google、Microsoftの3社もそれぞれ基調講演に登場する。有賀征爾氏(グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 カスタマーエンジニア/ネットワークスペシャリスト)が「トランスフォーメーションを支えるGoogleCloudの技術」、亀田治伸氏(アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 シニアエバンジェリスト)が「クラウドの進化を支える基礎テクノロジー 仮想化基盤とネットワーク」、Jason Zander氏(Microsoft Executive Vice President)が「Transform 5G mobile networks with the Microsoft Cloud」と題して講演する。

 拡大するテレビ番組の配信サービスの関係者もそろって登場。主に民放のテレビ番組の配信サービスである「TVer」とNHKの「NHKオンデマンド」「NHKプラス」があるが、「IP化時代における放送の将来像」では須賀久彌氏(株式会社TVer取締役/将来像・ローカル担当)、クロサカタツヤ氏(株式会社企 代表取締役)、江口靖二氏(合同会社江口靖二事務所 代表)、モデレーターとして村上圭子氏(NHK放送文化研究所 メディア研究部 チーフ・リード)が登壇する。

 政府によるデジタル化の推進も注目されるところだ。藤原洋氏(株式会社ナノオプト・メディア 代表取締役会長/株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長)がモデレーターとなり、牧島かれん氏(デジタル大臣、行政改革担当大臣、内閣府特命担当大臣/規制改革)と村井純氏(慶應義塾大学 教授)が「デジタル社会実現に向けて」として、政府のデジタル戦略を説明する。

 なお、これらの基調講演は、公式サイトでの事前登録または招待状の持参で無料となる。当日のライブ配信は行われない。

展示会(幕張メッセ 国際展示場ホール)

 展示会場では、各社のネットワーク機器を接続するネットワーク「ShowNet」も構築される。ShowNetは、ネットワーク機器の実演だけではなく、他社の製品との相互接続性のテストを行う場でもある。このようなShowNetに接続されているネットワーク機器やサービスは1500台以上で、約400人のエンジニアが支えるという。

「ShowNet」は、幕張メッセでの「リアルコンテンツ」のほかに、オンラインで視聴できる「オンラインコンテンツ」もある

 ShowNetでは、400Gbpsのバックボーンを用意。各社が、DCIM、IP over DWDM、SRv6、ハイブリッドクラウドによるBCP対策、ゼロトラスト、予兆検知技術、ローカル5G、超低遅延/広帯域映像伝送などの技術を採用したネットワーク機器やサービスを接続する。

 展示会へは、公式サイトでの事前登録または招待状の持参で無料となる。また、会場内を歩きながら、ShowNetを構成するネットワーク機器の解説が受けられる「ShowNetウォーキングツアー」も実施され、参加費は1000円(学生証を提示した場合は500円)。1日目・2日目は1日6回、3日目は5回行なわれる。

 さらに1日目・2日目の展示会終了後、「ShowNetテクニカルツアー&セッション」が行なわれる。内容は、ShowNetウォーキングツアーに加えて、ShowNetの構築・管理を行っているNOCチームメンバーによるセッションがある。事前登録が必要で、参加費は1万円。

Interop Tokyo カンファレンス(幕張メッセ 国際会議場)

 Interop Tokyo カンファレンスは、Wi-Fi、5G/Beyoud 5G、Segment Routing、IOWN、データセンター、セキュリティ、IT戦略、クラウド、デジタル基盤、モビリティ、モバイル、量子テクノロジー、ID、法律・規約といったテーマで全41講演が予定されている。

 同カンファレンスは、Interop Tokyo 2022の会期中にリアル講演を実施。その後、講演者の許可が得られたセッションは7月4日~12月23日にオンデマンド配信される。

 リアル講演とオンデマンド配信がセットになった「会場聴講+オンデマンド配信聴講」の受講料は、会期の3日間のうち1日が受講できる1日券「1Dayパッケージ」が5万5000円、3日券の「3Day パッケージ」が11万円。また、オンデマンド配信聴講のみの「オンデマンド配信聴講」は6月下旬から受付が始まり、1日券の「1Dayパッケージ」が3万8500円、3日券の「3Dayパッケージ」が5万5000円。

「Interop Tokyo カンファレンス 2022」の講演一覧

フェーズ02(オンライン開催)

 「Interop Tokyo 2022 フェーズ02」のオンラインセミナーは、公式サイトでの登録が必要だが、参加は無料。内容は主に、ShowNetで使われた技術の解説。また、参加企業の製品の解説や今後の展望、方向性などのセミナーが予定されている。